ケニアに行ってきました!事業地域訪問だより①
こんにちは、中島早苗です。2018年2月~3月にかけて、ケニアを10年以上ぶりに訪問してきました。
ケニアはアフリカだし、赤道直下にあるし、ものすごく暑いんでしょう?とよく聞かれるんですが、首都のナイロビの年間平均気温は18度と過ごしやすい気温です。今回はケニアで一番暑い時期と言われる2月、3月に行ったわけですが、1日中暑いかというとそんなことはなく、私たちの事業地域は南西部にあり、標高が1600メートルと高いため昼間は25度以上になるけれど朝晩は10度前後にまで下がり、1日の気温の差が激しく、1日で2つの季節を感じられるほどです。
ケニアのナイロビ空港に着いた初日、日本の2月の寒さから比べたらめちゃくちゃ暑い31度。でも、湿度が低いせいかそれほど暑くは感じません。それでも現地のスタッフは、「ようこそ!」と私を歓迎してくれた直後から、「いやー、こんな暑いとかなわないよ!」暑い暑い暑いと嘆いていました。
そんなに暑い?日本の真夏よりもぜんぜんましだけど、と伝えると、「ここ数日、ケニアは異常気象で30度を超えてるんだよ。いくら2月でもこんなに気温が高くなるなんてことはなかったのに、やはり温暖化の影響だ!」と顔をしかめながら汗をしきりにぬぐっていました。翌日の新聞の一面は、ケニア全土で30度前後を記録する異常事態という見出しだったので、ケニアで30度になることは珍しいことが分かりました。
ケニアは、さすが環境保護活動家でノーベル平和賞を受賞したワンガリ・マータイさんを生んだ国だけあって、環境保護対策に熱心な環境先進国。自然や多くの動植物と共存し、観光立国としての顔もあるため環境を守る重要性を人々が気づき感じているからかもしれません。
今回の訪問前に現地スタッフから、「ケニアにビニール袋を持ち込むと、最大4年間の禁錮刑か4万ドル(約410万円)の罰金が科されるから気を付けて!」と連絡があり、とても驚きました。ケニアでは2017年に環境保護対策として、ポリ袋(スーパーなどでもらう袋)の製造、販売、使用を禁止する世界一厳しい法律ができたとのこと。旅に便利なビニール袋を排除しての荷造りはなかなか大変でしたが、仕方ありません。ビニール袋をカバンから抜いて、ケニアへと向かいました。
さて、今回の訪問のミッションは、
①私たちが国際協力活動として行っているケニアのマサイ民族のコミュニティでの自立支援事業のモニタリングをする。
②これから本格的に実施するケニア・スタディツアーにむけて、実りあるツアーにするためプログラムの下見と現地スタッフと話し合う。
のふたつ。 ここでは、国際協力事業のご報告をします。
▼ナイロビから事業地のナロック群へ
私たちフリー・ザ・チルドレンは、現地のパートナー団体WEを通じてケニアのナロック群の主にマサイ民族が暮らすコミュニティに対して国際協力活動を行っていますが、事業地まではナイロビから200キロ程度離れているため飛行機で移動しました。今回は12人乗りの小型飛行機に乗りました。(写真はナイロビ飛行場と小型飛行機)
ナイロビ飛行場で職員の方から、「あなたの目的地は4つ目です」と告げられ一瞬戸惑いましたが、この飛行機場コミュニティバスみたいに循環していていくつかの発着ポイントがあり、乗客に応じて離着陸をします。予定では、ナイロビから目的地まで45分となっていましたが、ナイロビを離陸する直前に激しい雷雨が降り、しばらく待機。私の目的地まで1時間半かかりました。
▼質の良い基礎教育をケニアの子どもたちに「WE 教育事業」視察
目的地に到着し、飛行機から降り立つと、「ジャンボ!(スワヒリ語でこんにちは)」と、現地のスタッフが出迎えてくれました。ナイロビよりも涼しく気温は22、3℃。まずは事業地のコミュニティのひとつ、ライラ小学校を訪問するため車で移動。
途中スタッフが「あ、右にキリンがいるよ!」と叫び指をさす先には、
優雅に葉を食べるキリンが!美しい。
なんでもキリンは4種類いて、ここにいるのはマサイキリン。スタッフによるとアフリカのキリンの個体数は減少傾向にあり、最近、絶滅危惧種に指定されたということでした。そのためにキリンの保護活動をしている財団などがケニアやタンザニアなどにいくつかあるということです。
さて、ようやくWEが活動する事業地の1つに到着し、ライラ公立小学校へ。ここの小学校には約600人の生徒が通っています。
ケニアの教育制度は、初等教育8年(6-13歳)、中等教育4年(14-17歳)、高等教育4年(18歳ー)となっていますが、近いうちに改定予定です。また、ケニアでは2003 年に、初等教育の無償化政策と義務教育化が実施され、多くの子どもたちが無料で小学校に行けるようになり学校に殺到し、教室に入れないぐらいになり、学校教育の環境の悪化が問題になりました。私たちフリー・ザ・チルドレンもケニアの小学校の教育環境を整えるために、学校建設を行うなどしました。現在はだいぶ教室の数は整ってきましたが、いまだに教員不足や、教材不足、教育費不足や使い込みなどの資金不透明などが課題となっています。
今回訪問したライラ小学校には、かつては自治体が建てた1つの教室のみがありました。とても狭くて暗く埃っぽく良い環境とはいえません。
そこで、WEでは学年ごとに教室を建設し先生を派遣できるよう自治体と村(コミュニティ)と協働し、小学校で学ぶ子どもたちの教育環境を整えています。今はとても明るくきれいな教室となりました。今でも敷地内に、かつての古い教室が残されていて昔の教室の様子を知ることができます。
古い教室↓
新しい教室↓
小学校には、教室だけでなく、教材や備品、トイレなども整えられ、子どもたちが快適に学ぶことができるよう、学校環境の向上にむけて、WEは活動しています。