【フィリピンスタディツアー2025春】報告Vol.2 ーDay4, Day5の様子

2025年3月27日〜4月2日に開催した「フィリピンスタディツアー2025春」の報告ブログを、連載しています。
参加者の生の声も掲載しています。素敵な学びや気づきをたくさん報告してくれています。
支援先であるフィリピンの様子が気になる方も、スタディツアーへの参加を検討している方も、ぜひお楽しみに!


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報告「フィリピンスタディツアー2025春」
Day4 (2025年3月30日)

4日目は、プレダ基金が運営する女の子の施設を訪問し、1日中子ども達と交流しました。
この施設は、性的搾取から救出された女の子たちのためのホームです。
日曜日ということで、毎週恒例のミサにも参加させていただきました。週に1度、男の子の施設と女の子の施設が合同で行います。


ミサの後は、女の子・男の子たちからはパワフルなダンスの披露がありました。
日本チームからも、みんなで練習していた歌と踊りを披露!ルービックキューブを短時間で完成させるパフォーマンスも!
お昼ご飯も一緒に食べて、そのあともたくさんゲームをしたりおしゃべりをして楽しみました!

 



お昼ご飯の後に、1人の女の子が、幼いころから家族から暴力や性的虐待を受けてきた、辛い経験をみんなの前で共有してくれました。
幼いころから父親から性的虐待を受けていたこと。誰にも言うなと脅されていたが、妹も同じ目に合っていたこと。学校の先生が気づいて、プレダにつなげてくれたことなど、とてもつらい経験を勇気をもってみんなの前で話してくれました。
プレダ基金では、加害者に対する裁判など、法的な支援も積極的に行なっています。
子どもがいたり、妊娠中の女の子もいますが、施設のみんなで見守り、育てています。

 

 

参加者それぞれが、ひとりひとりの女の子たちと交流し深い関わりの中で、いろいろな話を聴き、たくさんのことを感じ取っていました。
参加者にとっても、被害の状況を詳しく聞くことは苦しい面もあったと思います。けれど、そんなつらい思いをしながらも、元気に遊ぶ女の子たちの笑顔に、いろいろと考えさせられた様子でした。

プレダの宿泊施設に戻って、マニラへ戻ります。大好きなプレダを離れることに、みなさん寂しい様子でした。
途中で、フィリピンの有名なファーストフード店「ジョリビー」でご飯を食べたりしながら、夜マニラのホテルへ到着しました。
車の中でもおしゃべりと笑いが絶えない、仲良しなメンバーたちです!
ホテルについたら、プレダでお世話になったドライバーのみなさんと写真を撮ってお別れしました。

 


Day5 (2025年3月31日)

マニラ1日目。
朝は、マニラの中高生と一緒にワークショップ。FTCJが大切しているワクワクするアクションの起こし方「Gift+Issue=Change」の考え方を知り、実際にワークを行いました。
自分の好きなことや得意なことと、興味のある社会問題を組み合わせ、アクションを考えます。
特に興味のある社会問題は、国を超えて様々で、参加者も驚き、影響を受けていた様子でした。

 

 

午後は、マニラのナボタスにあるスラム地域を訪問しました。
スラム地域に着いて、まずは全員で、地域内をツアーして回りました。
その後、ペアで分かれて、ホームビジット!各家庭で家族について、仕事について、普段の生活について…たくさんのことを質問させてもらいました。
そのほかにもたくさんおしゃべりをしたり、持ってきたお土産で遊んだり、写真を撮ったり、近くの子どもたちも集まってきて遊んだり。それぞれ思い思いの時間を過ごしていました。
アエタの村とはまた違った光景に、様々なことを感じていました。

 

 

参加者からの報告

とても深い学びを得られる7日間でした。特にボーイズやガールズの施設では私より全然小さい子が保護されていました。14歳の母親もいました。自分が女の子ということもあり、すぐに想像してゾッとしました。性被害によってできた子どもでも中絶ができないフィリピンでは、そこで母親になることが求められます。14歳のお母さんは母親の顔をしていました。このツアーを通して自分の世界の狭さを身にしみて感じました。
わこ/高校生
印象に残っているのはプレダガールズの施設で仲良くなった女の子です。彼女は父親に性暴力の被害を受けたと言う過去がありながらもフリータイムやランチタイムではいつも笑顔で私と楽しそうに話してくれました。しかし、自分の体験談を私たちに共有してくれるときには真剣で少し辛そうな表情にも見えました。言葉に詰まる時もあり、今までの笑顔の彼女を思い浮かべるとそうとうなギャップがありました。話を聞き終わってからこのような話をするのはやっぱり辛いの?と本人に聞いてみると時々思い出して辛くなったら悲しくなったらするけれど私が体験談を共有することで多くの人に知ってもらい、助かる女の子がいるからそのために私は活動してるよ。とこれは笑顔で話してくれ、この言葉や様子に彼女たちの優しさと勇敢さを改めて感じさせられた1日でした。これが1番印象に残っていることです。

ツアーで学んだことはフィリピンの人、被害を受けたひとたちの今の強さと優しさです。また帰ってきてからは以前に比べて1日一日中を大切にすることができました。他、最近できていなかった社会活動にももう一度興味を示し、以前よりもやりたいと言う意欲に包まれることにもなりました。
きだはるか/中学生

出発前、今回のツアーでスラムの現状をこの目で見ることを待ち遠しく思っていた反面、人の居住地に入り込むとも捉えかねないその行為に対して、どこか複雑な気持ちを抱いていました。しかし、実際にスラムに赴いてみると、今まで胸に覆われていた暗い霧が晴れました。スラムは一つの町のようで、人々の暮らしが私たちと同じように営まれていました。乱雑に入りくんだ建物の間を子どもたちが駆け回り、色鮮やかな青果が売られている売店では、人々が集まって談笑している。道行く私たちを、スラムの人たちは笑顔で歓迎し、そして受け入れてくれました。
「どうして私たちを受け入れてくれたの?」と訪問先のお母さんに尋ねると「特に理由なんてないよ。私たちはあなたたちをwelcomeしてるの」と返されました。スラム、という言葉一つとって私は、その背景にあらゆる過酷な生活と、逼迫された肉体的、精神的状況があるという虚像を作り出し、ひとりでに気の毒だと感じていました。一方現状は、人々は自分たちの幸せを追い求めながら、ただ「スラム」という場所で生きているのでした。そこでは私たちが直面しないような不自由さが存在しますが、人々は逞しく、前向きに、よりよい生活環境を目指して立ち向かっています。スラムでは、強い相互扶助ネットワークが築かれているのも印象的でした。
スラムをはじめとして、あらゆる交流を通じ、1番強く感じたのは、誰もがそれぞれの生活を営んでいるということです。家電製品がない家に住んでいたり、同世代の子に子どもがいたり、スラムに住んでいたり…私たちにとって「当たり前」でないことが、向こうからしたら「当たり前」であったりして、そうした環境下で、みな同じように「日常」という名の日々を生きている。誰もが異なる世界へのまなざしを持っていて、一人ひとりの異なるまなざしに寄り添った支援の枠組みが、これからの社会には大切になってくるのだと実感しました。私は、どのようなまなざしを見据えて、この社会と向き合っていくのか。まだまだ模索していきたいです。
じよん/高校生

 

本当に行ってよかったと心の底から感じています。
旅行や普段生きていたら絶対に出来ないような体験を沢山することができたと共に、自分が人生を生きていく上で力になる、暖かい気持ちを現地のみなさまから沢山いただくことが出来ました。
全てが大切な思い出なのですが、特に印象に残っているのはプレダ基金の女の子の施設を訪問したことです。もともと性虐待に関心があり勉強をしていたのですが、いざ当人から話を聞くと沢山の感情が伝わり泣いてしまいました。その時、女の子達も辛い経験を沢山してきているのにずっと自分のことを心配してくれており、なんて暖かくて優しくて強い子たちなんだと強く感じると共に、人に愛を持って接する心を身をもって学ばせていただきました。
時間に追われ周りが見えなくなってしまっていた中で今回のツアーに参加し、人の暖かさに触れた経験をもとに、日本に帰ってきてから人への接し方を意識し生活しているうちに自分の心もどんどん晴れやかになっていると感じています。
貴重で大切な経験ができ、最高のツアーでした。
RUKA/大学生
ツアーを終えて、今までは社会問題や環境問題などは知っているけれども実際にはどのくらい起きているのかがわからかったけれども、このツアーに参加して社会問題や環境問題の多さや、スラムなどの問題点が自分の中で明確になりました、だから自分たちが直していかないといけないことの実感ができて、自分の中で思いました。
印象に残っていることはスラム街です。
スラム街は自分のイメージと違ったり、そこにいる人たちは明るく印象に残りました。
ツアーで学んだことは、フィリピンの社会問題はとても多くて、多くの子供や同世代の子が被害を受けていることを知りました。
自分に起きた変化は、変える思いがないと行動はできないと感じるようになったことです。
くろだかいと/中学生


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