コンゴ民主共和国

豊かな資源に恵まれた、熱帯雨林が広がるアフリカの大国

アフリカ大陸の中央にある広大な国、コンゴ民主共和国。以前はベルギーの植民地だったため、公用語はフランス語。学校の授業は全てフランス語で行なわれますが、各地域でさまざまな言語が使われれています。

コンゴ民主共和国は世界で2番目に広い熱帯雨林があり、マウンテンゴリラやオカピなどが暮らす豊かな自然に恵まれています。また、この国には、金、コバルト、コルタンなど、世界的に見てもとても価値の高い鉱物資源がたくさんあります。特に、スマートフォンなど作るのに欠かせないコルタンは、世界全体の約8割がコンゴ民主共和国にあると言われています。しかし、これらの豊かな鉱物資源が、長年の紛争の要因にもなっています。

2003年に長い内戦がようやく終結しましたが、その後もずっと不安定な状況が続きました。そして近年再び、東部での武装グループによる暴力や武力衝突が激しくなっています。長年の紛争により国土は荒廃し、貧困、食糧不足、医療、教育、インフラなど、あらゆる面で厳しい状況が続いています。

コンゴ民主共和国の子どもたちが置かれている状況

長年にわたる内戦や紛争は、子どもたちに深刻な影響をもたらしています。子どもたちは十分な食べ物を得ることができず、約25万4000人の子どもたちが現在、深刻な栄養失調の状態にあると言われています(2024年 IPC)。

また、コンゴ民主共和国では児童労働をしている子どもたちが多くいます。
特に、子ども兵士として紛争に利用される子どもや、鉱山での採掘の仕事など、心身に大きな負担と危険を伴う労働を強いられている子どもたちがいることが問題となっています。

高校へ進学する女の子は約44%です。児童婚(18歳未満の子どもの結婚)の割合が特に女の子は高いことが、この要因の1つと言われています。

コンゴ民主共和国では2023年から小学校教育が無償となりました。この政府からの発表を聞いた人々は喜んで子どもたちを学校へ送り出しましたが、突然増えた生徒の人数に対し、学校の人員や教室や設備の不足、受け入れ体制が整っておらず、教育の質が低いことが課題となっています。

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知っていますか?

97%
10歳の子どもの97パーセントが基本的な文字の読み書きができず、教育の質の低さが課題となっています。(2022年 世界銀行)79%の女の子、86%の男の子が小学校を卒業しています。中学校を卒業する女の子は51%、男の子は63%です。(2021年 UNESCO)

 

25%
国民の約25%が必要な食べ物を得ることが難しい状況です。紛争や自然災害、気候変動などの要因が重なり、食糧問題が複雑化しています。(2023年 WFP)

 

60
710万人以上もの人々が、紛争から逃れるために国内避難民として避難生活を送っています。これはアフリカで最も多い人数です。国内避難民のうち60%が子どもです。(2024年 UNHCR)
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支援のかたち

コンゴ民主共和国出身の元子ども兵士 活動家ミシェルとの連携
フリー・ザ・チルドレンは、最悪の形態の児童労働の一つ、「子ども兵士」が多くいるといわれているコンゴ民主共和国で、貧困地域の子どもたちが過酷な労働に従事しなくてもよいよう、人々が貧困から抜け出し、自立することを目指し、南キブ州で生計維持支援を行おうと2024年からプロジェクトを始めることになりました。

コンゴ民主共和国で事業をスタートするために、現地出身で、元子ども兵士の国際的な活動家ミシェル・チクワニネさんと現地のグループとパートナーを組むことになりました。

FTCJコンゴ民主共和国 南キブ州 地域開発プロジェクト・ディレクター
ミシェル・チクワニネ

元子ども兵・モチベーショナルスピーカーでもある活動家。
コンゴ民主共和国で580万人の命を奪ったと言われる「アフリカ大戦」の真っ只中に育つ。この戦争で彼は難民となり、子ども兵となることを強いられた。トロント大学にて、アフリカ研究で学士号を、経済学と国際関係学で副専攻を取得し卒業。現在は国連人権高等弁務官事務所(UN OHCHR)アフリカ系フェローを務め、またセネガルにてNBAアカデミーのコーチとして次世代リーダー育成に携わる。これまで80万人以上の人々へスピーチを行い、社会的責任と共に希望をもち、自身の能力を信じ続けることを伝えている。
『Child Soldier: When Boys and Girls are Used in War』著

▶子ども兵士やコンゴ民主共和国について学べる無料教材公開中:コンゴ民主共和国の元子ども兵士ミシェルの話を聞こう
フリー・ザ・チルドレン・ジャパンでは、児童労働についての知識を得るだけでなく、子どもたち自身が問題の解決に向けて論理的に考え、自らの行動へとつなげていくことを目的とした無料教材「コンゴ民主共和国の元子ども兵士ミシェルの話しを聞こう」を作成いたしました。
本教材は、コンゴや子ども兵士について学びながら、児童労働という世界的な問題の解決に向けて私たちにどういった取り組みができるのかを仲間とコミュニケーションを取りながら論理的に考えていく内容となっています。
各教材は以下より無料でダウンロード頂けます。※ビデオのストーリーが子ども兵士の体験談になります。対象者の心理状態をご確認ください。

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1.農業研修プロジェクト

紛争下の厳しい環境の中、農業に従事する人々であっても食料不足や貧困などの苦しい状況にあります。特に、人口が多く、紛争の影響を最も受けているコンゴ民主共和国の東部に位置する南キブ州では、紛争の混乱の中で土地が荒れ、農作物が育ちにくくなってしまいました。

また、長引く不安定な状況により、若者は農村を離れ、都市に人口が集中し、農村は人手不足になっています。それによる国全体の食料不足や物価の高騰も深刻です。

そこで、南キブ州の農村地域において、貧困下で困難な状況にある村人を対象に、この地域の土壌に合った農業の手法や、より効率的で持続可能な農業のトレーニングとスタート支援を行う新事業を、2024年より開始しました。

 

2.ヤギ飼育を通じた収入向上支援プロジェクト

紛争が再び激化している東部地域の農村にて、紛争下で夫を失ったシングルマザーなど、貧困下で特に厳しい状況におかれている人々を対象にヤギ飼育支援を行ないます。

ヤギは厳しい環境に耐え、多産で妊娠期間が短いことから、継続的な収入源や食料を得るのにとても優秀な家畜です。
村の人々が安定した収入を得るための技術を習得することで、食糧不足を改善するだけでなく、家庭の収入を安定させることで、子どもたちが成長に必要な栄養や適切な教育の機会を得られるようにすることを目指し、2025年度よりこの事業を新たに開始する予定です。

▶ヤギ一頭分相当のご寄付、収入向上支援へのご寄付はこちらからも受け付けています。【Hearty Gifts】生活にとても役立つヤギ1頭

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さまざまな支援の方法があります

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