ケニア
太古の文化と共に生きる、大自然に囲まれた国

この地のサバンナで暮らす先住民族のマサイ民族は、牛やヤギなどの家畜を財産として暮らす遊牧民です。現在はその生活様式も変わりつつあり、都会で暮らす若者もいますが、今も伝統的な暮らしを守っている部族もたくさんあります。
ケニア、特に首都のナイロビ周辺は1年を通じて比較的過ごしやすい気候です。しかし乾季には雨がほとんど降らないため、水不足が起き、干ばつで食糧不足となることがあります。また、近年は貧富の差が広がっていることや、特に農村地域での医療や教育などが整備されていないことが大きな課題となっています。
フリー・ザ・チルドレンのケニア支援事業へ
知っていますか?
フリー・ザ・チルドレンの取り組み
フリー・ザ・チルドレンは1999年よりケニアの南西部を中心に現地の人々とともに活動しています。
私たちは多くのコミュニティ(村)やケニア政府と協力し、これまでに、学校、図書館、病院、水道・用水設備、公衆トイレ、教師の宿泊施設などの整備を進めてきました。今ではこれらの村々には、私たちのプログラムに協力する共同体がたくさんあり、熱心に活動する地元の女性、男性、若者のグループといつも一緒に活動しています。
私たちは、ケニア政府を支援し、無料で質の高い初等教育を全ての子どもたちに提供すること、特に教育を受けにくい環境にいるマサイ民族をはじめとする先住民族の女の子たちに中等教育の機会を提供することに力を入れ、活動を展開しています。
▲女の子だって教育を受ける権利がある!フェイスの物語
支援のかたち
村の自立を応援するプログラム
貧困を生み出す要因は、複数あります。そのため、貧困を解消するための解決策は一つではなく、様々な側面から同時に支援活動を行うことが大切だとフリー・ザ・チルドレンは考えています。
そこで、わたしたちは貧困地域の人々が生きるために必要な基本的ニーズ(衣食住や教育、健康、仕事など)が満たされるよう、教育・水・保健・収入向上の「4つの柱」を軸とした村の自立を応援する支援プログラムを開発し、持続可能なコミュニティづくりに向けて活動しています。
活動地域は、主にケニア南西部にあるナロック群に暮らす先住民族(主にマサイ民族、キプシギス民族、キクユ民族)のコミュニティです、上記の「4つの柱」を軸とした国際協力活動を行うことで、コミュニティの自立をめざしています。また、干ばつ発生やコロナ感染拡大などの際には、緊急支援を行いました。
事業内容
深井戸の設置
リフトバレー州ナロック南部県のキプシギス民族とマサイ民族コミュニティでの井戸設置(2013年)
これらのコミュニティに住む人々は、以前は遠くまで水汲みに行かなければいけなりませんでしたが、井戸の設置によりキレイな水へのアクセスがしやすくなり、生活の質と健康、保健面での向上がみられました。
ナロック群南ナロック県エシノニ村での深井戸建設と給水システム確立(2017年)
エシノニ村には井戸がなかったため、子どもや女性たちが何時間もかけて15キロ離れたところまで水汲みに行かなければなりませんでした。また、半乾燥地帯のため、乾季になると頻繁に水不足なります。
そこで、エシノニ村に暮らす1200人の村人がきれいな水にアクセスできるよう、深井戸の新規建設及び給水所を村内に設置。また、今後この給水所を村人によって持続的に運営管理できるよう、村人の人材育成、研修を行いました。
収入向上のためのプログラム
農村貧困地域でのセミナーや研修の実施(2016年)
農村貧困地域で暮らす女性が子どもに頼ることなく生計維持のための収入を得られるよう応援するため、収支を管理するための読み書きや会計知識の習得のためのセミナーや、マイクロファイナンス(小規模融資)を受けまわしていくためのグループでのお金の管理の仕方に関する研修を実施しました。
マサイ民族のママによるアクセサリー製作、日本での販売(通年)
マサイ民族の母親たちが安定した収入を継続的に得られるように応援するため、伝統技術を生かしたアクセサリーの商品開発、そしてそれらの製品の販売を行っています。
緊急支援(2011年干ばつ)

主に行なった支援内容
- マサイマラ地区の村における深井戸の設置
- リフトバレー州ナロック県にあるバラカ病院にて、妊産婦や子どもを対象にした栄養プログラム、健康チェック、栄養改善のためのカウンセリング、予防接種の実施
- マサイマラ地区、ムロト地区の学校菜園の指導、栄養強化のための配給プログラム実施
- レモティオック地区の学校で栄養のある食事を就学児童へ提供
- 畑の水源確保のため(灌漑)のボーリング孔工事と人々への農作指導
ケニアでの活動について、ブログにて情報を更新しています。
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