水支援
安全な水が手に入ることの大切さ
想像してみて下さい。もし、家の蛇口をひねっても、水が出てこなかったら…?水を使うには、何キロも歩いて川まで汲みに行き、重たい缶を持ち帰らなければいけないと言われたら…?そして、その唯一手に入れることができる水を飲むと、病気に感染するかもしれなかったら…?
清潔な水は、わたしたちが健康に生きるために欠かせないものです。しかし、世界ではおよそ8億6000万人もの人々が、安全な水を飲むことができません。そして、毎日およそ4000人の子どもが、きれいな水を手に入れることができないために、命を落としています。
さらに、近くに水をくめる場所がないため、自分や家族のために長距離を歩いて毎日何往復も水を汲みに行っている子どもがたくさんおり、そのために学校に行けなかったり、体を壊したりしています。
貧困地域において、清潔な水へのアクセスを確保することは、早急に取り組める重要な事業のひとつです。安全な水をコミュニティ内で手に入れることができるようになれば、今まで水運びをするために学校に行けなかった子どもたちが教育を受けられるようになります。また、水の確保により農業も改善され、食糧の確保や収入の安定にもつながります。
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知っていますか?
支援のかたち
わたしたちが行なっている水支援の事業内容は多岐にわたります。
現地のパートナー団体と連携し、それぞれの地域の実情に合わせたプロジェクトを実施しています。緑豊かな地域もあれば、乾燥地帯、山岳地帯など、気候や環境も様々なことから、支援内容はさまざまです。
いずれのプロジェクトにおいても、現地の人々に、設備の適切な使用方法、管理の方法などを教え、現地の人々によって持続可能なものとなるよう努めています。
現地のニーズに合わせ、以下の4つの軸で水支援を実施しています。
- 井戸や手動式ポンプの設置
- 手洗い場やトイレの整備
- 畑の灌漑設備、集水設備などの整備
- 清潔な水や衛生に関する教育
ケースストーリー
ケニア Salabwek村
ケニアの先住民族マサイの人々が暮らすSalabwek村は、たくさんの困難を抱えていました。
村内に水源がなかったため、子どもたちや女性たちが中心となって、家庭で必要な水を歩いて4時間かけて汲みにいくのが日課となっており、そのため子どもたちは学校に通えず、母親たちは仕事をする時間がありませんでした。
また、村人の90%が安全な飲み水を手に入れたり、衛生的なトイレを使うことができない状況でした。
そこで、2007年よりSalabwek村と連携し、質の高い教育環境を整えていくと同時に、村内での「水管理プロジェクト」をスタートしました。
地下水をくみあげ、その水を村内各地に配給できるよう給水設備やポンプ、パイプなどを整えていきました。
それらの管理は、村の大人たちによってつくられた水利委員会によって行われ、持続可能で公平、安全な水の共用を担っています。学校の屋根には雨水を集める集水器も設置し、衛生的なトイレ設備も整えました。
また、村人や子どもたちへの衛生教育にも力をいれています。
今では全家庭の89%が、家に帰ってきたら手を洗うという衛生習慣が身に付き、
健康のためにきれいな水を家庭で使う習慣は、全世帯の91%となりました。
地域での浄水利用は、事業が始まった頃はゼロでしたが、現在は88%に高まりました。
浄水システムは、農園での灌漑の仕組みを整えるためにも役立っています。
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