ケニア 女子中等学校支援のご報告 ~キサルニ学校卒業式2024~
フリー・ザ・チルドレンでは、現地パートナー「WE Charity Foundation」を通じて、ケニアのマサイ・マラ地区の貧困地域の先住民族の教育支援を行なっています。この支援地域では、女の子は結婚して夫や子どもを支えるのだから、教育は必要ないと考えるおとなたちがいます。しかし、性別にかかわらず、教育を受けることは子どもの大切な権利です。教育を受けなければ、貧困から抜け出したり、自立したりすることが難しくなります。
そこで、現地パートナーの「WE Charity Foudation」では、経済的な課題がある家庭の女の子や男の子が質の良い中等教育(中学校と高校)を無料で受けられるよう、奨学金制度をつくって教育支援を行っています。
今年度、フリー・ザ・チルドレン・ジャパンでは、ケニアの教育支援のために集まったご寄付や、昨年11月に開催された「東京グレートサンタラン」を通じたご寄付によって、ケニア・マサイマラ地区の先住民族の女の子が質の良い中等教育を「キサルニ中等学校」で寮生活をしながら授業を受けられるよう奨学金提供支援を行いました。
2024年10月22日、支援するキサルニ中等学校(9学年~12学年)にて女子と男子生徒合同の第10期学年末終了・卒業セレモニーが開催されました。このセレモニーの様子は、オンラインで配信されました。その様子が届きましたので、ご報告します。
まず、WE Charity Foundationのケニア支援事業責任者のロビンさんから今年のケニアの教育、医療、収入向上支援についての成果とお礼のご挨拶がありました。
「第10期のキサルニ中等学校の卒業式を迎えられたことは、本当に誇らしいことです。奨学金へのご寄付をくださった皆さま、本当にありがとうございました。教育支援と並行し、この地域の人々の自立や健康支援を行うができました。事業実施に、多くのコミュニティの方々の協力がありました。2011年1月20日にキサルニ中等学校を開校するため初めてドアを開いた時のことを今でも覚えています。あれから10期の学生600人の卒業生を輩出できました。優秀な学生との出会いが誇りです。」と挨拶しました。
次に、キサルニ中等学校のキャロル校長から、メッセージがありました。「ケニアの若者の可能性を信じ、奨学金へのご寄付をくださっている皆さま、「Asante sana(スワヒリ語でありがとうございます)」と言いました。そして、「セレモニーを始める前には私たちは歌が大好きなので、まず歌でお祝いします。では、生徒が歌を歌いますのでお聞きください。」と続けました。
女子生徒が出てきて、歌をリードして、手をたたいて音頭をとりながら、出席している全員で歌の大合唱がはじまりました。リズミカルでアップテンポで素敵な歌です。
次に、キサルニ中等学校の女子生徒と男子生徒が代表してスピーチをしました。「私はキサルニ中等学校に入学して
生徒として学ぶことができたこの経験は、今までの人生で最高の出来事でした。」と女子生徒は語りました。
「なぜならキサルニでは、自分を表現する多くの機会があったからです。例えば、キサルニ校の理念の一つは、リーダーシップを育むというものですが、私は生徒会長として学んだことを活かせました。」と語りました。また、男子生徒は「1年生のとき、2年生が私のメンター(よき指導者)として様々なことを教えてくれて、お互い励ましあい、良い関係を構築でき良い経験でした。」と話しました。
このように、キサルニ中等学校の女子部と男子部の学生は、お互い称えあい、卒業を祝いあいました。彼らはこれからWE Charity Foundationが現地で開校した大学Legacy Collegeに入学し、さらなる専門知識を磨き自分たちのコミュニティの発展へと貢献したいとのことでした。
ケニアの先住民族の子どもが質の良い教育を受けられるよう、ご寄付くださった皆さま、本当にありがとうございました。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。