【報告】「SDG4教育キャンペーン2022」第2回ロビイングメンバー研修
フリー・ザ・チルドレン・ジャパンは、すべての人々が教育を受ける権利を受けられるよう、持続可能な開発目標(SDGs)の教育目標の達成を目指す「SDG4教育キャンペーン」に、本年も実行委員として参加しています。
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本年の「子ども・ユースロビイングメンバー」の第2回ロビイングメンバー研修会を5月8日(日)13:00~16:00に実施し、政党アンケートの質問1・3・4・5の詳細解説、ロビイング活動そのものに関する説明、6月6日の院内集会で国会議員へ自身の主張や提言を伝える際のロールプレイングなどを実施しました。
研修は当団体が主催・運営し、キャンペーン実行委員であるラオスのこども、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンのスタッフも運営補佐としてご参加・登壇いただき、スタッフ・ロビイングメンバー合わせて13名が参加しました。
参考:前回の報告 「SDG4教育キャンペーン2022」実行委員会所属団体一覧
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研修内容一覧(目次)
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第1部:導入、政党アンケート設問詳細解説(前半)
最初に、前回説明した「安心の場(セーフスペース)作りのためのルール」確認を行い、アイスブレイクとして大型連休中のエピソードを共有しました。
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次に、前回のおさらいを交えつつ、政党アンケートの質問1・3(国内の教育問題)に関する詳細解説を行いました。
前回は設問の背景のみを解説しましたが、今回は設問や解説文に出てくる用語や、各政党の回答内容も解説しました。
(説明した内容はhttps://ftcj.org/archives/29550とほぼ同じです)
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それぞれの設問の詳細解説後、3人グループのブレイクアウトセッションに分かれ、「解説や回答を聞いてどのように感じたか、考えたか」「どちらともいえない・反対の意見や異なる考え方の意見に対してどのように考えるか」などのテーマでディスカッションを行いました。
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「子ども、若者の意見を表明できる権利を保障するためにも、子ども・若者が意見を表明する/おとなが子ども、若者の意見を聞く場や空間を設けることが大事である」「前回の研修を経て、自分の学費がどのくらいかかっているのか実際に親へ確認し、驚いた」といった、メンバーそれぞれの考えや、実体験、前回研修後に実践・調査した結果など、様々な意見や話題が共有されていました。
第2部:政党アンケート設問詳細解説(後半)・ロビイング解説第2弾
休憩を挟み、政党アンケートの質問4・5(海外の教育問題)に関する詳細解説と各党の回答内容の確認を行いました。
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こちらも、それぞれの設問の詳細解説後、3人グループのブレイクアウトセッションに分かれ、「解説や回答を聞いてどのように感じたか、考えたか」「どちらともいえない・反対の意見や異なる考え方の意見に対してどのように考えるか」などのテーマでディスカッションを行いました。
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メンバーからは、「海外の教育支援基金へ拠出する予算が無い、すでに別の基金に拠出済という回答もあるが、必要な時に必要な所へ適切な予算配分ができるよう調整できるのではないか?」「Education Cannot Waitを直訳すれば「教育は待てない」となる。教育支援をいつまでも後回しにしていたら、支援を待つ子どもたちは教育を受けられぬままおとなになってしまうことからも、教育支援はWASH(水・衛生)、食糧支援と同じくらいの重要度・優先度で議論すべきものだと思う」「昨年の政党ロビイングの際、学校保護宣言の支持を提言したところ、「党内で議論したことが無い、これから議論したい」と回答されたことがあったので、まずは各政党内で学校保護宣言に関する議論をして欲しい(参考:https://ftcj.org/archives/24952 https://ftcj.org/archives/24858)」(昨年から連続参加しているメンバー)といった話が共有されていました。政党アンケートの詳細
説明とディスカッションの後、ロビイングそのものに関する講義を行いました。
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第3部:院内集会本番のロールプレイング
6月6日に本キャンペーンが実施する院内集会は、子ども・ユースロビイングメンバーと国会議員が数名ずつのグループに分かれ、政党アンケートの各設問について、政策提言や意見交換を行うことを予定しています。
少人数のグループに分かれた後、ロビイングメンバーは自分の提言や意見を書いたフリップボード(画用紙)を国会議員に見せながら、1分で提言や意見を伝え、これらを見聞きした国会議員が質問やコメントを返すことで対談を展開していきます。
詳細は https://crc-campaignjapan.org/report/report-713/ の「2.子どもと国会議員とのグループワーク」及び当団体ブログでの報告記事をご覧ください。
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そこで、今回の最後のワークとして、この流れのロールプレイングを敢えて予告無しで実施しました。3人グループのブレイクアウトセッションに分かれ、順番に1人ずつ1分で提言・メッセージを話し、残り2名は話を聴く国会議員とフィードバック役を担当しました。
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メンバーにとっては難易度の高いワークであることを重々承知したうえでロールプレイングを実施しましたが、全員が臆することなく、まとまっていない状態ながらも、自分が伝えたいことを、経験や知識を交えつつ、熱意を込めて話せていたと思います。
各メンバーからのフィードバックでは、「実体験を交えていて説得力があった」「自分には無い視点からコメントで参考になった」など、お互いの良いところを共有するコメントが多く、
研修冒頭で確認した「安心の場(セーフスペース)作りのためのルール」の「それぞれが積極的に参加することで、相互に高め合う」をみんなで実践できていました。
最後に、今後の活動スケジュールや諸連絡、研修全体の振り返りを行い、第2回ロビイングメンバー研修を終了しました。
<子ども・ユースメンバーからの振り返りコメント>(抜粋、順次追記予定)
・様々なバックグラウンドのメンバーの意見に刺激を受けました。
・スタッフの方からの各設問の説明を聞いて、
・前回より長く、
・スタッフや他のメンバーの皆さんのお話を聞き、広い視野で物事を考えて、
・年齢、学年の異なる他のメンバーの意見を聞いて、多くの気づきを得られました。
・ディスカッションの中で、「政党からの回答は全体的に曖昧な答えが多い」という意見が出た。口約束だけで終わらぬよう、経験を伝えていくなど、訊き方、伝え方を考えていきたい。
・今回、
・質問3の回答を見て、国交問題を理由に朝鮮学校の子どもたちを高校無償化の対象から外している現状はおかしいと思ったとともに、もっと平等に扱ってほしいと感じました。
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次回、5月27日(木)夜の第3回研修では、今回時間の制約上扱わなかった質問2・6の詳細解説とディスカッション、このロールプレイングやリハーサルを実施する予定です。