【報告】8月11日(祝)d-lab 2023 自主ラウンドテーブルでウェルビーイング授業を紹介
8月11日(祝)に東京、JICA地球ひろばで開催されたd-lab2023(第41回全研)[主催:認定NPO法人開発教育協会]にて、教員をはじめ教育にかかかわる方々を対象にウェルビーイングのデモ授業を行いました。
NPO法人フリー・ザ・チルドレン・ジャパンでは、子どもが社会を変えられるという思いをもって活動をする前提として、一人ひとりの子どもがウェルビーイングな状態であることが重要だと考えています。私たちは、ウェルビーイングとは「一人ひとりが人権を大切にされ、こころや身体や周りとの関係、社会の中での自分の存在が、自分にとってちょうど心地よい状態、または、そこに向かう過程のこと」と定義し、2023年2月から世田谷区立桜丘中学校の1年生を対象に、中学生と共にウェルビーイングについての授業を実施してきました。d-lab2023では、その中からいくつかの内容を抜粋し、教育実践者向けに授業を実施しました。
まず安心のための約束の確認、参加したスタッフの紹介を行ったうえで、ウェルビーイングについての定義やなぜフリー・ザ・チルドレン・ジャパンがウェルビーイングについて取り組むのかを説明しました。
続いて、「気持ちに対しての理解を深める」をテーマに、気持ちの一覧が記載されたプリントをつかって、「よく抱く気持ち」「特に抱いたことがないと思う気持ち」「最も表現しやすい気持ち」「最も表現しにくい気持ち」の4つの視点で、それぞれどのような気持ちが当てはまるのかをグループで分かち合いました。話し合いの後、気持ちと価値観の関係性やそれがネガティブな感情であっても、その裏側には大事にしたい価値観が隠れていることをスタッフからお話ししました。
続いて、「あなたは、大切な社会の一員」と題した、子どもの権利についての理解を深めるアクティビティを行いました。
まずグループごとに、”「あなたは大切な存在じゃない」というメッセージに日常で出会ったことはありますか?”という問いについて話し合いを行いました。続いて2人1組になって「あなたは、とても大切な人です」と呼びかけあうアクティビティを実施しました。
そして、フリー・ザ・チルドレン・ジャパンのスタッフから「子どもの権利」についての説明を行いました。
最後に一人ひとりにとってのウェルビーイングの条件や気持ちが落ち込んだときにどのようにして回復をするのかについて、それぞれの考えをグループで話し合う時間を設けました。
限られた時間の中でのウェルビーイングについての授業実施となりましたが、参加者のみなさんも積極的に発言をいただきました。
気持ちについての発言をすることになれている方もいれば、今回の取り組んだ問いは人生で初めて向き合ったという方もいました。多様な世代が参加するウェルビーイングの授業を実施するうえで、安心して気持ちとつながれるように、安心の場づくりの重要性を育むことを改めて意識する機会ともなりました。
皆さまからいただいたアンケートやご意見を、現在開発中の「子どものウェルビーイングのための教材」に反映させていただく予定です。教材ができましたら無料でお使いいただけるようご紹介していきますので、どうぞウェブサイトのチェックや、メルマガへの登録などしていただけたら嬉しいです。
フリー・ザ・チルドレン・ジャパンの子どものウェルビーイングのサイトにも情報がありますので、ご覧ください。