【学生・ユース世代大歓迎】「SDG4教育キャンペーン2021」ウェブ投票 参加者募集中

今すぐウェブ投票したい!」という方は、以下の各リンク先の質問を読み、投票フォームに必要事項を入力してください。
(各質問1回ずつ・最大7件投票できます)

(C)JNNE
  1. 質問1 日本の教育課題:子ども参加・子どもの意見の尊重について
  2. 質問2 日本の教育課題:外国にルーツを持つ子どもについて
  3. 質問3 日本の教育課題:ジェンダー・多様性について
  4. 質問4 国際的な教育課題に対する日本の支援:「教育を後回しにできない基金」(ECW)について
  5. 質問5 国際的な教育課題に対する日本の支援:「教育のためのグローバルパートナーシップ」(GPE)について
  6. 質問6 国際的な教育課題に対する日本の支援:教育を受ける権利・学校保護宣言について
  7. 質問1~6を読んで総合的に判断・投票する

フリー・ザ・チルドレン・ジャパンでは、すべての人々が教育を受ける権利を受けられるよう、教育分野で活動する国内のNGO・NPO団体が加盟するネットワーク「教育協力NGOネットワーク(略称:JNNE)」に加盟し、SDG4教育キャンペーン」の実行委員をつとめています。SDG4教育キャンペーン」は、SDG4(教育目標)に関する、主要政党へのアンケートの実施、アンケート結果に対する子ども・ユース世代からのウェブ投票・意見募集(5月13日12:18更新:本年は4月1日~5月16日→31日に延長)や、子ども・ユース世代によるロビイング活動を展開しています。今回はキャンペーン参加方法のうち、「ウェブ投票、授業/ワークショップの実施」についてより詳しく説明します。(ロビイングメンバーの詳細・応募はこちら

 

平成28(2016)年6月から選挙権年齢が20歳から18歳に引き下げられたことに続き、来年:令和4(2022)年から成人年齢も18歳に引き下げられます。つまり、子ども・ユース世代もこれまで以上に政治について知り・考える必要性が年々高まっています。さらに、(時期はまだ決まっていませんが)今年は新型コロナ対策を筆頭に、様々な社会問題に関する議論が展開される「第49回衆議院議員総選挙」を控えているため、例年以上に政治に対する関心・機運が高まっており、主権者である私たちの声を日本政府へ届ける絶好のチャンスでもあります。

 

将来の国政選挙の練習・擬似体験、授業(社会/公民・英語・情報・数学・総合など)の一環など、様々な方法で活用できますので、子ども・ユース世代の皆さんもお気軽にウェブ投票へご参加ください!
キャンペーン公式サイトでも参加手順や各質問の説明・解説を記載していますが、より詳しく知りたい方は、以下の目次から各項目をご覧ください。

目次

●通常の選挙と「SDG4教育キャンペーン」ウェブ投票との主な違い

●「SDG4教育キャンペーン2021」のウェブ投票の流れ

●「SDG4教育キャンペーン」を授業・ワークショップとして実施する(教員・実践者向け)

●各質問に関する補足・解説
質問1 日本の教育課題:子ども参加・子どもの意見の尊重について
質問2 日本の教育課題:外国にルーツを持つ子どもについて
質問3 日本の教育課題:ジェンダー・多様性について
質問4 国際的な教育課題に対する日本の支援:「教育を後回しにできない基金」(ECW)について
質問5 国際的な教育課題に対する日本の支援:「教育のためのグローバルパートナーシップ」(GPE)について
質問6 国際的な教育課題に対する日本の支援:教育を受ける権利・学校保護宣言について
以上の6問の回答から総合的に判断・投票する

 


●通常の選挙と「SDG4教育キャンペーン」ウェブ投票との主な違い

1:18歳未満も参加可能


通常の選挙には年齢や国籍などの制限がありますが、「SDG4教育キャンペーン」のウェブ投票は国籍・年齢に関わらず全ての人が参加可能、18歳未満の子ども・ユース世代の参加大歓迎です。
また、ウェブ投票時は任意で年代を回答する以外の個人情報に関する設問はありません。

 

2:フォーム形式+匿名で自分の意見を書ける

投票フォーム(イメージ画像)
※スクリーンショットのため、こちらからは投票できません。

通常の国政選挙の投票用紙には、正確な候補者名か政党名(もしくは両方)しか記載しませんが、「SDG4教育キャンペーン」のウェブ投票は、「誰かを選ぶ」ためではなく、「SDG4を達成するために、日本政府にどんなことしてほしいのか、(特に、教育を受けている当事者である子ども・ユース世代の)皆さんから意見やアイデアを発信してもらう・募る」ことを主旨(主な目的)としています

 

そのため、投票フォームには、任意(強制ではない)で自分の意見やコメントを300字以内で入力できる欄を設けています。このウェブ投票は全て匿名で参加できますので、「日本の教育行政に関わる人たちにどんなことをしてほしいのか」「自分たちが今どんなことで困っているのか」など、皆さんの率直な意見やコメント、日本の政府・政党に対するメッセージをご記入ください。
※「政策提言を日本政府に直接伝えたい」という子ども・ユース世代の方は「子ども・ユースロビイングメンバー」の選考へご応募ください。(定員:15名、受付は5月5日まで)

 

3:投票する政党名や得票数は投票期間終了まで分からない

キャンペーン公式サイトより引用 (C)JNNE

「SDG4教育キャンペーン」のウェブ投票は「政党を選ぶ」形式ですが、「誰かを選ぶ」ものではないことに加え、先入観や投票時点の政党別得票数などで考えが影響されること(バイアス)を防ぐため、通常の選挙と異なり、投票する政党名や得票数は投票期間終了まで全て伏せています


 

●「SDG4教育キャンペーン2021」のウェブ投票の流れ

キャンペーン公式サイトより引用 (C)JNNE

 

1:以下のリンク先から、6つの主要政党からの「SDG4(教育目標)に関するアンケート(全6問/テーマ)」の質問文と回答を読みます。

2:自分が「最も賛同する」党を選び、投票フォームへ意見・提案・提言などを記入して(任意)投票します。

 

投票は以下のリンク先から各質問1回ずつ・最大7件投票できます。

  1. 質問1 日本の教育課題:子ども参加・子どもの意見の尊重について
  2. 質問2 日本の教育課題:外国にルーツを持つ子どもについて
  3. 質問3 日本の教育課題:ジェンダー・多様性について
  4. 質問4 国際的な教育課題に対する日本の支援:「教育を後回しにできない基金」(ECW)について
  5. 質問5 国際的な教育課題に対する日本の支援:「教育のためのグローバルパートナーシップ」(GPE)について
  6. 質問6 国際的な教育課題に対する日本の支援:教育を受ける権利・学校保護宣言について
  7. 質問1~6を読んで総合的に判断・投票する

 

 


●「SDG4教育キャンペーン」を授業・ワークショップとして実施する
(教員・実践者向け)

このウェブ投票は授業やワークショップとして実施することも可能です。例えば、以下のような流れで授業やワークショップをオンライン・対面形式双方・混合で実施することができます。
(対面実施の場合は新型コロナウイルス感染対策を講じた上での実施をお願いいたします)

 

1:https://www.jnne.org/sdg2021/action3.html 内の「教材ダウンロード(メールフォーム)」に必要事項を入力し、無料教材をダウンロードします。

キャンペーン公式サイトより引用 (C)JNNE・DEAR

2:ワークシートや資料などの必要なものを人数分用意します。

3:無料教材のP.5~7やご自身でご用意された資料などを基に、導入ワーク「教育をめぐるあれこれ」(教材P.7・スライド教材参照)の実施や、SDGsや子どもの権利条約(質問1を扱う場合のみ)など用語解説を行います。

4:上記リンク先(または教材P.8~13)から、6つの主要政党からの「SDG4(教育目標)に関するアンケート(全6問/テーマ)」の質問文と回答を読みます。(実施時間枠・授業コマ数などに応じて、扱う質問数を調整してください)

5:各参加者が「最も賛同する」党を選び、P.8~13下の余白またはP.14の投票用紙またはキャンペーン公式サイトの各フォーム(上記)へ意見・提案・提言などを記入して(任意)投票します。

6:教材P.14・15などを利用して振り返りやディスカッションなどを行います。

7:https://www.jnne.org/sdg2021/action3.html 内の「実施報告を送る(メールフォーム)」(教材P.16参照)に必要事項を記入し、授業・ワークショップを報告します。(報告内容や添付いただいた画像は今後のキャンペーン広報活動で使用させていただくことがございますが、非公開を希望することも可能です)

 

詳細はキャンペーン公式サイト(https://www.jnne.org/sdg2021/action3.html)をご覧ください。

 

 


●各質問に関する補足・解説

質問1 日本の教育課題:子ども参加・子どもの意見の尊重について

ウェブ投票はこちら

キャンペーン公式サイトより引用 (C)JNNE

<問題点のまとめ>(一例)

・コロナ禍の混乱で、休校やその長期化・授業形式の変更などで、「勉強をすることが難しくなっている」と、教育を受ける当事者である子ども・若者たちから悲鳴が上がっている。つまり、教育の質が下がっており、SDG4達成に向けた取り組みが後退している。
・(社会が混乱しており、致し方ない部分はあったが)学校の休校や給付金の対象など、教育面における新型コロナウイルス対応、対策の多くが、一部の政治家やおとなたちだけで議論され、実行されたことに対し、教育を受ける当事者である子ども、若者たちから「もっと自分たちの意見を聞いてほしい」という不満の声が上がっている。
・2020年3月当時に、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンさんなどの団体が子ども・若者に取ったアンケートには、コロナ禍の影響による支援を求める声の他にも、自治体・政府などに対する要望・提案・提言・意見も記載されており、年齢を問わず、子ども・若者たちは自らが身を置く社会や環境に対して意見や思いを有していることが分かる。一方で、教育面における新型コロナウイルス対応に限らず、ほかの教育支援策や政策などを考えていく上で、こうした子ども、若者たちの声(考えや思い)を聞く場や機会が非常に少ない(これを問題視し、国に問題提起しようという、国会議員の発言もある)。
・これらの問題は「子どもの権利」と「子どもの権利条約」が守られていないとも言える。「子どもの権利条約」を批准(条約などのルールを国が守ると約束)している国として望ましい状況とはいえない。

 

<質問の背景と補足>

1:教育現場の新型コロナウイルス対策をおとなだけで決めていることへの、子ども・若者世代からの不満

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大が2019年末頃から猛威を振るい始め、日本でも2020年2月あたりから感染が拡大し始めました。そのため、学校現場では一斉休校や分散登校などの対策が次々と行われました。新型コロナウイルスの影響で社会や生活が変わったり、制限を受けたりして皆が困っている状態を、日本では「コロナ禍(か)」と呼んでいます。

 

ちなみに、コロナ”か”の漢字は「うず」ではなく「わざわい」です。

×:コロナ渦 ○:コロナ禍

 

当時、新型コロナウイルスについて分からないことが現在よりもとても多かったため、学校現場に限らず社会全体に大きな混乱が起きていました。
そのため、休校期間や登校日・時間の急な変更、授業のオンライン化、入試・部活動・修学旅行・卒業式などの学校行事の延期・中止など、教育を受ける子ども・ユース世代はとても大きな影響を受けました。

 

(当時は社会全体が混乱していたため仕方なかった/やむを得なかったとはいえ、)こうした「教育に関する新型コロナウイルス対策」の多くは、学校の先生や保護者、自治体や政府などの「おとな」たちによって決められたものでした。つまり、「おとなたちで勝手に決めた新型コロナウイルス対策」によって、子ども・ユース世代が大きく振り回されたことが多かったとも言えます。

 

実際、「SDG4教育キャンペーン2021」実行委員団体の一つである、「セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン」さんが、2020年3月17日~31日に小1~18歳程度1422人に行った「新型コロナウイルス感染症 緊急子どもアンケート」回答を見ると、全国の子どもたち(全国約1533万人の子ども(総務省統計局調べ、2019年)のごく一部ではありますが)から「おとなの人たちはもっと自分たちの世代の声や意見を聞いてから新型コロナウイルス対策を考え、実行してほしい」「必要で正しい情報を知りたい、教えてほしい」といった意見が数多く出ていました

P.30
・一斉休校の対策は感染防止には適した対策だったかもしれませんが、卒業生の気持ちになって考えることもして欲しかったです。(中 3・長野県)
・短くても LIVE でもいいから入学式など一生に 1 度しかないイベントはしっかりやって欲しい。(高 3・鳥取県)
P.33
・いきなり学校が始まったからといって、テストや勉強をつめこんだりせず、1 人 1 人生徒の気持ちも考え行動してほしい。(中 1・東京都)
・いっきに、やらなくてはいけないことを増やさないでほしい(例えば、部活動を長時間行う…など)。休み明けの学校の在り方を大人たちにもっと考えて欲しい。(高 1・岩手県)
・次に同じようなことが起きた時には、突然でなく、そしてどうしても休校しなくてはいけない理由をきちんと話してからにして欲しい。(小 2・神奈川県)
・なぜ休校になったのかきちんと教えてもらっていない。(中略)日本でもしっかり話をしてほしい。(小 5・東京都)
・色々なニュースがあり、正しいことがわかりにくいので今現在の正しい情報が知りたい。(小 5・東京都)
P.34
・政府に対して子どもの意見を聞いて欲しい。(中 3・大阪府)
・大人の都合で子どもの負担が際立って大きい。大人はずるい。子どもだからと言わないで、きちんと話を、きいてほしい都合にあわせて大人扱い、子ども扱いするのはやめてほしい。(高 1・大阪府)


2:コロナ禍がSDG4に及ぼしている影響(一例)


SDG(持続可能な開発目標、2030年までに国際社会がめざすべき共通の目標)で定められている17の目標のうちの4つ目は「質の高い教育をみんなに」というタイトルになっています。
しかし、コロナ禍によって、
・分からない問題があっても誰にも質問できない(親もテレワークやストレスによるいら立ちで頼ることが難しい)
・地域ごとに休校するかしないか、休校期間がバラバラで学力差が生じている
・オンライン授業ができる学校とできない学校がある
・家にネット回線やスマホやパソコンがない、使い方が分からない、親のテレワーク化で通信容量(いわゆる「ギガ」)が足りない・パソコンの性能が悪いなどの事情でオンライン授業を受けることが難しい
・休校、登校再開の繰り返しで授業形式がオンライン、対面と目まぐるしく変わるので授業についていけない
・在宅長期化、友達と会えない、遊べない、目まぐるしい環境変化などのストレスで心身の具合が悪くなる
など、子どもたちの学びに大きな課題や問題が起き、SDG4(もちろん4に限りませんが)の達成状況が停滞しつつあります。

 

先述したアンケートでも、教育・学びの保障を求める(休校などの新型コロナウイルス対策で受けた、教育面の悪影響を改善してほしいという)意見がありました。

P.31
・臨時休校になった学校となっていない学校で、同学年の間に学力の差が生まれることに関して、何らかの策を講じてほしい。(中 1・埼玉県)
・(一部のみ抜粋)プリント集や問題集だけじゃわかりません(中 1・熊本県)
・静かに勉強できるスペースがほしい。(中 3・宮城県)
など

 

3:コロナ禍で忘れられかけつつある「子どもの権利条約」
※「子どもの権利」及び「子どもの権利条約」の詳細解説はこちらをご覧ください。

 

(C)FTCJ

子どもの権利条約には、1.差別の禁止(第2条) 2.子どもの最善の利益の保障(第3条) 3.生命・生存・発達の権利の保障(第4-10、14、18、20、22-32、42条) 4.子どもの意見の尊重(第4、12-17条)という4つの原則があります。しかし、子どもたちのアンケート回答には「コロナ禍の日本社会では、子どもの権利条約や、その原則が守られていないのでは?」という声が数多く記載されていました。

P.33
・次に同じようなことが起きた時には、突然でなく、そしてどうしても休校しなくてはいけない理由をきちんと話してからにして欲しい。(小 2・神奈川県)
・なぜ休校になったのかきちんと教えてもらっていない。(中略)日本でもしっかり話をしてほしい。(小 5・東京都)
・色々なニュースがあり、正しいことがわかりにくいので今現在の正しい情報が知りたい。(小 5・東京都)P.34
・色々なニュースがあり、正しいことがわかりにくいので今現在の正しい情報が知りたい。(小 5・東京都)
政府に対して子どもの意見を聞いて欲しい。(中 3・大阪府)
・(一部のみ抜粋)子どもだからと言わないで、きちんと話を、きいてほしい。(高 1・大阪府)
・(一部のみ抜粋)休校中の授業などについて、どのような対策がとられるのか知りたい。また、どうしてこどものみが休校なのかしりたい。(高 1・埼玉県)
P.35
・政府には事態が予測不可能で対応に追われるのはわかるけどあまりに突然なことが多くて気持ちが休まらない。計画的な話を聞きたい。 (高 2・神奈川県)
P.36
コロナにかかった人の差別が起きないような対策を政府の方はして欲しい。(高 2・福井県)P.37
・パパとママにおやすみをあげてほしい。(小 2・岩手県)
・コロナにかかった家族やしんせきなどにしえん金を出してほしい。(小 4・宮崎県)
・未学習単元の自主学習に必要な参考書購入費用の支援。(中 1・宮城県)
・共働きなどに関係なく、0~18 歳までの子供がいる世帯への助成を手厚くすべきと思う。(高 1・宮城県)
みんなが差別やいじめのない世界を作るための土台を作って欲しい。(高 1・東京都)など
P.39
・聴覚に障害があり、普段は読話による会話をしているので、マスクをしている人と会話することができません。(中略)
どこに行っても誰もがマスクをしていて、私のような聴覚障害者はコミュニケーションを取れず、日々疎外感を感じています。(高2・埼玉県)

など

 

こうした声は、昨年、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンさんが緊急アンケートを取ったことで明らかになったものです。もちろん、他団体や一部の自治体や行政・政府機関や各種メディアなども同様のアンケートや調査を現在も行っていますが、もしこうした調査の機会が全く無かったら、子どもたちが「自分の考えや思いを周りに表現・伝達」(第12・13条)したり、人間らしく生きていく(第27条/日本国憲法第25条)ために必要・正確な情報を知る(第17条)ための機会・手段はしっかりと確保できるのでしょうか?

 

昨年の本キャンペーンで実施したロビイング(本年のロビイングメンバーの詳細・応募はこちらでも、教育を受ける当事者である子ども・ユース世代の声を機会や場をつくる・増やす必要性についてコメントされた国会議員の方もいらっしゃいました。

今の日本社会は、「子どもたちが子どもの権利を行使(活用)する場や道」を閉ざし・ふさぎがちにしているのではないでしょうか?

 

 

こうした背景を受け、

■コロナ禍で従来と同じくらいの質・水準(レベル)の学校・教育の環境や手段を整えるにはどんな取り組みや方法が必要・大切でしょうか?
■コロナ禍に関連するものに限らず、子ども・ユース世代に関わる教育支援策を考えていく上で、当事者である子ども・ユース世代の声・意見を反映するには、どんな取り組みや方法などが必要・大切でしょうか?
■これらの問題に対して、すでに取り組んだことがあった場合、どんな取り組みをしたのでしょうか?

という内容の質問を主要政党へききました。

 

果たして、各政党はどのように答えたのでしょうか?
https://www.jnne.org/sdg2021/vote1.html の回答を読んで、自分が最も賛同する政党はどこか、その理由や他に考えた・思ったことや伝えたいことなどを記入してみましょう!


質問2 日本の教育課題:外国にルーツを持つ子どもについて

投票はこちら

キャンペーン公式サイトより引用 (C)JNNE

<問題点のまとめ>(一例)

・海外にルーツを持つ子どもたちが日本で不自由なく教育を受けるための対策や支援、連携が不足しており、授業を受けたり、進学・卒業したりするためにはとても多くの困難が立ちはだかっている。
・海外にルーツを持つ子どもたちが日本で不自由なく教育を受けるための対策を考えるために必要な情報、調査も不足している。
(海外にルーツを持つ子どもたちが日本で教育を受ける上でどんな困難が存在しているのか、国が調べきれて/実態を把握しきれていない。)
・こうした問題は、「”みんなに”質の高い教育を提供すること」を定めたSDG4、「誰一人取り残さない」というSDGsの基本理念を守れていない状態になっているとも言える。

 

<質問の背景と補足>

1:外国にルーツを持つ子どもたちが教育を受ける際の困難
外国にルーツを持つ子どもたちは、様々な事情で日本語の読み書き・会話にハードルがあることが少なくありません。そのため、こうした子どもたちが日本で教育を受けようとしても、「漢字が多過ぎる上に音訓も1文字で複数あるので覚えきれない・一つの言葉に色々な意味があって使い分けが分からない」「先生や友達が話していることが分からない・友達と会話できない・教科書に書いてあることが分からない」などの困難な状況になってしまい、勉強することが困難になるだけでなく、学校で孤立したり、いじめの対象になったりしてしまう問題も起きています。

 

もちろん、自治体や国も外国にルーツを持つ子どもたちが日本で不自由なく教育を受けられるように、学校の授業とは別に日本語を教える授業を行ったり、困っていることなどの相談に乗る窓口を設けたりするなどの支援策を講じています。
例:文部科学省「海外子女教育、帰国・外国人児童生徒教育等に関するホームページ(通称:CLARINET) 帰国・外国人児童生徒教育等に関する施策概要」
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/clarinet/003/001.htm

 

しかし、「対応できる人・場所・時間などが不足している」「教育機関や行政などの連携体制が整っていない」「個別対応できるだけのノウハウがない」などの理由で、こうした支援の取り組みを行っている地域と行っていない地域が混在していたり、支援の取り組みを行っている地域同士でも、対応できる人や場所の数に差が出ていたりするといった、支援体制の「地域格差」が生じているという問題も起きています。
引用:文部科学省「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査(平成30 年度版)」P.12③など

 

2:外国にルーツを持つ子どもたちの高卒までのハードルの高さ
文部科学省では、全国に学校がいくつあるのか、児童・生徒が何人いるのか、進学率はどのくらいかなど、日本の学校に関する統計情報を調べる「学校基本調査」を毎年行っています。
詳細:https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa01/kihon/1267995.htm

 

日本の義務教育は中学校までですが、その延長線上にある高校への進学率(男女合計)を「学校基本調査」で調べると、平成28(2016)年度以降99%=中学校を卒業したほぼ全ての子どもたちが高校へ進学しているという結果が出ています。
※「学校基本調査」(進学率)はxlsx形式で公開されていますので、ダウンロードしてExcelなどでご確認ください。

 

また、就職するための応募条件が「高卒以上」となっていたり、実際に仕事する際に求められる知識や技術も高卒相応のレベルが必要とされたりするなど、日本でより安定した収入を得られる仕事に就くためには、高卒相当の知識・教養・技能が必要になることが多くなっています

 

高校の授業は、どの教科も小・中学校の授業と比べ、難易度が大幅アップしており、ネイティヴである日本人でも苦戦するほど難しい内容で構成されています。そのため、授業で用いられる日本語も「自然対数」「重力加速度」「気体定数」など、相応に難しい言葉・漢字だらけになりますし、古文・漢文も出てきます。

 

日本で安定して収入を得て生活していくためには、高校を卒業することが大事なのに、高校で用いられる言葉についていくこと自体が外国にルーツを持つ日本の高校生たちにとって非常に高いハードルになってしまっており、進学(大学・専門学校など)や就職にも影響が出ています
引用:文部科学省「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査(平成30 年度版)P.13

 

また、親も言語の壁などの理由で安定した収入を得ることが難しく、家計が経済的に厳しいために学費や諸経費(交通費など)が払えず、高校に進学してもすぐ中退してしまったり、高校進学を諦めざるを得なかったりするといった、貧困が世代を超えて続いていく「貧困の悪循環」も影響していることも指摘されています。
引用:日本学術会議 提言「外国人の子どもの教育を受ける権利と修学の保障――公立高校の「入口」から「出口」まで」のポイント P.11(pdfデータ上は17/29ページ)

 

3:外国にルーツを持つ子どもたちの高校進学へのハードル
前節では高校入学以降に着目しましたが、外国にルーツを持つ子ども・保護者は、高校に進学する上でも多くの困難や障壁に直面しています。
例えば、日本の学校制度や入試制度などに関する情報の理解や入手が難しいことが挙げられます。(高校入試に限らず、)日本の入試制度はとても複雑な上に自治体・地域ごとに制度・慣習なども異なるので、外国にルーツを持つ子ども・保護者がこうした制度を理解したり、学校説明会などの進路情報を入手したりすることがとても難しくなっています。

 

もちろん、教員・学校による進路相談や、教員有志と教育委員会の協力による合同の高校進学ガイダンスを実施するといった支援の取り組みを行っている自治体・地域・教育機関などもありますが、まだまだ数が非常に少ないのが実情です。
参考・引用:日本学術会議 提言「外国人の子どもの教育を受ける権利と修学の保障――公立高校の「入口」から「出口」まで」のポイント P.11(pdfデータ上は17/29ページ)

 

外国にルーツを持つ子ども・保護者にとっては、「高校受験に臨むまでのプロセス」も高いハードルになっており、学校に進学・通学・卒業する上でたくさんの困難に直面しているのです。

 

4:海外にルーツを持つ子どもの高校進学に関する情報/調査不足
文部科学省では、上記の「学校基本調査」のほかに、「日本語指導が必要な子どもが学校・地域・言語・国籍別などで何人いるのか」「日本語指導が必要な児童生徒のうち、何%が日本語指導等特別な指導を受けているのか」などを調べる「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査」も平成 3(1991) 年度から行っています(平成24(2012)年以降から2年ごとに実施)。
※海外にルーツを持つ子どもの就学・進学状況を独自に調査している自治体などもあります。
詳細:https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/31/09/1421569.htm

 

この調査では「日本語指導が必要な高校生のうち何%が中退してしまったのか」「日本語指導が必要な高校生のうち何%が大学や専門学校などの教育機関に進学したのか」など、「平成29(2017)年度中の日本語指導が必要な高校生等の中退・進路状況」(P.13)=高卒時の進路に関する調査結果が記載されていますが、その一方で中卒時の進路=「日本語指導が必要な中学生等の進路状況」、例えば「日本語指導が必要な中学生のうち、何%が高校などの教育機関へ進学したのか・就職したのか・進学も就職もしていないのか」といった調査は行われていません。

 

なお、「日本語指導が必要な中学生等の進路状況」に関しては、日本学術会議が文部科学省の「学校基本調査」の統計データから「2018年度時点で約64%が高校などに進学しているのではないか」という推計値を算出しています。ただし、外国人には自分の子どもに日本の義務教育を受けさせる義務がなく、学校や教育機関に通っていない外国人の子どもが少なくないことも実際に判明しているため、実際の数値はさらに低くなると考えられています。
引用
提言「外国人の子どもの教育を受ける権利と修学の保障――公立高校の「入口」から「出口」まで」のポイント P.10(pdfデータ上は16/29ページ)
文部科学省 「外国人の子供の就学状況等調査結果(速報)(令和元年9月27日)
外務省「外国人の子どもの公立義務教育諸学校への受入について

 

以上のように、海外にルーツを持つ子どもの高校進学や就学/修学に関する調査は行われているものの、決して十分だとは言えず、支援の取り組みやサポートの不足、格差に繋がってしまっている上に、これらの問題を改善するために必要な情報も不足しているという現状があります。

 

5:SDG4で定められていること

SDG(持続可能な開発目標、2030年までに国際社会がめざすべき共通の目標)で定められている17の目標のうちの4つ目は「質の高い教育をみんなに」というタイトルになっています。
さらにターゲット毎に見ていくと、
4.1 2030年までに、すべての子どもが男女の区別なく、適切かつ効果的な学習成果をもたらす、無償かつ公正で質の高い初等教育及び中等教育(日本における中学校および高等学校)を修了できるようにする。
4.4 2030年までに、技術的・職業的スキルなど、雇用、働きがいのある人間らしい仕事及び起業に必要な技能を備えた若者と成人の割合を大幅に増加させる。
(外務省仮訳)
など、高校に通うこと・高校を卒業することの必要・重要性が複数のターゲットに記載されています。

 

また、SDGsは「誰一人取り残さない」ことを基本理念(一番大事な考え方)としています。
そのため、これまで述べてきた「海外にルーツを持つ子どもの進学・就学(学校に通うこと)/修学(学校を卒業すること)に多くの困難がある」現状は、SDG4達成のための大きな課題でもあると言えます。

 

こうした背景を受け、

■海外にルーツを持つ子どもたちが日本で教育を受けている中で、どんな問題が起きているのでしょうか?
■海外にルーツを持つ子どもたちが日本で不自由なく教育を受けられるようにするため、もっと詳しい調査を全国的に行うべきだと思いますか?
■こうした調査の結果を公表すべきだと思いますか?

という内容の質問を主要政党へききました。

 

果たして、各政党はどのように答えたのでしょうか?
https://www.jnne.org/sdg2021/vote2.html の回答を読んで、自分が最も賛同する政党はどこか、その理由や他に考えた・思ったことや伝えたいことなどを記入してみましょう!

 


質問3 日本の教育課題:ジェンダー・多様性について

(2021年12月1日22:05追記)
【参考情報】
本項目を解説した特集が関西テレビで報道されました。
本キャンペーン実行委員のガールスカウト日本連盟による調査データも取り上げられています。
https://www.ktv.jp/news/gender/211129/

 

投票はこちら

キャンペーン公式サイトより引用 (C)JNNE

<問題点のまとめ>(一例)
・SDG4、5では教育の場で起きているジェンダー格差を無くすこと、ジェンダー平等に関する教育を推進することと、それらのためのルールや仕組みなどをつくることが定められているが、日本はOECD諸国の中で、女性の先生の割合、特に女性の学校管理職(校長・副校長)の割合が一番低い。(その原因は他業種と比べても特に過酷な長時間労働や、教育現場のデジタル化などの効率化対策不足、育児インフラの整備不足など、様々な分野の問題が複雑に絡み合っている)
・日本政府も対策には乗り出しており、2025年、2030年までの目標を定めているが、OECD諸国の平均値にはまだまだ及んでいない。(もちろん、少しずつ目標を上げていくことも大事だが)
・学校、教育機関は子どもたちが心身が最も発達、成長する時期に身を置く社会集団であるため、子どもたちと直接触れ合う先生たちの姿や様子は、子どもたち一人ひとりの心や人格面にロールモデルあるいは反面教師として一生影響し続ける。そのため、管理職が男性ばかりの学校社会で育った今のおとな世代は「学校管理職やリーダーは男性がなるもの」という固定観念や無意識の思い込みに陥り易く、それらが次世代に受け継がれていく悪循環に陥っている。この悪循環を断ち切らねばならない。

 

<質問の背景と補足>
用語補足:OECD(経済協力開発機構:Organisation for Economic Co-operation and Development)・DAC(開発援助委員会:Development Assistance Committee)
加盟国の経済成長・開発・貿易を目的とした、以下の38カ国で構成されるグループのことです。幅広いネットワーク(繋がり)を活用した様々な活動を行っており、国際社会の新たなルールや基準・制度などを決めていくための土台作りをしたり、リーダーシップを発揮したりするなど、国際社会でとても大きな影響力を持っています。

 

<加盟国(2021年4月5日時点)>
・1961年にOECDができた時から加盟していた国(原加盟国)
オーストリア、ベルギー、デンマーク、仏、独、ギリシャ、アイスランド、アイルランド、伊、ルクセンブルク、オランダ、ノルウェー、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイス、トルコ、英、米、カナダ

 

・OECDができた後から加盟した国
日本(1964年)、フィンランド(1969年)、豪(1971年)、ニュージーランド(1973年)、メキシコ(1994年)、チェコ(1995年)、ハンガリー、ポーランド、韓国(以上1996年)、スロバキア(2000年)、チリ、スロベニア、イスラエル、エストニア(以上2010年)、ラトビア(2016年)、リトアニア(2018年)、コロンビア(2020年)、コスタリカ(2021年)
引用:外務省HP「OECD(経済協力開発機構)の概要

 

このうちの29か国に欧州連合(EU)を加え、各国のODAの実績を取りまとめたり、効果的な開発協力のための政策提言を行ったり、メンバー国間の開発協力体制,政策,予算などを評価し合ったりする「開発援助委員会:DAC(Development Assistance Committee、主要な援助国の集まりのこと)」という組織もあります。(学校で言う「生徒会・専門委員会」と同じようなものとイメージすると分かり易いでしょうか。)
引用
外務省HP「OECD開発援助委員会
政府広報オンライン「国際協力60周年 世界と日本の未来を育てるODA」(2014年10月3日)

 

1:日本の学校管理職(校長・副校長・教頭先生)はほとんどが男性

文部科学省の「学校基本調査」の最新(2020年度)版で、「公立学校(高校は全日制のみ)に先生が何人いるのか」というデータを細かく見てみましょう。
小学校・中学校・高校全てで、女性管理職(教頭・副校長・校長先生)の割合が低くなっていることが分かります。

(クリックで拡大)

参考
飯島 絵理「女性校長はなぜ少ないのか、少ないことはなぜ問題か 学校教員の男女格差の現状と子供のまなざし」, NWEC実践研究 Vol.10 (独立行政法人 国立女性教育会館(NWEC)リポジトリ), pp.204-223(第12章), 2020年2月28日 (pdfデータをダウンロードしてご覧ください)
※こちらの論文は2020年2月28日に発行されたもののため、論文内の表1(教員数の内訳)は発行当時の最新データ=2019年度版の学校基本調査を引用しています。

引用
学校基本調査 小学校の学校数、在籍者数、教職員数(昭和23年~)
学校基本調査 中学校の学校数、在籍者数、教職員数(昭和23年~)
学校基本調査 高等学校の学校数、在籍者数、教職員数(昭和23年~)
学校基本調査「職名別教員数(本務者)(小学校)」
学校基本調査「職名別教員数(本務者)(中学校)」
学校基本調査「職名別教員数(本務者)(高等学校・全日制)」

 

ここからは中学校に着目してみます。先生全体の男女比を見ると、約55.8%が男性教諭、約44.2%が女性教諭とほぼ半々になっている一方、校長先生の男女比を見ると、約92.5%が男性、女性は約7.5%、つまり「中学校の校長先生は90%以上が男性」という状態になっていることが分かります。同様に、「副校長・教頭先生も80%以上が男性」という結果が出ています。つまり、女性の先生はたくさんいるのに、女性の学校管理職の人数が特に少ないということが分かります。

 

(補足)
キャンペーン公式サイトの解説には、「日本の女性教員の中学校における比率は44%であるにもかかわらず、校長・副校長に占める女性の割合はわずか8%となっています」と記載されているので、日本の中学校で女性の校長・副校長が合わせて何人いるのか計算した表も示します。

 

2:OECD諸国の中でも、女性の学校管理職への登用が極めて少ない国は日本だけ

次に、中学校教諭の男女比を外国と比較してみましょう。年度は異なりますが、「学校基本調査」の世界版とも言える、OECDの「国際教員指導環境調査:TALIS(Teaching and Learning International Survey)」の最新(2018年)版の平均値を並べた表を以下に示します。
※2018年度当時の学校基本調査のデータを用いることで年度を揃えた比較ができます。(2018年度と2020年度でこれらの指標を比較しても、際立った差は出ていません)

 

差を見ると分かるように、中学校の女性教諭と女性校長の人数・割合の少なさは、OECDの平均値(Female teachers(女性教諭):68.3%、Female principals(女性校長):47.3%)と比べても際立って少ないどころか、日本は女性教員・女性校長+女性副校長の2項目ともに、OECD諸国(厳密にはTALISが調べた国々)の中で最下位に位置しています。

 

女性教諭の割合の国際比較(TALIS 2018) ※日本の数値は調査当時のものです 
(クリックで拡大)
女性校長・副校長の割合の国際比較(TALIS 2018)※日本の数値は調査当時のものです
(クリックで拡大)

引用:「国際教員指導環境調査(TALIS)2018 の結果」P.1図表1、P.2(pdf)
OECDデータベース「TALIS 2018 (Volume I): Teachers and School Leaders as Lifelong Learners
(英語、「WHO THE TEACHERS ARE」内の「Female teachers(%)」及び「WHO THE PRINCIPALS ARE」内の「Female principals(%)」)
(補足)
上記ページ内の「Bar Chart」などをクリックし、「Select OECD Countries」で表示したい国を選ぶと、OECD各国と調査には参加したOECD非加盟国の数値がグラフで表示されます。
表示したい調査内容を変更したい場合は、グラフ上部の「i(調査項目)」というプルダウンメニューから変更します。
また、ページ内のいずれかの「Download indicator」という文字をクリックすると、さらに詳細な統計数値を記した「edu-2019-3480-en-t002.xlsx」というExcelデータをダウンロードできます。
本記事及びキャンペーン公式サイトで言及している数値は、このデータ内のシート「Table I.3.17」(女性教員の割合)、「Table I.3.21」(女性校長の割合)にも記載されています。

 

 

3:女性の校長・副校長・教頭先生が少ない理由・問題(一例)
参考・引用:飯島 絵理「女性校長はなぜ少ないのか、少ないことはなぜ問題か 学校教員の男女格差の現状と子供のまなざし」, NWEC実践研究 Vol.10 (独立行政法人 国立女性教育会館(NWEC)リポジトリ), pp.204-223(第12章), 2020年2月28日 (pdfデータをダウンロードしてご覧ください)

独立行政法人 国立女性教育会館が2018年1~2月に全国公立小中学校1,500校に行ったアンケート調査によると、「管理職(学校の場合は校長・副校長・教頭や教務・学年主任など)になりたいですか?」という質問で「ぜひなりたい」「できればなりたい」とポジティブな回答をした教員は、女性はわずか7%、男性でも29%と非常に低い割合でした。「管理職になりたくない理由」を質問すると、女性教諭は「育児などの家庭生活との両立が難しいため」「力量不足(自分には責任のある仕事ができるだけの力や自信がない)」という回答が多く挙がっていました。

 

ここ数年で「教員の長時間労働」が他の仕事と比べてもきわめて長い(先生の仕事は他の仕事と比べても極端に忙しく、頑張っても頑張っても仕事が終わりきらない、一日中仕事で帰れない・休めない・仕事以外のことをする余裕がない)ことが社会問題として認知されるようになってきました。
先生の仕事を頑張ろうとすると、子どもの世話をしたり、子どもと遊んだりする「育児」の時間がなくなる=家庭が成り立たなくなってしまいますし、逆に育児へ集中しようとすれば、先生の仕事が成り立たなくなってしまうというジレンマが起きています。

 

学校の管理職になるための資格を取るには様々な研修や試験などを受けることが必要ですが、上司からの推薦も必要です。
しかし、育児と先生を両立するジレンマと長時間労働で奮闘している女性教諭に「管理職になるための研修や試験を受けてみませんか?」と、さらに忙しくなることを薦めるというのも何だか申し訳ないと、推薦を出す側の上司が思ってしまい、女性教諭が管理職になるチャンスが男性よりも少なくなってしまっている、という見えないジェンダー格差も起きてしまっています。

 

こうした長時間労働や「家事・育児は”お母さん”がするもの」という偏った認識(性別役割分担意識)などの要因が複雑に絡み合い、「女性が学校管理職になるのは難しい」という考えが無意識に教育現場に定着してしまっていたり、女性が学校管理職になるためのチャンスも男性より少なくなりがちになってしまったりするなどの「教育現場のジェンダー格差」に繋がってしまっています。

 

子ども時代の長い時間をともにする先生は、「ロールモデル」(この人みたいになりたい!という理想・目標・参考にしたい人、恩師)や「反面教師」として良くも悪くも個人の一生に影響します。例えば、私たちが連想ゲームで「校長・教頭先生といえば?」というお題を出された時、どんな人物像が思い浮かぶでしょうか?恐らく「男性」が真っ先に思い浮かぶのではないでしょうか?

 

1で示したように、日本の学校管理職の大半が長年男性で占められていた、つまり「学校の校長・副校長・教頭先生はみんな男性だった」という記憶が、「リーダーは男性がなるもの」「女性はリーダーには向いていない」などの、社会全体のジェンダー格差・差別の基となる固定観念や無意識の思い込み(英語でアンコンシャス・バイアスと言うこともあります)に繋がり、それが後世にも受け継がれていってしまっている現状の原因の一つになっているのではないでしょうか?

 

子どもたちの心身が最も発達・成長する期間を過ごす社会集団である「学校・教育機関」のリーダーに女性を増やすことで、「リーダーは男性がなるもの」「女性はリーダーには向いていない」などの固定観念を打ち破る意識改革が起こり、「あの人みたいな先生・校長先生になりたい!」と思う子どもや女性教諭がもっと多くなり、「あの人みたいなリーダーになりたい!」と思う女の子たちが増えることで、教育現場以外でも女性がリーダーシップを発揮するチャンスが増える=女性の社会進出が促進され、社会のジェンダー平等により近づいていくことが期待できるのではないでしょうか?

 

とはいえ、ただ「数さえ増やせばよい」というわけではありません。(実際、2018年に一部省庁や自治体による「障害者雇用率水増し(雇っている障害者の人数を本来よりも多く報告し、目標を超えていると嘘をついていた)行為」が社会問題になりました)
先述したように、女性の学校管理職登用を促進するには、長時間労働の是正(改善)、「育児・家事は”お母さん”がやるもの」などの偏った認識(性別役割分担意識)や「リーダーは男性がなるもの」「女性はリーダーには向いていない」などの固定観念を打ち破るような意識改革、育児負担の軽減、学校管理職になるための制度の改善・チャンスの拡充(増やすこと)など、これらを実現するための法律・制度などの整備など、たくさんの分野が連動・協調(協力)して取り組んでいくことが求められています

 

労働時間を短縮することにだけ着目しがちになっていたり、色々な機関が同じような問題・課題へそれぞれバラバラに取り組んでいる「縦割り行政」の状態になっていたりするなど、問題解決に取り組む上での考え方・認識や今の国の制度・システムを変えていくことも求められています。

 

4:SDG5では「ジェンダー平等」、SDG4では「教育現場でのジェンダー平等」が定められている

SDG(持続可能な開発目標、2030年までに国際社会がめざすべき共通の目標)で定められている17の目標のうちの5つ目は「ジェンダー平等を実現しよう」というタイトルになっています。
さらにターゲット毎に見ていくと、

5.5 政治、経済、公共分野でのあらゆるレベルの意思決定において、完全かつ効果的な女性の参画及び平等なリーダーシップの機会を確保する。
5.a 女性に対し、経済的資源に対する同等の権利、ならびに各国法に従い、オーナーシップ及び土地その他の財産、金融サービス、相続財産、天然資源に対するアクセスを与えるための改革に着手する。
5.c ジェンダー平等の促進、ならびにすべての女性及び女子のあらゆるレベルでの能力強化のための適正な政策及び拘束力のある法規を導入・強化する。
(外務省仮訳)

など、あらゆる場面でのジェンダー平等を実現すること、そのためのルールや仕組みを整えることが定められています

 

SDG(持続可能な開発目標、2030年までに国際社会がめざすべき共通の目標)で定められている17の目標のうちの4つ目は「質の高い教育をみんなに」というタイトルになっています。
さらにターゲット毎に見ていくと、

4.5 2030年までに、教育におけるジェンダー格差を無くし、障害者、先住民及び脆弱な立場にある子どもなど、脆弱層があらゆるレベルの教育や職業訓練に平等にアクセスできるようにする。
4.7 2030年までに、持続可能な開発のための教育及び持続可能なライフスタイル、人権、男女の平等、平和及び非暴力的文化の推進、グローバル・シチズンシップ、文化多様性と文化の持続可能な開発への貢献の理解の教育を通して、全ての学習者が、持続可能な開発を促進するために必要な知識及び技能を習得できるようにする

と、教育の場で起きているジェンダー格差を無くすこと、ジェンダー平等を実現するための教育を行うことが定められています

 

 

5:日本政府も対策に乗り出している

2020年12月25日に閣議決定された、日本政府の「第5次男女共同参画基本計画~すべての女性が輝く令和の社会へ~」には、
・指導的地位に占める女性の割合が2020年代の可能な限り早期に30%程度となるよう目指して取組を進める。
・初等中等教育機関の教頭以上に占める女性の割合を、2025年までに副校長・教頭を25%、校長を20%とすることを成果目標とする
と記載されています。
引用:内閣府 男女共同参画局「第5次男女共同参画基本計画~すべての女性が輝く令和の社会へ~(令和2年12月25日閣議決定)
第1部 基本的な方針(P.13最下部)
第2部 政策編
 III 男女共同参画社会の実現に向けた基盤の整備
  第10分野 教育・メディア等を通じた男女双方の意識改革、理解の促進(P.2)

 

改めて公立学校教員の男女比率を見てみると、2020年度時点で中学校管理職の女性の割合が政府の目標にまだまだ及んでいないことが分かります。
日本政府が立てた目標、そしてOECDの平均値(Female teachers(女性教諭):68.3%、Female principals(女性校長):47.3%)を達成するためにどんな課題や取り組みが必要なのか、政府だけではなく私たちも考える必要があります。

(クリックで拡大)

 

こうした背景を受け、

■2030年までに、日本の中学校長・副校長の30%以上を女性をがつとめるべきだと思いますか?

という内容の質問を主要政党へききました。

 

果たして、各政党はどのように答えたのでしょうか?
https://www.jnne.org/sdg2021/vote3.html の回答を読んで、自分が最も賛同する政党はどこか、その理由や他に考えた・思ったことや伝えたいことなどを記入してみましょう!

 


質問4 国際的な教育課題に対する日本の支援:「教育を後回しにできない基金」(ECW)について

投票はこちら

キャンペーン公式サイトより引用 (C)JNNE・FTCJ

<問題点のまとめ>(一例)

・ODAを行っている諸外国と比べ、日本のODAは、紛争・災害・感染症蔓延などでアクセスや質が損なわれ易い「基礎教育(幼児教育、初等・中等教育、成人識字)」支援の優先度が低い。
・国内でも、子どもや若者が災害や感染症蔓延の危機的状況下に置かれ、SDG4で確保・向上することが定められている「質の高い教育へのアクセス」が困難になることが毎年、全国各地で起きている。しかし、紛争・災害・感染症蔓延などの緊急時における教育支援に特化した、ユネスコの基金「Education Cannot Wait」へ資金拠出したことがない。

 

<質問の背景と補足>

用語補足:ODA(Official Development Assistance)
外務省公式Youtubeチャンネルによる説明
フル版(7:23)

ショート版(3:04)

「政府開発援助」の略で、「開発途上地域の開発を主たる目的とする政府及び政府関係機関による国際協力活動」のための公的資金のことです。この資金は、政府をはじめ、国際機関、NGO、民間企業などさまざまな組織や団体が行う、開発途上国の「開発」(平和構築やガバナンス(統治)、基本的人権の推進、人道支援(例:災害や紛争などからの復興)など)や、開発途上国または国際機関に対する資金(贈与・貸付等)・技術提供などに充てら(使わ)れています。

 

日本は1954年からODAを行っており、1989~2000年(1990年を除く)は援助額世界一でしたが、バブル崩壊以降の長引く不況で日本国内の経済・財政状況が悪化し続けていることなどが原因でトップから陥落、現在の援助額はピークだった1997年のほぼ半分に減っています。とはいえ、災害対応など人道緊急援助活動をはじめとした、長年にわたる援助実績や蓄積されたノウハウは今も国際社会から高い評価を受けています。

引用
外務省HP「開発協力,ODAって何だろう」(2016年11月11日)
JICA(国際協力機構)HP「ODA見える化サイト ODAとは
外務省「ODA60年の成果と歩み」(2014年9月)
JICA(国際協力機構)HP「ODAの基礎知識
政府広報オンライン「国際協力60周年 世界と日本の未来を育てるODA」(2014年10月3日)

 

ODAに関する最新・詳細情報は、外務省の「2020年版 開発協力白書」をご覧ください。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/files/100157805.pdf

 

1:ODAを行っている諸外国と比べ、日本のODAは基礎教育への支援が後回し気味になっている

先述したように、ODAの予算は様々な分野の支援・援助活動に配分されて使われています。そこで、2018年のODAの予算のうち、教育支援への援助が何%を占めているのか(割合)を見てみましょう。

(クリックで拡大)

日本のODA総額は、2018年の実績で141億6,400万米ドル、1米ドル=110円と仮定して換算すると約1兆5,580億4,000万円でした。
この約1兆5,580億4,000万円のうち、基礎教育(幼児教育、初等・中等教育、成人識字(文字の読み書き)、詳細はこちらをご覧ください)の援助額はで1億8千万米ドル、1米ドル=110円と仮定して換算すると約198億円でした。これを割合(%)に換算すると、日本のODA総額のうち、約1.3%が基礎教育支援に充てられていることになります。

 

次に、キャンペーン公式サイトに記載されている「援助国平均が3.4%であるのに対して、日本は1.4%にすぎません」という文章の根拠(計算過程)を確認してみます。引用元の「Global Education Monitoring Report 2020」 P.410の表で「Education in total ODA」(各国のODA総額のうち、教育支援は何%を占めているのか)という列の2018年の数値を見ると、二国間総計(TOTAL bilaterals)は9%と記載されています。

その右隣の「Basic education in total ODA to education」(教育へのODAの中で、基礎教育は何%を占めているのか)という列の2018年の数値を見ると、二国間総計は38%と記載されています。まとめると、「ユネスコが調査した35カ国のODA総額の9%が教育支援に充てられており、この9%のうちの38%が基礎教育支援に充てられている」ことになります。「9%のうちの38%」を数式にすると0.09×0.38=0.0342≒3.4%になります。

 

同じ手順で日本の数値(Japanの行)を見てみると、「日本のODAの5%が教育支援に充てられており、この5%のうちの28%が基礎教育支援に充てられている」ことになります。「5%のうちの28%」を数式にすると0.05×0.28=0.014=1.4%になるため、「日本のODAのうち、1.4%が基礎教育支援に充てられている」ことが分かります。
(上の表は1.3%と記載されていますが、こちらはODAの金額で算出したものであり、キャンペーン公式HPの解説は上述したパーセンテージから算出したものであり、計算に用いた数値も、それぞれ何度も四捨五入されているためです。)

 

これらをまとめると、読み書きや基本的な計算など、生きる上で最低限必要な知識・技術・技能を学ぶため、中等・高等教育と比べても重要度の高い分野である基礎教育援助の割合が、援助国平均が3.4%であるのに対し、日本は1.3または1.4%(援助国平均よりも2%ほど低い)と特に低くなっています。つまり、ODAを行っている諸外国と比べ、日本のODAの予算配分は基礎教育への支援の割合=優先度が低くなっているとも言えます。

 

引用
日本のODA総額(2018年実績)

UNESCOデジタルライブラリ「Global Education Monitoring Report 2020
(英語、P.409・410(pdfデータ上は428~429ページ)、TOTAL内Constant 2018 US$ millionsの2018年の列、TOTAL ODA内Basic educationの列)
または外務省HP「ODA実績」(主要援助国のODA実績の推移(OECD/DAC標準))

 

 

2:用語補足:ECW(Education Cannot Wait)、日本はECWへの拠出実績(ECWに支援資金を出したこと)がない
公式サイト:https://www.educationcannotwait.org/ (英語)

参考情報
外務省HPでの説明「万人のための質の高い教育 分野をめぐる国際潮流」(2020年8月11日)

ECW公式Youtubeによる説明動画(英語、1:49)

緊急事態下の教育に力をいれるための、ユニセフ(国連児童基金)による新たな教育基金で、日本語では「教育を後回しにはできない(基金)」と呼んでいます。2016年5月23~24日にトルコ・イスタンブールで国連が開催した「世界人道サミット」で正式に発表、設立されました。紛争や自然災害、感染症蔓延(まんえん:拡大していること)などの危機的状況下で暮らす子どもと若者に質の高い教育の機会を提供することを目的としています。
引用
公益財団法人 日本ユニセフ協会HP「世界的な教育危機に取り組む 新たな基金が設立「Education Cannot Wait」緊急時下こそ教育を」(2016年5月23日)

 

日本でも、(憲法9条により戦闘行為が起きる可能性は限りなく低いものの)、災害(特に台風・地震)や異常気象などで家や学校が被災したり、コロナ禍で学校が休校になったり試験が中止・延期になったりして、子どもたちが教育を受けられなくなる状況が全国各地で起きています。「危機的状況下で暮らす子どもと若者に質の高い教育の機会を提供する支援」は開発途上国の子どもたちだけの話ではないのです。

イメージ画像:台風で被災した学校(フィリピン・2013年11月) (C)FTCJ
イメージ画像:紛争地域の仮設校舎と子どもたち
(2019年3月、フィリピン・ミンダナオ島マラウィ市) (C)FTCJ
イメージ画像:開発途上国の感染症対策支援(ケニア)(C)FTCJ

※これらの画像はイメージ画像として掲載したもの(当団体及び当団体の海外パートナー団体が独自に実施した支援活動の様子)であり、ECWとは関係ありません。

 

ユニセフ=国連の基金ですが、各国政府以外にも、民間企業が設立した財団やNGO・NPO団体などもECWへ資金や技術などのノウハウを提供しています。
なお、2021年4月時点で日本政府は、災害・紛争・緊急時の教育支援に特化しているECWに資金を拠出したことがありません

 

資金拠出国・団体内訳の詳細
ECW公式サイト(英語、「DONORS & PARTNERS」のセクションを参照)またはユニセフ公式サイトによる情報開示ページ(英語)

 

 

こうした背景を受け、

■日本はODA予算内の基礎教育支援の割合を増やすべきでしょうか?(日本は基礎教育援助額を大幅に増加すべきでしょうか?)
■人道緊急援助(災害対応など)に関するODAの実績がある日本は、災害・紛争・緊急時の教育支援に特化している「教育を後回しにできない基金」(ECW)へ支援資金を拠出すべきだと思いますか?

という内容の質問を主要政党へききました。

 

果たして、各政党はどのように答えたのでしょうか?
https://www.jnne.org/sdg2021/vote4.html の回答を読んで、自分が最も賛同する政党はどこか、その理由や他に考えた・思ったことや伝えたいことなどを記入してみましょう!


質問5 国際的な教育課題に対する日本の支援:「教育のためのグローバルパートナーシップ」(GPE)について

(2021年12月1日22:05追記)
「G7コーンウォールサミット」「グローバル・エデュケーション・サミット2021」での日本政府の対応は下記のロビイング報告をご覧ください。

【最終報告】「SDG4教育キャンペーン2021」子ども・ユースロビイング活動(外務省)

投票はこちら

キャンペーン公式サイトより引用 (C)JNNE・FTCJ

<問題点のまとめ>(一例)
・コロナ禍で子ども、若者たちが教育を受ける機会が奪われている。
・特に貧困地域の女の子はコロナ禍の影響を強く受けている。学校に通えなくなった女の子が児童労働や児童婚、人身売買に出されるなど、コロナ禍による教育への影響は、これまで世界中の政府、NGO・NPO団体などが改善に取り組んできた社会問題の悪化も招いている。
・女の子が教育を受けられるようになることは、複数の社会問題の解決及び複数のSDGsの達成などに直結している。コロナ禍で女子教育への支援の歩み・手が緩んだり止まったりしてしまうと、アフターコロナ(新型コロナウイルス感染拡大が収束した後)の世界は、コロナ禍前よりも悪い状態に後戻りしかねない。
・そのため、教育のためのグローバル・パートナーシップ:GPE(Global Partnership for Education)という基金が、2025年までに50億米ドルを超える巨額の資金調達(お金を集めて用意すること)を表明しており、2021年7月に増資の(もっとお金を集める)ための会合を予定している。さらに、2021年6月には「女子教育への支援」を重要テーマの一つとしたG7(Group of Seven、フランス、アメリカ、イギリス、ドイツ、日本、イタリア、カナダの7つの主要な先進国のこと)サミットがイギリスで開催予定であり、2021年上半期は「女子教育への支援」を拡充する上で絶好のチャンスである。
・日本のGPEへの拠出額は、世界の国々の中でも下から数える方が早く、G7内ではイタリアに次ぐ最下位に位置している。

 

<質問の背景と補足>
用語補足:教育のためのグローバル・パートナーシップ:GPE(Global Partnership for Education)
■公式サイト(英語)
https://www.globalpartnership.org/
和訳版
https://raiseyourhand.jp/

参考情報
外務省HPでの説明「万人のための質の高い教育 分野をめぐる国際潮流 または 日本の取組」(いずれも2020年8月11日)

 

2002年に世界銀行が主導して、設立された世界で唯一の教育問題に特化した国際基金です。すべての人に公平で質の高い教育を提供することを目指しています。途上国、支援援助国、民間企業、(日本を含む)各国政府や、国連機関、NGOなどの多くの関係者に支えられています。世界中から教育のための資金を調達し、教育システムの改善・強化などを通じて、途上国が直面する教育の最重要課題(低所得国や地域の教育制度の変革など)を解決すべく、支援を行っています。

 

世界がコロナ禍に入ってからすぐに、GPEは5億米ドルを超える緊急資金を調達して、教育機関の閉鎖による被害を軽減し、66カ国で教育システム再開をサポートしました。現在、GPEでは、コロナ禍に伴う学校閉鎖の影響を最も受けている女子・障害児・極貧家庭の子どもたちへ質の高い教育を継続的に提供できるようにすべく、必要な資金:50億米ドル以上を2025年までに調達(集めて用意)する「GPE2025」を計画しています。GPEでは、この「GPE2025」を達成・実現することで、さらに8,800万人の子どもたち(うち、女の子が4,600万人)が学校に通えるようになると試算しています。

引用
GPE日本事務局プレスリリース 教育のためのグローバル・パートナーシップ「Global Partnership for Education(GPE)」が1月24日「国際教育の日」にあわせてメッセージを発信」(2021年1月26日)
GPE日本事務局プレスリリース「GPE ( 世界で唯一の教育課題に特化した国際基金 )サッカーの世界的スーパースター、ディディエ・ドログバ氏がGPE の『Raise Your Hand』キャンペーンに登場」(2021年4月26日)
和訳版GPE公式サイトトップ (同じ図や説明はGPE公式サイト内の「Case for Investment」というpdf文書にも多言語で記載されています)

 

 

参考動画

GPE日本事務局公式Youtubeチャンネル(1:19)

 

GPEが2021年3月23日に実施したウェビナー「コロナ禍における女子教育:日本の役割」(67:11)
(プログラムなどの詳細はGPE日本事務局公式Facebookの投稿をご覧ください)

 

1:コロナ禍が女の子を教育から遠ざけている
質問1の解説にも記載したとおり、2020年に始まったコロナ禍により、世界中で多くの学校や教育機関などが休校・閉鎖になり、子ども・若者たちが教育を受ける場所や機会が奪われています。パンデミックのピークだったとされる2020年4月時点で影響を受けた子ども・若者の人数は、世界で15億人以上にのぼると言われています。
引用
公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパンHP「『女の子を学校に戻すためのガイド』を国連機関とともに作成」(2020年9月2日) 英語版はこちら

 

コロナ禍で学校に行けなくなった影響を特に大きく受けているのが、貧困地域の女の子たちです。家計が苦しくなり、親から児童労働や物乞い、児童婚、売春、人身売買などに出されているという実態が当団体のパートナー団体から報告されています。特に、児童婚などによって、女の子や若い女性たちが早い年齢で母親になると、学校を中退せざるをえなくなるなど、教育を受けることが極めて困難になってしまいます
引用
当団体ブログ「インドのコロナ禍における深刻な状況」(2020年11月24日)

公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパンHP「【第8報】学校閉鎖下の女の子に教育の機会を~新型コロナウイルス対策緊急支援~」(2020年5月28日)

 

イメージ画像 (C)FTCJ

 

2:女の子が教育が受けることがとても大事な理由

イメージ画像

 

全ての子どもたちに教育を受ける権利があることは、質問1の「子どもの権利条約」の解説などで触れましたが、「女の子は学校に行くよりも家事をするか働いて収入を得ることの方が大事」「女の子が学校に行く必要はない」など、長い歴史を経て形成された男尊女卑の文化や偏った考え方、差別などによって、女の子・女性が教育を受けられていない状況が世界のあちこちで今も起きています。また、こうしたジェンダー差別が根深く残っていることは、学校にお手洗いがない(あったとしても適切なものではない)、貧しくて生理用品が手に入らない(=生理中の女の子は学校に行けなくなってしまう)、通学路で暴力・性的暴力を受ける可能性がある、女性の教員が少ないなど、「女の子にとって学校が安心できる場所でない」という教育環境整備の遅れにも影響しています。

 

もし自分や自分の子どもたちが教育を受けられなかったら、将来どんなことが起きてしまうのか少し考えてみましょう。

 

例えば、基礎教育(文字の読み書きや簡単な計算の仕方、そして自分の持つ権利についてなどの教育)を受けられなかった子どもたちは、将来就職できる仕事や得られる収入が限られてしまうことで、家族や地域を支えていくことが難しくなってしまい、こうした状況が次世代に引き継がれていく…という「貧困の悪循環」に陥ってしまいます。他にも、教育を受けられなければ、性や生殖などの保健の知識、社会や科学、人権に関する知識やスキル(技術・技能)も習得する(教わる)ことができないため、社会から取り残されてしまったり、将来、自分が病気になったり妊娠・出産した時に正しいケアができず、自分や子どもが死に至ってしまったり、児童労働や犯罪などの悪いことから身を守る方法が分からず巻き込まれてしまったりするなど、生きていく上で多くの困難に直面してしまいます。
こうした問題・困難は、先述したとおりコロナ禍で悪化していることが分かっています。

 

見方・言い方を変えれば、貧困、人口爆発、乳幼児死亡率の高さ、就学率の低さ(教育へのアクセス)、児童労働など、コロナ禍以前から起きている社会問題の多くは、子ども、特に女の子が教育を受けられるようになることで改善・解決することができるのです。
例えば、
・読み書き、基礎的な計算、社会、科学などに関する知識を得ることで就職の幅(就ける仕事の範囲)が拡がり、収入が増え、安定した生活を送れるようになる。
→貧困の撲滅、長い目で見ればその国や地域の教育水準の向上、経済、産業の発展や環境保護などにも繋がっていく
・社会や人権などについて知り、身を守る知識を得ることで、自分が犯罪に巻き込まれたり、自分の子どもを人身売買や児童労働などへ巻き込んだりすることを防げるようになる。
→犯罪や児童労働の防止、人口爆発の抑止、長い目で見ればその国や地域の人権意識の向上や、ジェンダー平等などにも繋がっていく
・性や生殖(リプロダクティブ・ヘルスケアなど、様々な呼び方があります)、病気などの保健の知識を習得することで、自分自身や家族などに正しいヘルスケアができるようになる。
→平均寿命、乳児死亡率の改善、長い目で見ればその国や地域の衛生状況の改善や就学率の向上などにも繋がっていく
など、あらゆる分野に長期的なメリットがもたらされるのです。

 

実際に、女の子が教育を受けられるようになったことで、
・妊娠や出産での死亡率や乳幼児死亡率の低下
・自分の子どもも教育を受けさせるようになる(=就学率のさらなる改善)
・児童婚、望まぬ妊娠の抑止(=人口爆発の抑止など)
・GDP(国内総生産)など、その国の経済指標の向上
など、短期・長期双方の視点から、あらゆる社会問題が改善しているという報告も出ています。(具体例は引用元のページなどをご覧ください)

 

以上より、国内外の多くのNPO・NPO・政府機関が協力し、長い年月をかけて子どもたち、特に女の子の就学率改善(女の子が教育を受けられるようにすること)に取り組んでいます。
また、先に挙げた社会問題は、SDG4以外のターゲットにも深く関わっています。つまり、子どもたち、特に女の子が教育を受けられるようになることで、複数のSDGsの達成=よりよい世界の実現に向けて大きく前進できるのです。

引用
当団体HP「教育支援
特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパンHP「【世界の女子教育】女の子が学校に通えない3つの原因
外務省HP「開発協力大綱 平和と成長のための学びの戦略 ~学び合いを通じた質の高い教育の実現~ 」(2015年9月)(pdf、
P.5)

 

3:女子教育支援の歩みを止めてはならない
当団体を含め、国内外の多くのNPO・NPO・政府機関が協力し、長い年月をかけて、世界中の女の子たちが少しずつ学校に通えるようにするための支援活動を行ってきました。しかし、コロナ禍で教育を受けることが困難になったことや、世界的な不況で家計が厳しくなったことで、女の子が児童労働や物乞い、児童婚、売春、人身売買の被害に遭うケースが増えており、長年の歩みが後退しつつあります

何事も、積み上げていくためにはとても長い時間とたくさんの労力を必要としますが、積み上げたものが崩れたり壊れたりするのはあっという間です。今、コロナ禍で誰もが苦しい状況にありますが、ここで長年積み重ねてきた女子教育支援の手や歩みが緩んだり止まってしまったりしてしまうと、アフターコロナ(新型コロナウイルスの感染拡大が収束した後)になった時、コロナ禍以前よりも女の子が教育を受けられていない状態に後戻りし、元通りの状態に戻るまでにさらに長い年月を要することになってしまいます

 

2で先述した通り、女の子が教育を受けられるようになることは、世界のあらゆる課題を解決し、SDGsを達成するために必要不可欠です。
だからこそ、コロナ禍でも子どもたち、特に女の子が教育を受けられるよう支援し続けることが特に重要になっており、国際社会も支援に向けた動きを加速させています。(詳細は4で後述します)
国だけではなく、私たち一人ひとりも、今できる最大限のことが何なのか考えて実行していくことが必要です。

 

4:今年の夏は「女子教育支援」の手を拡げる大チャンス

用語補足:G7・G20
G7はフランス、アメリカ、イギリス、ドイツ、日本、イタリア、カナダの7つの主要先進国のグループのことです。2021年の議長国はイギリスがつとめています。
G20はこれら7か国に、アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、中国、インド、インドネシア、韓国、メキシコ、ロシア、サウジアラビア、南アフリカ、トルコ、EU(欧州連合)・ECB(欧州中央銀行)を加えた20か国・地域を加えて構成されるグループのことです。

 

2021年6月~13日に、イギリスでG7サミットが2年ぶりに開催され、新型コロナウィルス感染拡大からの回復に加え、自由で公正な貿易の擁護、気候変動への対応・生物多様性の保全、最貧国の成長支援のための女子教育・食料安全保障・保健・持続可能な開発資金などについて議論が交わされる予定です。さらに、今回のG7サミットにはこれら7カ国のほかに、G20に所属している、オーストラリア、インド、韓国、南アフリカもゲスト参加します。
引用
特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパンHP「【G7 コーンウォールサミット】2021年イギリスG7に向けて、シェルパと政策対話を実施」(2021年4月14日)
外務省HP「2021 G7サミット
(以下全て英語)
G7公式HPトップ
G7コーンウォールサミット特設ページ
G7公式HPニュースリリース
UK to host G7 Summit in Cornwall」(2021年1月23日)
Government launches G7 Gender Equality Advisory Council」(2021年3月8日)
G7 Gender Equality Advisory Council membership announced」(2021年4月9日)
World-leading experts convene for first Gender Equality Advisory Council meeting」(2021年4月19日)

また、G7コーンウォールサミットの翌月、7月28日-29日(現地時間)には、同じイギリスのロンドンで、教育支援のための世界的な資金調達会議 『Global Education Summit』 の開催が予定されています。このサミットでは、各国政府から今後5年間のGPEへの拠出金額(今後5年間で各国の政府がGPEにどのくらいのお金を出すか)が発表されます

以上のように、今夏は、世界の教育に関する重要会合が2連続かつイギリスで開催され、世界の教育問題の解決・SDG4達成に向けた国際社会の機運がこれまでになく高まっています(国際社会の関心がとても高まっています)。

引用
GPE日本事務局プレスリリース 教育のためのグローバル・パートナーシップ「Global Partnership for Education(GPE)」が1月24日「国際教育の日」にあわせてメッセージを発信」(2021年1月26日)
GPE日本事務局プレスリリース「GPE ( 世界で唯一の教育課題に特化した国際基金 )サッカーの世界的スーパースター、ディディエ・ドログバ氏がGPE の『Raise Your Hand』キャンペーンに登場」(2021年4月26日)

 

5:日本政府のGPEへの拠出額は、G7の中で最下位
和訳版GPE公式サイトのランキング(グラフ)にもあるように、日本政府もGPEに資金を拠出しています(本キャンペーンでは旧名称の頃から拠出増額を日本政府に長年提言しています)が、2020年時点で日本がGPEに拠出している額は他国と比べるととても少なく(GPEに拠出された資金全体の0.46%)、G7の中で最下位です。

 

こうした背景を受け、

■世界のあらゆる課題の解決・SDGsの達成のため、世界中の子どもたち、特に女の子がコロナ禍にも負けずに学校へ通える・戻れるようにするため、日本は「教育のためのグローバルパートナーシップ」(GPE)への拠出を増やすべきでしょうか?

という内容の質問を主要政党へききました。

 

果たして、各政党はどのように答えたのでしょうか?
https://www.jnne.org/sdg2021/vote5.html の回答を読んで、自分が最も賛同する政党はどこか、その理由や他に考えた・思ったことや伝えたいことなどを記入してみましょう!


質問6 国際的な教育課題に対する日本の支援:教育を受ける権利・学校保護宣言について

投票はこちら

キャンペーン公式サイトより引用
(C)JNNE・Save the Children’s Partner in Syria, Hurras Network

 

<問題点のまとめ>(一例)
・「子どもの権利条約」を批准し、SDGs達成に向けて取り組んでいる日本政府は、世界の過半数の国が支持している「学校保護宣言」への支持を未だに表明していない。「誰一人取り残さない」というSDGsの基本理念と「子どもの権利を保障する(守る)」という点などにおいて矛盾した状態になっているのではないか?
・国際社会で日本の存在感を高め、あらゆる分野でリーダーシップを発揮し続けていくためにも、国際社会と足並みを揃えることが必要ではないか?

 

<質問の背景と補足>

1:「教育への攻撃」とは

考え(政治、軍事、イデオロギー(政治思想・社会思想)、宗派、民族、宗教など)のちがいから争いが起こり、以下のような攻撃が、学校、通学路、教員、子どもたちなどに向けられることをいいます。

●学校(建物)への攻撃(略奪含む)
●生徒、教員、その他教育関係者への攻撃
●学校・大学の軍事利用
●学校内あるいは通学路における子どもの徴兵・徴用
●学校内・大学構内、あるいは通学路での子どもに対する性的暴力
●高等教育に対する攻撃(学生・教員・職員への暴力、施設への攻撃など)

2015年~2019年の間に、世界では11,000件を超える「教育への攻撃」が発生し、22,000人以上の教員、生徒、教育関係者が被害を受けました
参考・引用
公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンHP

報告書『攻撃される教育 2020(Education under Attack 2020)』を発表」(2020年7月29日)
攻撃される教育 2020」P.2
当団体ブログ記事 教育を攻撃から守る国際デー(9月9日)(2020年9月9日)

 

ほかにも、「教育を攻撃から守る世界連合(Global Coalition to Protect Education from Attack:GCPEA)」の調査によると、2013年~2017年の間に、世界29ヶ国で、学校や大学が軍事利用(兵舎、軍事拠点、基地として利用するための占拠、射撃の訓練場としての使用など)されたり、学校が破壊されたり、教師や生徒が殺害されたり拉致される被害が出ていることが報告されています。
引用
公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンHP「学校を軍事利用から守る「学校保護宣言」日本政府も調印を」(2018年4月23日)

 

校舎が破壊されて学校に通えなくなるだけではなく、攻撃・誘拐・性的暴力への恐怖やトラウマで学校に行けなくなってしまう子ども達も少なくありません。
子ども達が教育を受けられなくなってしまうことは、その地域・コミュニティ・国の発展や将来への悪影響、飢えや貧困などの悪循環にも繋がってしまいます。
「教育への攻撃」は、基本的人権や「子どもの権利条約」の「育つ権利」など、多くの人権を著しく(ひどく)侵害する卑劣な行為です。

 

2:学校保護宣言とは
引用
公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンHP「学校を軍事利用から守る「学校保護宣言」日本政府も調印を」(2018年4月23日)
ヒューマン・ライツ・ウォッチ(認定NPO法人ヒューマンライツ・ナウ)ニュースリリース
戦時下の学校を保護するために各国が動く」(2019年5月27日)

学校の軍事利用に反対を表明する垂れ幕(フィリピン・ミンダナオ島、2019年) (C)FTCJ

このような現状を受け、「教育を攻撃から守る世界連合(Global Coalition to Protect Education from Attack:GCPEA)」は、世界中の全ての人々が安心・安全な環境で学ぶことができる社会を目指し、2012年に、「武装紛争下で学校や大学を軍事目的使用から守るためのガイドライン」の策定に着手し(作り始め)ました。このガイドライン策定の動きは、2014年以降は、ノルウェーとアルゼンチン両政府が主導する形で引き継がれ、2015年「学校保護宣言」としてオスロ会合で発表されました。

 

「学校保護宣言」には、主に次のようなことが述べられています。

1. 軍事利用の目的で、開校中の学校を使用することの禁止
2. 民間人が退去後の学校の使用は最終手段の場合のみとすること
3. 武装紛争下における学校の意図的破壊の禁止
4. 敵が軍事目的で使用している学校への攻撃をする際、事前警告をするなど代替手段の検討義務
5. 戦闘部隊による学校警備の原則禁止
6. 「武装紛争下で学校や大学を軍事目的使用から守るためのガイドライン」の実施

 

この宣言は、生徒・教師・学校にとってより安全な環境を武力紛争下で確保するために、具体的な措置を講じることを国が政治的に誓約するものなので、本宣言及びガイドラインには法的拘束力がなく、法的義務/権利に影響しませんが、宣言に支持を示した国において、学校の軍事利用が大幅に減るなどポジティブな変化が起きています。

 

3:日本政府は「学校保護宣言」への支持を(2021年4月末時点で)まだ表明していない

    
(一例)

2021年2月現在、国連加盟国の半数以上(107カ国)が支持を表明しています。しかし、日本政府は「子どもの権利条約」を批准し、SDGsに取り組んでいる一方で「学校保護宣言」の支持は未だ表明していませんG7(7つの主要先進国、フランス、アメリカ、イギリス、ドイツ、日本、イタリア、カナダ)のうち「学校保護宣言」の支持を表明していないのは日本とアメリカだけです。
引用
GCPEA公式サイト「学校保護宣言」支持国一覧(英語)

参考
外務省HP「万人のための質の高い教育 日本の取組」(2020年8月11日)及び「開発協力大綱」(2015年11月2日)

 

こうした背景を受け、

■SDGsに取り組み、国際社会でリーダーシップを発揮し続けていくためにも、日本政府は「学校保護宣言」を支持すべきだと思いますか?

という質問を主要政党へききました。

 

果たして、各政党はどのように答えたのでしょうか?
https://www.jnne.org/sdg2021/vote6.html の回答を読んで、自分が最も賛同する政党はどこか、その理由や他に考えた・思ったことや伝えたいことなどを記入してみましょう!


以上の6問の回答から総合的に判断・投票する

それぞれの質問の回答を読み、自分が最も賛同する政党はどこか、その理由や他に考えた・思ったことや伝えたいことなどを記入してみましょう!
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「SDG4教育キャンペーン」のキャンペーンそのものに関するお問い合わせは
キャンペーン事務局:gce.japan.campaign@gmail.com(開発教育協会(DEAR))へお願いいたします。(@を半角に変更してください)