【報告】「SDG4教育キャンペーン2022」第3回ロビイングメンバー研修

フリー・ザ・チルドレン・ジャパンは、すべての人々が教育を受ける権利を受けられるよう、持続可能な開発目標(SDGs)の教育目標の達成を目指す「SDG4教育キャンペーン」に、本年も実行委員として参加しています。

キャンペーンバナー
キャンペーンバナー (C)JNNE

本年の「子ども・ユースロビイングメンバー」の第2回ロビイングメンバー研修会を5月27日(金)19:30~21:40に実施し、政党アンケートの質問26の詳細解説、ロビイング活動で留意事項に関する説明、6月6日の院内集会で国会議員へ自身の主張や提言を伝える際のロールプレイング(予行演習)を実施しました。

 

研修は当団体が主催・運営し、キャンペーン実行委員であるラオスのこども、ワールド・ビジョン、チャイルド・ファンド・ジャパンのスタッフも運営補佐としてご参加いただき、スタッフ・ロビイングメンバー合わせて10名が参加しました。

参考:前回の報告 「SDG4教育キャンペーン2022」実行委員会所属団体一覧

アイキャッチ画像
アイキャッチ画像 (C)JNNE

研修内容一覧(目次)

(C)JNNE・FTCJ

第1部:導入、政党アンケート設問詳細解説(続き)

最初に、「安心の場(セーフスペース)作りのためのルール」の再確認を行い、アイスブレイクとして「教育の重要性」に関するディスカッションを行いました。

アイスブレイクの話題 (C)JNNE・FTCJ

 

次に、第1回研修のおさらいを交えつつ、政党アンケートの質問2(夜間中学校について)・6(「教育のためのグローバルパートナーシップ」(GPE)について)に関する詳細解説を行いました。
第1回研修では設問の背景のみを解説しましたが、今回は設問や解説文に出てくる用語や、各政党の回答内容も解説しました。
(説明した内容はhttps://ftcj.org/archives/29550とほぼ同じです)

 

(画像クリックで拡大) (C)FTCJ・JNNE
(画像クリックで拡大) (C)FTCJ・JNNE

それぞれの設問の詳細解説後、3人グループのブレイクアウトセッションに分かれ、「解説や回答を聞いてどのように感じたか、考えたか」「夜間中学や女子教育支援がなぜ必要・重要なのか」というテーマでディスカッションを行いました。

ディスカッションのテーマ(質問2) (C)FTCJ・JNNE
ディスカッションのテーマ(質問6) (C)FTCJ・JNNE

<メンバーから出た意見>(抜粋)
質問2(夜間中学について)
・勉強する・教育を受ける目的や勉強方法は人によって違うので、C・D党の回答のように、教育の提供手段を対面にこだわる必要は必ずしも無いのではないか。
・他国の事例などを参考に、教育の提供手段(授業形式)をより柔軟に選択できるようにしてもよいのでは。

 

質問6(教育のためのグローバルパートナーシップ」(GPE)について)
・「支援している国が自立して教育を提供でき、教育の質を向上させられるように支援している」「お金だけではなく各拠出国の教育ノウハウも提供し合うことができる」といった、GPEの特色(他の国際教育基金との大きな違い)を、国会議員だけではなく私たちも知る・理解することが必要
・国会議員の中にも”これまで議論したことが無かった・党内でこれから議論する”と持ち帰りになったケースがあったので、GPEそのものの周知も必要ではないか。(昨年から継続して参加しているメンバー)

(補足)
GPE事務局でも、今年4月上旬に幹部が来日し、キャンペーン実行委員スタッフとの面会や、国会議員へのロビイング活動を行いました。詳しくはGPE日本事務局のブログ記事をご覧ください。

後半:ロビイング解説第3弾・院内集会本番のロールプレイング(2回目)

前回に引き続き、ロビイングに関するそのものに関する講義を行いました。今回は、ロビイングを行う際の注意事項や意識すべき点について解説しました。

(C)FTCJ・JNNE

 

ロビイングに関する解説の後、前回に引き続き、院内集会当日のロールプレイング(予行演習)を実施しました。
6月6日に本キャンペーンが実施する院内集会は、子ども・ユースロビイングメンバーと国会議員が数名ずつのグループに分かれ、政党アンケートの各設問について、政策提言や意見交換を行うことを予定しています。
少人数のグループに分かれた後、ロビイングメンバーは自分の提言や意見を書いたフリップボード(画用紙)を国会議員に見せながら、1分で提言や意見を伝え、これらを見聞きした国会議員が質問やコメントを返すことで対談を展開していきます。
詳細は https://crc-campaignjapan.org/report/report-713/ の「2.子どもと国会議員とのグループワーク」及び当団体ブログでの報告記事をご覧ください。

スライド75枚目
(C)JNNE・広げよう!子どもの権利条約キャンペーン

 

3人グループのブレイクアウトセッションに分かれ、順番に1人ずつ提言・メッセージを話し、残り2名は話を聴く国会議員とフィードバック役を担当しました。
前回の経験を踏まえ、自分の経験談を盛り込んだり、前回のロールプレイングで他のメンバーの話し方やトーク内容を追加したりするなど、話す内容がより分かり易く、熱のこもったものになっていました。

 

各メンバー・実行委員会スタッフからのフィードバックも、「この表現が語弊があるかもしれない」「この部分は冒頭の1分スピーチではなく、スピーチ後の対談時に言及しても問題ないのでは?」「体験談が良いネタなので、それをもう少し踏み込んで説明すると良いのでは」など、トーク内容に関するアドバイスに加え、表現に関するコメントや、話を1分以内に収めるアドバイスなどが共有されていました。また、メンバーがお互いの話し方や話した内容に対し、「参考になった」「自分も使いたい」「前回よりもとても分かり易くなった」といったポジティヴな言葉を掛け合うことで自信を高め合っている様子も見られました。

 

最後に、今後の活動スケジュールや諸連絡、研修全体の振り返りを行い、第3回ロビイングメンバー研修を終了しました。

 

<子ども・ユースメンバーからの振り返りコメント>(抜粋、順次追記予定)

・ロビイングについて少し不安を抱えていたので、研修で私たちにも声をあげる権利があって自分の意見を胸を張って主張すればいい、と分かり安心しました。以前より少人数のグループでセッションを進められたので新しく学ぶことや個々人の意見を深く聞くことができ、とても密な時間になったと思います。
・ロープレでいただいたアドバイスから、私が「学生」という立場だからこそ感じていることを伝えたいと感じました。経験談も整理して、自分の言葉で伝えられるようにしたいです。
・本番まで短いですが、提言をより良いものに直していったり、返答の対策をしたり、もう一度学びなおしたりして頑張っていきたいです!
・夜間学校というものについて詳しく知ることができ、多様な学び方の必要性を痛感しました。
・少しでも市民の意見に寄り添えるように頑張ろうという気持ちが強くなりました。
・夜間中学校、特に通信制の学校については、オンラインで簡単に無料で学べるツールが増えた今だからこそ、どんな形が良いのか、自分でもわからなくなる時があります。だって色々な人がいるから。金銭的な理由で学校に行きたくても行けない人。気持ち的な面で学校に行けない人。でも教育は、どんな人にも開かれれてあるべきだから。「誰一人取り残さない」というSDG4の基本理念は、本当に本質を表しているなと強く思いました。日本にも、世界にも、本当に色々な人がいます。多様な人がいるなら、多様な学校の形があるのは当たり前なのではないでしょうか。もちろん一つの場所にみんながいる必要はありません。それぞれのニーズがあるから。だけど、みんなにとって、それぞれの居場所があって、その居場所で、学び合える環境が、すべての人に保障されるべきだと思います。でも、その「みんな」の定義が曖昧だから、「みんな」から溢れてしまうのかなと思いました。


この後は、6月4日(土)夜に当日のリハーサルを行い、6月6日の院内集会本番に臨む予定です。院内集会は今回もYoutube Liveで配信予定なので是非ご覧ください。

「SDG4教育キャンペーン」公式Youtubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UC3NRdczMuH3hxBdwDixoycg