ハイチの支援情報 3-3

こんにちは、浅田です。
前回のハイチ支援の続きです。 3-3では実際の支援についてご紹介します。
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(訳者:翻訳チーム 小野隼平)

コミュニティ・ケース・スタディ — ドス・パレ

 

ドス・パレは、将来のハイチの学校のモデルとなり得る誇るべき場所です。住民の人々の不断の努力と決断力によって、このコミュニティは持続可能な発展が期待出来るようになりました。初めてドス・パレの人々に会った時、フリー・ザ・チルドレンのメンバーは、教育の質を改善する事が、貧困を和らげ、また長期的な復興をサポートするために注力すべき点であると認識したのです。

と言うのも、古い学校はボロボロで、雨漏りが発生しており、沢山の児童が詰め込まれた教室は「学校教育」という目的を達成するのに全くもって不十分でした。水道設備が壊れてしまった場合、児童達はずっと喉が渇いたままで、手を洗う事もできません。教師達は教材が不十分な事に不満を言い、子ども達には学用品が行き渡りません。学校の校庭は泥が溜まっており、遊具等はありませんでした。

 

フリー・ザ・チルドレンと自治体の活動を通じて、ドス・パレ小学校は児童達の希望を満たす様な施設に生まれ変わりました。安全と学習環境を重視したものです。土地こそ寄付されたものですが、学校は地元のコミュニティ団体との提携によって運営されています。

子どもたちの親は、学校を建設する際に労働者として雇われており、この活動は同地域の経済に大きく貢献しました。学校の校舎は地震前よりも質の高い耐久力のある素材で建設されました。山の多いハイチでは一般的に森林等の破壊を伴いますが、このドス・パレでは1本の木も切る事無く、自然な勾配を利用して学校建設が行われました。

それぞれの校舎は二つの大きな、風通しの良い、明るい教室を備えており、机、いす、黒板、本棚、キャビネットが配備されています。子ども達に校舎の色は何色が良いか聞いたところ、各学年でそれぞれ違う色の答えが返ってきたため、学校の壁は虹の様に様々な色で飾られています。

「私達の学校は一番綺麗で、とても快適に授業を受ける事ができます。」サマンサは登校初日に歓喜の声を上げました。学校は児童達が民主的な方法で学習が進められる様に整備されており、教師達もフリー・ザ・チルドレンの支援の下で新たな教育手法のトレーニングを受ける事ができます。

教師達が適切な給与を受け取れる様に補助金制度も導入されました。またフリー・ザ・チルドレンは児童一人一人に学習用品、教科書等を提供しました。教育環境が改善された結果、児童の能力は2010年に新たな学校が作られてから40%も向上しました。

 

地震発生から6か月も経たないうちに、フリー・ザ・チルドレンはドス・パレの新たに学校建設のため、建設用地の土地を掘り起こしました。この新たな学校はとても良く整備されています。掃除がとても簡単な清潔なトイレが備え付けられています。新たな井戸とハンドポンプがあります。子どもの成長に十分な数の教室もあります。毎日食事が提供される調理場もあります。そして、両親と児童達によって造られた美しい学校庭園があります。

 

トイレの数は、「児童40人当たりトイレ1つ」という国連の基準を上回っています。新しい井戸とハンドポンプによって、飲み水、料理、手洗いに使える清潔な水をすぐに使えます。児童達は定期的に手洗いや衛生についてのトレーニングを受ける事ができます。また健康習慣のアドバイスや健康用品の提供のために、フリー・ザ・チルドレンは現地病院のサポートも行っています。

その他、フリー・ザ・チルドレンはハイチに数百万ドル分もの医療物資を送っています。またハイチのフリー・ザ・チルドレンは、ドス・パレがあるヒンチェ地域にて、健康に関する地域ラジオ放送のサポートも行っています。そして学校給食プログラムは健康で栄養のある食事を毎日提供しています。ドス・パレでの次の計画は新たな学校菜園で食物を育てると同時に、児童の両親向けにグループを創設し、生活の場を提供しつつ、地域の所得を向上させる事です。

 

学校に関連する人々の数は増加しています。また学校は普通の子ども達も、地震で家を失った子どもも平等に扱い、児童養護施設のフィーダースクールでもあるのです。ドス・パレの人々は非常に誇るべき人達であり、私達の宝物でもあります。3年生の父親であるエスドラ氏は私達にこう語りました。

「この学校は私達のコミュニティの光です。このコミュニティは一時は暗い闇に包まれましたが、今は子ども達と我々の将来にとっての光を見る事ができます。彼らは現在教育を受ける機会があり、コミュニティの歴史の中で一番綺麗な水が飲めます。井戸が掘られてから、これまで一度もコレラにかかった事はありません。」

 

2011年10月にマーテリー大統領が学校の落成式を行った時、彼は静かに学校を見渡し、「この国のモデルとなる様な学校をこんな地方で見つけるとは思わなかった」と述べました。

 

言うまでもなく、ドス・パレはプライドと喜びに満ち溢れ、多くの努力、労働力、そして愛が校舎に詰まっています。フリー・ザ・チルドレンでは、この学校とコミュニティと共に活動を続け、「村の自立を応援するプログラム」の最終ステージを見守ります。そして全ての活動が持続可能になる様に応援して行くつもりです。