子どもの権利

子どもの権利

 

すべての子どもは生まれながらにして、子どもの権利をもち、一人の人間として尊重されるべき尊い存在です。

その権利を守るため、世界の国々が「子どもの権利条約」というものを作りました。

 

子どもの権利条約とは?

「子どもの権利条約(児童の権利に関する条約)」は、基本的人権が子ども(※1)に保障されるよう国際的に定めた約束ごとです。世界中の子どもが、健康的に安心して自分らしく豊かな子ども時代を送れるように世界の国々がともにつくりました。
1989年11月20日の国連総会(※2)で制定され、2017年3月現在で196の国と地域がこの条約を守ると約束しています。日本も1994年にこの条約を批准(ひじゅん)(※3)しています。
※1 ここでいう「子ども」とは、18 歳未満をさします。
※2 国連総会とは、国連に加盟する国がすべて出席する大きな会議のこと。
※3 批准とは、条約などルールを国が守ると約束すること。

 

「子どもの権利条約」の内容を見てみよう!

▼子どもの権利条約には54条あります。この条約に書かれた権利は、大きく4つに分けられます。

 

1.生きる権利

生きる権利
子どもたちは健康に生まれ、安全な水や十分な栄養を得て、健やかに成長する権利を持っています。

 

2.育つ権利

育つ権利
子どもたちは教育を受ける権利を持っています。また、休んだり遊んだりすること、様々な情報を得、自分の考えや信じることが守られることも、自分ら しく成長するためにとても重要です。

 

3.守られる権利

守られる権利
子どもたちは、あらゆる種類の差別や虐待、搾取から守られなければなりません。紛争下の子ども、障害のある子ども、少数民族の子どもなどは特別に守られる権利を持っています。

 

4.参加する権利

参加する権利
子どもたちは、自分に関係のある事柄について自由に意見を表したり、集まってグループを作ったり、活動することができます。そのときには、家族や地域社会の一員としてルールを守って行動する義務があります。

 

▼子どもの権利条約には4つの原則があります。
 ※下記の4つのアイコンは、ユニセフがつくりました。詳しくは日本ユニセフ協会のページをご覧ください。

1.差別の禁止(第2条)

子どもの権利条約第2条1項では、「締約国は、その管轄内にある子ども一人ひとりに対して、子ども又は親もしくは法的保護者の人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治的意見その他の意見、国民的・民族的もしくは社会的出身、財産、障害、出生またはその他の地位にかかわらず、いかなる種類の差別もなしに、この条約に掲げる権利を尊重しかつ確保する。」と定めています。

2.子どもの最善の利益の保障(第3条)

子どもの権利条約第3条1項では、「子どもに関わるすべての活動において、その活動が公的もしくは私的な社会福祉機関、裁判所、行政機関、または立法機関によってなされたかどうかにかかわらず、子どもの最善の利益が第一次的に考慮される。」と定めています。

3.生命・生存・発達の権利の保障(第4-10、14、18、20、22-32、42条)

子どもの権利条約第6条1項、2項では、「1.締約国は、すべての子どもが声明への固有の権利を有することを認める。2.締約国は、子どもの生存および発達を可能な限り最大限に確保する。」と定めています。

4.子どもの意見の尊重(第4、12-17条)

子どもの権利条約第12条1項では、「締約国は、自己の見解をまとめる力のある子どもに対して、その子どもに影響を与えるすべての事柄について自由に自己の見解を表現する権利を保障する。その際、子どもの見解が、その年齢および成熟に従い、正当に重視される。」と定めています。

 

フリー・ザ・チルドレン・ジャパンでは、「子どもの権利条約」について学べる教材や書籍を販売しているので、ぜひ、みてください!

 

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子どもの権利条約ってどうやってできたの?

今から300年前のヨーロッパでは王様やお金持ちの貴族がいばっていて、人々を支配し不平等な時代でした。でも、そういった状況はおかしい!と人々が異を唱え、立ち上がり、18世紀後半には「人間は、すべてひとりひとり平等で、自由や幸せを求める権利を持っている。」という考え方が広まっていきました。こうして、フランスでは人権宣言が1789年にでき、アメリカでも人民の権利と平等をうたい政府をつくっていきました。しかし、この当時は、おとなの男性にのみ権利が認められ女性や子どもには権利は認められていませんでした。

 

その後、第一次世界大戦がおこると、たくさんの子どもが殺されたり家を失ったりして犠牲になりました。こうしたことを反省し、国際平和のために「国際連盟」が設立されました。「子どもを守るのは人類全体の責任である」と考えられるようになり、1924年に世界で始めて子どもの権利に関することが盛り込まれた「ジュネーブ宣言」がつくられました。

 

しかし、1939年になると第二次世界大戦がはじまってしまい、戦争によって再び多くの子どもが世界中で犠牲になりました。終戦後の1945年に、戦争をもう二度と起こしてはいけないと世界は国際平和を誓い、新たな組織「国際連合(国連)」が設立されました。そして、世界人類共通の幸せのために、「世界人権宣言」が1948年に、子どもを権利の主体ととらえ、子どもにとっての最善が何かをまとめた「子どもの権利宣言」が1959年に国連でつくられました。それでも、世界では争いや貧困のために搾取され、物のように売り買いされ、虐待を受ける子どもがたくさんいることが国際児童年の1979年に、国連で報告されました。

 

こうした背景から、世界の子どもの幸せの実現のためには、「宣言」ではなく、各国政府に法的な義務が生じる「条約」にしよう、と提案され、世界の人々が国連に集まって10年以上かかって1989年11月20日にできたのが、「子どもの権利条約」です。国連総会に集まった全ての国が賛成して、採択されました。

 

子どもの権利条約ってどんな内容?

世界中の全ての子ども(18歳未満)が、子ども時代を自分らしく健康的に安心してゆたかにすごせるよう54の条文が書かれています。子どもの権利を守るための、国(政府)の義務、親や社会、子どもの役割、子どもが持つ特有の権利などについて記されているのです。

 

条約を守るって約束した国はどのくらい?

2017年現在、アメリカ合衆国を除く、世界中の196の国と地域が「子どもの権利条約」に賛同し条約を受け入れると約束しています。このように、国(政府)が条約に賛同し条約の内容を守ると約束することを「締約(ていやく)」といいます。締約国は、法的に条約を守り報告をする義務があります。

 

締約国が、やらなければいけないことって?

「子どもの権利条約」を批准(ひじゅん)などして締約した国や地域は、国内で子どもの権利が守られているかどうかを、定期的に「子どもの権利委員会」に報告書を提出しなければいけません。子どもの権利委員会とは、子どもの権利条約がきちんと守られているかを調査するところです。18人の専門家から構成されています。この委員会に国や政府は、条約を締約した2年後に最初の報告書を提出します。その後は5年ごとに提出することになっています。