【開催報告】ティーンボイスプロジェクト春合宿
ティーンボイスプロジェクトに参加する子どもメンバー(=ティーン探求者)16名の顔合わせと最初の活動を兼ねた合宿を、3月28~30日に川崎市青少年の家で開催しました。
ティーンボイスプロジェクトとは、国立成育医療研究センター、一般社団法人Everybeing、フリー・ザ・チルドレン・ジャパンの3団体で構成されたコンソーシアム「Every Child’s Voice」で実施しているプロジェクトです。
このプロジェクトでは、コロナ禍でどのような対策が良かったのか、悪かったのかについて検証し、地域や学校、国に対してより良いあり方について提案をしていきます。
ティーン探究者たちは、コロナ禍で様々な影響を受けた子ども世代のウェルビーイングやメンタルヘルスについて、考えたり調べたり、対話をすることを通して、提言を考えていきます。
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【1日目】
全国から、小学6年生~高校3年生の計16人のティーン探究者がついに大集合!最初はドキドキ、緊張の面持ちでした。スタッフもこれまで準備をしてきて、みなさんに会えることを心から楽しみにしていました。
最初に、オープニングセレモニーとして、全体の約束や本プロジェクトの説明を行い、アイスブレイクゲームや、全体での自己紹介を行いました。
子どもの権利カルタ・安心のルール作り
まずは子どもたち自身がどんな権利を持っているのか学ぶため、
認定NPO法人国際子ども権利センター(C-Rights)代表理事の甲斐田さんに、
「子どもの権利かるた」を用いながら子どもの権利について解説していただきました。
印象に残ったカルタや、友だちに伝えたいカルタなどを選んで、それぞれに感じたことを共有し合いました。
子どもの権利について理解を深めたところで、ティーン探求者一人ひとりが安心してこの合宿と今後のプロジェクトに参加できるための「安心のルール」を作りました。
自分自身や、他の参加するメンバーがどんなことを安心安全だと感じるか、グループ全体で共有をしました。
「話したときにリアクションが欲しい」「全否定されると不安」「〇〇については聞かれたくない」「大人がこわくない」などなど・・・。みんなでルールを作っていきました。
緊張したときや不安を感じたときのリラックスできる体の使い方のレクチャーもありました。
コロナ禍の経験をイメージで共有
休憩をした後は、ティーンボイスプロジェクトのメインテーマでもあるコロナ禍の経験についての共有タイム。
ティーン探究者のみなさんには、合宿の事前に「あなたの経験を踏まえて、コロナの流行は、子どもや若者のこころの状態や幸福にどのような影響を与えたと思いますか。」というテーマのもと、イメージを用意してきてもらいました。自分の経験や感情を振り返り、また他の人の経験を通して、異なる経験や状況を知る時間になりました。
キャンプファイヤー
夕食の後、夜はお待ちかねのキャンプファイヤー!
このティーンボイスプロジェクトを一緒に伴走してくれる大学生ファシリテーターが、火の神になって登場!
マシュマロを焼いて楽しみました。
自分と向き合うワーク・振り返り
部屋の中へ戻って、自分にとって大切なものと向き合う「火の中へ」というワークを行いました。
ワークの後、大切なものへの気持ちやワーク中の感情を、周りの2.3人で共有し合いました。
そのまま、1日の振り返り。
今日1日で感じたことについて、話したい人から一人ずつ語りました。
「自分にとって安心できる空間づくりについて考えられてあったかく、安心できた」
「みんなつらい思いをしていたから、コロナのことは今まで共有しづらかったけど、話せて、聞けて良かった」
など、いろんな思いを言葉にして話してくれました。
【2日目】
朝食をとったら、チェックインと昨日の振り返りをしました。
ティーン探究者のみなさんも、緊張が徐々にほぐれつつあるようです!
チームビルディング①
まずは、FTCJオリジナルワークのブロックゲーム!
それぞれのチームのミッションをクリアするために、どうしたら良いか、ゲームを通じて考え振り返りを行いました。
対立に直面しても平和に解決することができることなどを学びました。
(このワークは当団体のFTCチェンジメーカー教育プログラムにて無料ダウンロードできます。気になる方はぜひダウンロードしてみてください。)
政策提言レクチャー①~わたしの声が社会を変える~
いよいよ、今後みんなが取り組んでいく「政策提言」について。
この合宿以降、ティーン探求者のみなさんは、学校・地域の行政や国などへ対策・政策を提言していきます。
「学校で何か困った状況を変えたいとき、みんなならどうするか?」などの身近な場面から、政策提言のアプローチ(考え方)や効果的な手法などのレクチャーを受けました。
政策提言レクチャー②~わたしたちの社会の中にある多様性を想像する~
休憩の後、「多様性サークル」というそれぞれが持つ特権や多様性について知るワークを行い、振り返りをしました。
また、声のあげ方には、デモやSNS投稿などのほかにも、演劇やラップなど多様な発信方法があることや、継続的に働きかけることの必要性なども学びました。
アンケート内容を考える①
お昼ご飯を食べた後は、政策提言の参考・裏づけにするためのアンケートで、どのような質問をしたいか考えました。
アンケート設問の種類などに関するレクチャーを受けた後、グループに分かれてコロナ禍でどのような課題があったか、大まかなテーマを洗い出しました。
チョイスタイム
自分で過ごし方を選べる時間。
ヨガをして心を落ち着かせる部屋、お菓子を食べながらおしゃべりしたりカードゲームをしたり自由に過ごす部屋、ぽかぽかの外をお散歩したりも!各自、午前中にたくさん使った頭と体を休めて、ゆったりと自由に楽しく過ごしていました。
チームビルディング②
体を動かしながらチームワークや自分の役割について考えるゲームを、グループ対抗で行いました。
各グループ、どうしたら上手くできるか作戦を立てたり、思いつかないようなアイデアをだしたり、役割分担をしてゲームに挑んでいました!
今後もチームワークなどを生かして政策提言活動を行っていってほしいです。
アンケート内容を考える②
ゲームでリフレッシュしたら、アンケート内容を考える①の続き。
出たたくさんのテーマを、「学校生活」「メンタルヘルス」など、大きく4つのカテゴリーに分け、自分の関わりたいカテゴリーについて、グループでアンケートを作成しました。
ここで検討したアンケートは、コロナ禍と子どものメンタルヘルスの関係について長期・多数のアンケートを行ってきた成育医療研究センターから後日公表される予定です。
イギリスのティーン探究者との交流
夕食をたべて休憩した後、夜はイギリスとの交流の時間!
イギリスでも同じく、子どもたちがコロナを振り返り政策提言を行う活動をしています。イギリスのティーン探究者たちとオンラインでご対面!日本のティーン探究者はみんな、最初は少し緊張している様子。
アイスブレイクとして、今の気持ちを自由に紙に色を使って描き、それを紙飛行機にして飛ばしました。その後、日本とイギリスのティーン探究者が一人ずつ自己紹介と、このプロジェクトでやりたいことや気持ちを共有しました。
お互いの国のコロナの経験について、質問し合う時間もありました。最初は緊張していたみなさんですが、最後は「一緒に頑張りましょう!」と笑顔であいさつを交わしました。7月にもまた、オンラインで意見交換などを行う予定です。
【3日目】
あっという間に最終日!
2日目と同じように、今の気分や昨日の振り返りでチェックイン。
政策提言の内容・グループ決め
これから数か月間、政策提言をしていく内容やグループを決めていきます。
この3日間、多くの人からたくさんの経験や意見を聞き、話しました。
そのうえで、改めて各自が自分自身と静かに向き合い、コロナ禍での経験や知ったことで強く残っている出来事、そしてその時何を感じ、何を訴えたいかを考える時間を持ちました。
そのあと、みんなで円になり、自分の考えたこと、訴えたいことについて共有し合い、
似ているテーマの人たちが集まり今後活動していく政策提言グループを組んでいきました。
それぞれが自分と向き合い、それぞれの声をみんなが丁寧に聞き、受けとめていた時間でした。
チームが決まった後は、チームごとに誰にどんなことを聞きたいかなどを細かく意見を出し合いました。
振り返り
いよいよ、合宿も終盤。
3日間一緒に過ごしたルームメイトで集まり、背中を合わせ合ってそれぞれにメッセージを書いていきました。
最後は、スタッフ一人ひとりからのエールの言葉をあびて、仲間と別れを惜しみながら解散しました。
全国から集まったティーン探究者が初めて顔を合わせた春合宿。
みなさんに出会えたことがとっても嬉しいです!
これからオンラインでの活動がメインになっていきますが、みんなで頑張っていきましょう!
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主催:Every Child’s Voice (構成団体:国立成育医療研究センター/ 認定NPO法人フリー・ザ・チルドレン・ジャパン/一般社団法人Everybeing)
助成:公益財団法人CBGMこども財団/日本学術振興会 英国(UKRI)との国際共同研究プログラム/
デロイトトーマツ ウェルビーイング財団