2021年ケニア支援事業のご報告とお礼
大東建託グループみらい基金の助成や、東京グレートサンタラン2020や一般の皆さまからのご寄付によって実施できました、ケニア先住民族の村の自立支援事業のレポートが現地から届きましたのでご報告致します。
WE(現:WE CHARITY FOUNDATION、以下WCFと略称)ケニアオフィスは、新型コロナウイルスの予防・支援地域の健康増進に向け、新型コロナウイルスに関する教育やワクチン接種・移動診療所・支援地域の保健教育・重要な医薬品の手配、バラカ診療所での医療活動などの支援を本年も継続的に行いました。
●新型コロナウイルス対策
2021年になり、ケニアでも新型コロナウイルスのワクチンを接種できるようになりました。(WCF・FTCJが開設・支援している)バラカ診療所のスタッフは、「医療従事者へ優先的に新型コロナウイルスワクチンを接種させる」というケニア政府の方針に従い、早い段階でワクチンを接種しました。これにより、バラカ診療所のスタッフたちは、地域内での医療活動や地域のリーダーとしての活動を安全に継続することができるようになりました。また、ケニア政府からバラカ診療所が集団接種会場に指定されたことを受け、私たちは誇りを持って地域の新型コロナウイルスワクチン接種を進めてきました。
さらに、昨年に引き続き、今年もWE(現:WCF)はバラカ診療所や地域内の他の病院へコンテナ12個分の人工呼吸器や医療従事者用の防護服、救命救急用品などの医療機器・医薬品を手配しました。
最後に、コロナ禍による経済活動や食糧保障への影響を鑑み、私たちは地域のリーダーと協力し、このコロナ禍において、緊急支援を最も必要としている世帯の特定も進め、コロナ禍が始まって以来、私たちはおよそ200万食の食糧を貧困世帯などに提供してきました。
●移動診療所
新型コロナウイルスの全ての予防策に従い、私たちは家庭の健康リスクを引き起こす一般的な病気の予防・治療のため、支援地域への移動診療サービスの提供を継続しました。時期や地域により活動・提供する内容は異なりますが、2021年を通じて行った移動診療の様子を報告します。
(地域別報告)
・ロンジーナ島:延べ1174人の筋肉痛、上気道疾患、消化性潰瘍、目の感染症などの病気・症状などを診療・治療し、1122人の学生に駆虫剤(体内に入った寄生虫を駆除する薬)を投与できました。
・キパサン:237人の扁桃炎、アメーバ症(アメーバ赤痢)、皮膚のトラブル、アレルギー、目の感染症などを診療・治療しました。また、地域住民102人に駆虫薬を投与、子ども63人にビタミンAのサプリメントを提供し、100人に血圧検査を実施しました。
●バラカ診療所
バラカ診療所では地域住民への医療活動に加え、予防・保健教育も(従来とおり)行っています。
●(新型コロナウイルス以外の疾病に対する)予防接種
予防接種は、妊婦と5歳未満の子どものためのクリニックでの健康教育に焦点を当てて継続実施しています。5歳未満の子どもたちは、政府の計画に従って、全ての予防接種を継続的に受けており、妊婦も母子双方の安全を確保するためのミネラルサプリメントの投与や、保健教育、破傷風の予防接種を受けています。
●産婦人科
2013年以降、累計3,445回の分娩が行われ、今年だけでも213人の妊婦が出産しました。分娩の他にも、前駆陣痛(妊娠後期に起きる不規則な痛み、「偽陣痛」と呼ぶこともある)、尿路感染症、貧血、子癇前症(妊娠中に起きる、原因不明のけいれん)といった、妊婦に関係する病気・症状の診療・治療も行いました。
●包括的なHIV治療クリニック
現在、クリニックでは、HIVに晒された、生後18ヶ月未満の赤ちゃん9人の治療を行っており、生後18ヶ月~15歳かつHIV陽性の子ども2人のフォローアップ(経過観察)を行っています。現在までに、HIV陽性の母親から出生した累計24人の子どもたちが、生後18ヶ月時点でHIV陰性であることが確認されており、健康な生活を送っています。
ケニア政府もこのプログラムへの協力を継続しており、医療従事者へトレーニングやメンターシップを提供することで、HIV患者へ質の高い医療ケアを一貫して提供することができています。
大東建託グループみらい基金さま、東京グレートサンタラン2020にご参加された皆さま、その他個人などでご寄付を贈って下さった皆さまのご支援・ご協力に心より感謝申し上げます。
認定NPO法人フリー・ザ・チルドレン・ジャパン事務局一同
<関連ページ・記事>
・東京グレートサンタラン公式HP内での報告
https://santarun.jp/report (ページ最下部「海外」欄)
https://santarun.jp/pdf/2020report_oversea.pdf (本記事に関する内容はP.2に記載)
・バラカ診療所、移動診療、産婦人科について
・12/1:世界エイズ・デー
・2020年の報告
・2019年の報告