【今日は何の日?】6月23日:国際寡婦の日 / International Widow’s Day

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<用語補足:寡婦/夫(かふ)とは>

一般的には「結婚したパートナーと死別(事故・災害などで生死・行方不明になった場合も含む)・離婚してから再婚していない方」を指します。
そのため、「夫婦のどちらかが先に亡くなって一人暮らしになった高齢者」も当てはまります。こうしたケースは高齢者の孤独死や買い物、情報弱者といった社会問題とも関係してきます。

(補足1)
「シングルマザー/ファザー・ひとり親」とは「結婚しているか否か」「生計をともにする子どもがいるか否か」などの細かい点が異なります。また、所得税控除などの法律上の違いはさらに複雑なため、国税庁や自治体・税理士事務所などの専門機関による解説をご覧ください。なお、閲覧の際は投稿日時に(記載されている情報が法改正前の古いものになっていないか)ご注意ください。

(補足2)
日本語では寡婦/夫を「やもめ」「後家(ごけ)」「未亡人(みぼうじん)」と呼んだり訳したりすることがありますが、「未亡人」はその語源から現在では「ジェンダー差別用語」とされており、メディアでは使用・放送禁止になっています。また、当HPでは法律・公共機関などに倣って「寡婦/夫」と表記しており、差別的な意図はございません。

 

<どのような日か>

この日は、多くの国々で夫に先立たれた/夫と別れた寡婦が、その地域・国の差別的な慣習・考え方・宗教などによって、あらゆる形態の人権侵害や暴力(経済的・身体的・性的なものなど)を受けたり、極めて不平等な状態に置かれたりしている実態を知り、改善・解決に向けて考え、アクションを起こすことを目的に、2010年12月21日の国連総会で制定[1]されました。

 

詳細な解説と制定経緯は国連広報センターの動画「インド: 忘れ去られた女性たち(6月23日は国際寡婦デー)」(4:45、英語音声+日本語字幕、2012年)をご覧ください。

<開発途上国の寡婦に関する社会問題>

国連の公式サイト「International Widows’ Day 23 June」では、世界には2億5800万人の寡婦がいて、そのうち10人に1人が極度の貧困状態にあり、新型コロナウイルスのパンデミックで寡婦がさらに数万人増える可能性があると推測・懸念しており、開発途上国の寡婦が置かれている状態を「貧困・暴力・健康・紛争」の4つの観点で解説しています。このページの「Problems for widows in developing countries」の節の概要を補足しつつ日本語に直すと以下のようになります。[2]

  • 育児・教育を含めた経済資源へのアクセス、人権が保障されていない。
  • 地域・国・宗教のジェンダー差別的な慣習、法律などによって、夫の遺産や土地を相続する(全てまたは一部引き継ぐ)権利が制限されているか全く無い。
    (亡くなった夫の遺産や土地は、妻ではなく、長男や夫の親族などの別の人物に相続権があるという考え方や法律によって、寡婦は夫が亡くなると、家や田畑も相続できず、子どもとともに無一文で家を追い出される、というケースが後を絶たない)
  • 亡くなった夫が生前借金をしていた場合、寡婦がその借金を肩代わりさせられる可能性もある。
  • 亡くなった夫の親族に経済的に頼りざるを得なくなっている。
  • しかし、インドなどの国々では、ジェンダー差別的な考え方や慣習によって、寡婦が夫の親族から支援を受けるどころか迫害や性暴力を受けたり、路上に追い出されたりして、物乞いや性産業、児童労働への従事といった厳しい状況に未だ置かれている。
  • アフリカ、アジア全域で、寡婦は土地や財産の相続などを巡り、性的虐待を含む、身体的・精神的暴力を受けている。
  • 多くの国で「夫の葬儀で、寡婦は夫の遺体を洗った水を飲まなければならない」「葬儀の儀式として、寡婦は清め、みそぎなどの霊的効果、厄払いなどの目的で夫の親戚との性的関係を持たされたり、髪を剃ったり、体に傷をつけたりする」など、寡婦にとって極めて有害であり、著しい人権侵害になる葬儀風習が残っている。
    (「夫の葬儀で、寡婦は夫の遺体を洗った水を飲まなければならない」「葬儀の儀式として、寡婦は清め、みそぎなどの霊的効果、厄払いなどの目的で夫の親戚との性的関係を持たされたり、髪を剃ったり、体に傷をつけたりする」など、寡婦にとって極めて有害であり、著しい人権侵害になる葬儀風習が残っている。)
  • 先述したように、無一文で家を追い出されたり、亡くなった夫の財産や土地を相続する権利や公的な経済支援を受ける権利が保障されていなかったりするなどの理由で、生きて行くために必要な栄養素や安心して暮らせる場所/シェルター、医療へのアクセスが不十分であり、(あらゆる形態の)暴力を受けやすい状況にある。
  • こうした厳しい状況に置かれている寡婦への支援や人権保障が見過ごされてきた歴史から、寡婦のリプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)も見過ごされている。
    補足:「リプロダクティブ・ヘルス」に関する詳細解説は、公益財団法人ジョイセフのHPをご覧ください。
  • 先述した、「葬儀で清め、みそぎとして亡くなった夫の親族と性的関係を持つ」「家を追い出された寡婦が生計を立てるために性産業へ従事してしまう」ことはHIV感染拡大の一因になっている。
  • 武力紛争の影響で多くの女性が寡婦になっている。例えば、コンゴ東部の一部地域では約半数の女性が寡婦になっていると報告されており、イラクでは約300万人、アフガニスタンのカブールでは7万人以上の寡婦がいると推測されている。
  • 寡婦は紛争状況下の自国、難民キャンプ、避難・亡命先の国などで、自らと子どもたちの生活やケアにとても苦労している。
  • 多くの寡婦が夫が拷問されたり殺害されたりするなどの非人道的で残酷な扱いを目の当たりにしている。寡婦自身も、HIV感染による性的暴力(後述)や、虐待、差別を受けており、心身に深刻なトラウマを抱えている。
    (「HIVに感染しても特定の女性と性行為をすればHIVを浄化できる」といった考え方や風習が未だ残っている地域・コミュニティがあるため)

世帯・家族の形にかかわらず、誰もが平等に生きていける世界にするにはどうすべきか一緒に考えませんか?
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<引用>
[1]国連デジタルライブラリ A/えRES/65/189(英語版pdf, P.2)
[2]国連公式HP「International Widows’ Day 23 June」(英語)

 

<参考コンテンツ>

ブレスレッドで輝く未来

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