【報告】ひとり親・貧困家庭への食料支援(大阪府門真市)

当団体の国内支援用途としていただいた寄付金を用いて実施した食料支援事業についてご報告致します。

 

  


●事業背景:コロナ禍によるひとり親・多子・経済的な困難を抱える世帯の状況悪化

コロナ感染拡大により、誰もが深刻な影響を受けていますが、ひとり親世帯や、多子(子だくさんの)世帯、経済的な困難を抱える世帯は特に大きな影響を受けました。

例えば、
・休業、時短などによって仕事=収入が減った
・非正規雇用や自宅のテレワーク対応が難しいことなどを理由に仕事を解雇された(辞めさせられた)=収入がなくなった
・長引くコロナ禍への不安・生活困窮への不安が重なったことで心身の病気にかかり仕事ができなくなった
・一斉休校や教育のオンライン化により子どもの在宅時間が増え、光熱費や食費、育児や家事の負担が大きくなった
・子育て(子どもの送り迎えなど)と両立できる時間帯で働ける求人が少なく、新しく仕事を探すことも難しくなった
・国や自治体による支援策も、兄弟姉妹の年齢差や仕事の内定取り消しなど、細かい条件に引っかかって支援対象から外れてしまう、子どもが増えるほど不利、不公平な仕組みになっているものもあるなど、仕事や収入を得ることがコロナ禍以前よりも困難な状況に置かれており、「生活費を切り詰め、貯金を切り崩しているがいつまで持つか分からない、もう限界」という悲鳴が全国から上がっています

 

「生活費を切り詰める」ために、
・水道代節約のため、お手洗いを流すのは複数回に一度にする
・電気代節約のため、冷房を極力使わない、テレビをつけない
・通信費節約のため、インターネットは外の無料Wi-Fiスポットを使う
・子どもが食べ盛りなのは分かっていても回数と量を減らす、パンの耳だけ、水だけ、もやしだけ、麺類だけ、缶詰だけなど、食事の質を下げる
・おむつ替えの頻度を下げる
・洗剤の代わりに塩を使う
・衣類は知人のお下がりを貰う
・教材費も必要最低限のものだけに絞る(子ども自身が受験校を減らす、共通テスト(旧:センター試験)を諦める、進学そのものを諦めたり学校を中退したりして就職にシフトしたといった「進路変更」を余儀なくされたケースも)など、多くのリスクや不便を承知の上、生存権に関わるほどの極限状態まで切り詰めていても既に限界を迎えているのが実情です。

実際に、食事の質を下げたことで「ひとり親世帯の小学生の体重が減っている傾向が見られる」という調査結果も出ています。

 

もちろん、公的機関や全国のNPO・NGOも子ども食堂やフードパントリーなどの食料支援や支援・助成金給付などの支援の取り組みを行っていますが、
・インターネット回線、携帯電話を解約したので支援関連情報を得る手段が限られ、支援の制度や取り組みの存在を知らなかった、申込方法が分からなかった
・育児、家事、仕事で忙しく、食料の配布場所や支援を受けるための相談に行ったり、支援の申請に必要な書類を記入する暇がない、時間が合わない
・支援活動の会場や公的機関が家から遠く、子どもを長時間留守番にさせることもできず、車や公共交通機関を使うことも厳しいため、存在は認識していても支援を受けることが難しい
・近所から「経済的に困窮している」と見られたくない(貧しいことを理由に子どもがいじめを受けたり、世帯が地域から疎外(仲間はずれに)されたりするしないか心配、不安)
などの様々な事情や理由で、経済的な困難を抱える多くの世帯が支援を受けたくても受けられない状況にあることが分かっています。

 

【引用・参考】
NHKニュース おはよう日本「コロナ禍で深刻化する”ひとり親家庭”」(2020年11月11日)
note「コロナで困窮する子どもたちを救おう!/渡辺由美子(NPO法人キッズドア理事長)」(2021年1月24日)
認定NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ「だいじょうぶだよ! プロジェクト」アンケート調査結果
ひとり親家庭への新型コロナウィルス(COVID-19)の影響 9月食料支援アンケート分析」(2020年10月20日)
「シングルマザー調査プロジェクト 【課題別レポート】コロナ禍におけるひとり親世帯の子どもの状況」(2021年4月25日、pdf版6ページ)
ひとり親家庭への新型コロナウィルス(COVID-19)の影響 9月食料支援アンケート分析」(2020年10月20日)

 

●実施(事業)内容

こうした深刻な状況を受け、2020年12月~2021年1月にかけて、大阪府門真(かどま)市でひとり親・経済的な困難を抱えている世帯に対し、食料・物資支援に協力しました。
支援した食料は、飲料、インスタント食品、お菓子、米のほか、低年齢の子どもでも自分で用意して食べられるよう、加工品を中心に日持ちする食品を選びました。
支援物資は、現地でひとり親・経済的な困難を抱えている世帯を支援している「おかず食堂子ども会」「NPO法人ハッピーマム」の2団体を通じ、支援を必要としている世帯(受益者のもと)へ届けました。

  

協力:かどま子ども食堂・子どもの居場所ネットワーク
配布協力:おかず食堂子ども会、NPO法人ハッピーマム


国内子ども支援のためにご寄付いただきました皆様に心より御礼申し上げます。当団体では、これからも国内の子どもたちへの経済・食料支援などを継続して行う予定です。引き続き、皆さんのご協力・ご支援をお願いいたします。

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