立命館守山中学校と山梨県立図書館で元少年兵活動家ミシェルの講演会を実施

2024年10月25日に、滋賀県にある立命館守山中学校と、山梨県立図書館にて、フリー・ザ・チルドレンのコンゴ支援事業の現地責任者であり、元子ども兵士の活動家ミシェル・チクワニネさんの講演会を実施しました。

 

▼立命館守山中学校での講演会

立命館守山中学校では、中学2年生163人を対象に講演をしました。また、後援の様子はオンラインでも配信し、大学生やおとなの方々にもご覧いただきました。司会や通訳はすべて中学2年生の生徒さんが担当しました。

講演会では、まず、ミシェルの子ども兵士としての体験談が語られました。5歳の時、いつものように公園で親友ケビンと一緒に遊んでいると、武装勢力がやってきて誘拐され、無理矢理に銃を手渡され、親友ケビンを殺すように命じられたこと。その際、腕を切られ、切られた部分からドラックを塗られたために、意識はもうろうとした状態であったが、強制的に親友を殺させられるという体験を通じて、兵士らの命令に背けなくされたこと。その後子ども兵士にさせられたが、命令されたミッションの途中で何とか抜け出し、ジャングルの中を三日三晩走り抜け、到着した先の村で家族と再会することができたこと。家族と再会できたものの、父親が毒殺されるなど家族が危険な目にあうなどしたため、難民キャンプに逃げ、難民申請をして、何年もかかってようやく難民としてカナダ国籍を得て移住したことなど壮絶な体験が共有されました。

 

そして、コンゴ民主共和国で起きている紛争は、「コルタン」という電化製品の製造には不可欠なレアメタルの採掘の利権争いによって引き起こされていることが話されました。つまり、コンゴの子ども兵士や紛争は、日本にいる私たちと関係しているとも言える問題であることが語られました。

“ I’m saying all of this to tell you that each and every one of you has the ability to create something very positive in the world, but the very first thing you have to do is to overcome your fear of being judged by others fear of creating something for yourself and fear that other people will think very negatively of you the second thing you have to do is you have to create a community around you that means people that believe in you and your goal so the people that believed in me was this woman in high school a teacher in high school her name is Nicole, Miss Nicole and she encouraged me to public to tell stories because of her I ended up going to University. ”

「私がこうして話す理由は、皆さん一人一人が世界に何かとてもポジティブなものを生み出す力を持っているということを伝えるためです。そのためにまず最初にやらなければならないことは、他人に判断されることへの恐怖、自分自身で何かを創造することへの恐怖、そして他人があなたについてとてもネガティブに考えるのではないかという恐怖を克服することです。次にやらなければならないことは、自分の周りにコミュニティを作ることです。つまり、あなたとあなたの目標を信じてくれる人たちです。私を信じてくれたのは、高校時代の教師でニコール先生でした。ニコール先生は私に人前で話すことをすすめ、先生のおかげで私は大学に進学することができました。この事実をぜひ日本のみなさんに知ってもらいたいし、今日、こうして直接みなさんに向けてお話しできたことはとても嬉しいです。」とミシェルは語りました。

 

また、通訳をした3人の生徒さんと、司会や挨拶など運営を担当した生徒さんの意欲的で素晴らしい姿勢に感謝を伝えました。今回の立命館守山中学校でミシェルの講演ができるよう動いてくださった川辺純子先生をはじめ、ご協力くださったすべての学校関係者の皆さま、ありがとうございました。

 

(2024年12月5日11:08追記)
この講演の様子が学校側のHP中日新聞(電子版は有料記事のため冒頭のみ)に掲載され、びわ湖放送で報道されました。

 

 

▼山梨県立図書館での講演会

山梨県立図書館では、一般の方向けに対面とオンラインとのハイブリッドでの講演会が行われ、運営の方々を含め80人以上の参加がありました。企画・主催したのは、山梨のミシェル講演会実行委員会の皆さまです。実行委員会は、フリースクール山綾の中高生のみなさんや、フリー・ザ・チルドレン・ジャパン山梨支部 、山梨県内の国際協力、子どもの権利に関心のある学生や社会人のみなさんによって構成されました。

 

当日のプログラムは、まず、塩山市民病院の多和田眞人院長から、虐待を受けた子どもにみられる特徴とその回復に向けて何が必要かについてのお話がありました。

子どものころに過酷な体験を通じて精神的外傷であるトラウマを受けると、その体験を思い出し語ることは大変な負担があるので、自らの体験を語ることの勇気と決断に心から敬意を表したいと多田院長からのお言葉がミシェルに送られました。

 

 

 

その後、ミシェルから自らの過酷な体験が語られました。「体験を語ることは、実は非常に辛いことではありますが、皆さんがこうして自分のために集まり、熱心に話を聞いてくださることに勇気づけられています。また、何よりも自分と同じような体験をする子どもをなくしたいし、コンゴが紛争だけの国とみられたくなく、いかに美しい自然と人々がいるかを伝えたいというのが、私の使命です。そしてそのコンゴの人々の自立と発展のために今年フリー・ザ・チルドレン・ジャパンとともに始めた【コンゴ民主共和国支援事業】をぜひ軌道に乗せたいので、ご寄付などいただけると大変ありがたいです。」と結びました。

 

山梨での講演会を実施するために、動いてくださったFTCJ正会員の杉山進さんをはじめ実行委員会の皆さま、当日素晴らしい司会をしてくださった高校生、大変貴重で学びの多い児童虐待の問題をお話しくださった多田院長、協賛や後援くださった皆さま、本当にありがとうございました。また、夜の時間にもかかわらず集まってくださった参加者の皆さまにも心からお礼申し上げます。

 

フリー・ザ・チルドレン・ジャパンでは、いまだに紛争が続くコンゴ民主共和国の子どもたちが貧困から抜け出し、自立できるように、人々への生計維持支援事業をまずは行っていくことになりました。そのために寄付を集めています。どうぞご協力をよろしくお願いいたします。

詳しくはこちらをご覧ください。

 

【ミシェル・チクワニネ 山梨県立図書館講演会】

企画運営:コンゴの元子ども兵士ミシェル講演会実行委員会
フリースクール山綾
フリー・ザ・チルドレン・ジャパン山梨支部
山梨県内の国際協力、子どもの権利に関心のある学生・社会人

後援:NPO法人フリー・ザ・チルドレン・ジャパン
チャイルドファーストやまなし
山梨県教育員会
(株)テレビ山梨
山梨日日新聞・山梨放送

協賛:市川メディカルクリニック
株式会社クスリのサンロード
株式会社クリーニング志村
株式会社日医工山梨
源泉掛け流しの湯 湯殿館
生活協同組合パルシステム山梨長野
ジット株式会社
国際ソロプチミスト甲府
チャイルドファーストやまなし
日本連合警備格式会社
矢崎家具