エクアドル

協力し合い暮らす国

エクアドルにはミンガという伝統があります。これは、かつてインカ帝国を興したインディオKichwaの伝統で、村のみんなが集まって、共益のために何かのプロジェクトをやろうというもので、日本の“結”に当たるものです。

フリー・ザ・チルドレンのエクアドルでの活動は1990年から開始し、チンボラソ県での学校建設に力を注いでいます。2008年、この地域の村々のためにさらなる支援の必要性を実感し、正式に、村の自立を応援するプログラムを行う国にエクアドルを認定しました。近年は、アマゾン地域へも活動を広げています。

 

エクアドルの子どもたちが置かれている現状

エクアドルにはチンボラソという県があり、インディオの集落が最も多く、貧困率がエクアドルで最も高いところです。

子どもたちが一番近くの学校へ行くのに数時間歩くというのはよくあることですし、多くの親たちは、子どもを家に置いて、家庭での雑用を手伝わせています。

エクアドル側のアマゾン地域には、はるか昔からそこで暮らしてきた数千人の先住民がいます。これら、外界と隔絶された村々は、農地の利用、労働の機会、健康管理などの分野で権利が制限されているため、中南米の中でも特に困難の多い地域とされています。

深刻な貧困、教育や環境条件上の制約は、村の存続に大きな影響を及ぼします。多くの親たちが収入を求めて町に出ようとするため、子どもたちも町への移住を強いられます。フリー・ザ・チルドレンは、子どもたちがそういったことを心配せずに家の近くで質の高い教育を受けられるようにするべきだ考えています。エクアドルの農村部に教育、水、健康プログラム、副収入の手段を提供することで、これらの取り残された人々に、もっと明るい未来を見いだしてもらえるよう応援しています。

知っていますか?

23.3%
エクアドルの23.3%の人々が、貧困ライン以下の生活をしています。(World Bank, 2018)

 

36%
15歳以上のエクアドル人のうち、文字の読み書きができるのは36%です。(World Bank, 2017)

フリー・ザ・チルドレンの取り組み

支援の目的

①チンボラソ県やアマゾン地域で暮らすこの国の先住民の発展を支援します。

②先住民自らの発展を指導し、貧困から脱却させてくれる村のメンバーに、資金、機会、連携機関を提供・斡旋します。

③祖先から受け継いだ知識や文化的なアイデンティティの価値を高めること、すなわち、私たちの活動に際しては、固有の言語を使う、伝統へ参加する、村の運営を尊重するようにします。

 

村の自立を応援するプログラム(Adopt a Village)

貧困を生み出す要因は、複数あります。ですから、貧困を解消するための解決策は一つではなく、様々な側面から同時に支援活動を行うことが大切だとフリー・ザ・チルドレンは考えています。

そこで、わたしたちは貧困地域の人々が生きるために必要な基本的ニーズ(衣食住、教育、保健、労働)が満たされ、子どもが教育を受けられるよう、「5つの柱」を軸とした、村の自立を応援する支援プログラムを開発し、持続可能なコミュニティづくりに向けて活動しています。

エクアドルでの分野別実施事業

■教育:学校建設と復興、学生のリーダーシッププログラム 、教育プログラム 、備品付き教室の提供

■水と衛生:手洗い場の設置 、浄水システムの整備 、公衆トイレの設置 、生活用水と衛生教育

■保健:健康教育の実施 、校庭の整備 、健康クリニックの開設

■収入確保:女性グループの結成 、家畜の飼養 、エンパワーメントとリーダーシップ 、職人の訓練と育成

■農業と食料:学校農園の設置 、調理室と食堂建設 、農業訓練

 

ケースストーリー

フリー・ザ・チルドレンがサンミゲル村で活動を始めた頃、村には、教室を増やす力はありませんでした。さらに就学率の問題もありました。2008年には、サンミゲル校に出席する7学年までの生徒数は195名でした。そこでの活動から4年後の2012年までに、フリー・ザ・チルドレンは、10学年までの生徒を収容するに足る教室の建設を支援することができました。今日では340名を超える生徒たちが、サンミゲル校の1-10学年に在籍しています。

この数年前に、エクアドル政府は1学年から9学年までの初等公教育を義務化していて、学校は、配管や共同トイレは備えていました。しかし、その使い方やこれらの設備を効率的に保守管理する方法は適切に指導されていませんでした。 適切な管理や処置がなされなければ、共同トイレはさまざまな病気の感染源となってしまいます。

その結果、学校を欠席することが普通になっていました。大きな町から離れた農村として、サンミゲルの村民が質の高い医療を受けることは難しく、また、その金銭的な余裕もありませんでした。

学校建設は、教育のための物質的な基盤となります。 また、学校を建てるということは、建物内部の適切な基本設備、すなわち、配管、上水栓の設置から、生徒数に見合った適正な数の教師の配置も必要とします。2008年には、きれいな水を手に入れることができる子どもは、わずか40%に過ぎませんでした。フリー・ザ・チルドレンの献身的な支援者の尽力により、学校のすべての生徒が、いつもきれいな水を使えるよう、十分な数の水栓が取り付けられました。追加の共同トイレも学校内に設置され、現在の1つのトイレ当たりの生徒数は、以前の55人から25人に減りました。

 

さまざまな支援の方法があります