大阪暁光高校で出前授業をしました!
9月7日に、大阪暁光高等学校の高校1年生約60人を対象に、出前授業を行いました。
出前授業のテーマは、10月に開催される文化祭での児童労働についての展示に向けた授業ということでした。そこで、2コマの授業時間を使って、児童労働シミュレーションカードゲームを行ったり、児童労働がどう日本にいる私たちの生活と関わっているのかや、児童労働の解決に向けて高校生にできることなどを考える授業を行いました。
※今回の出前授業を実施するにあたり、「大東建託グループみらい基金」さんにご支援いただきました、ありがとうございました。
【授業概要】
対象:高校1年生2クラス60人(普通科、幼児教育コースの生徒さんたち)
形式:対面授業
時間:90分(45分×2コマ、途中10分休憩)
目的:児童労働や子どもの権利について学び、自分にできることを考える。
▼授業内容
1コマ目
・貧困とはなにか。特に、世界の貧困のなかで生きる子どもたちについて
・児童労働とはなにか。児童労働の定義や統計について
・児童労働シミュレーションカードゲーム!
児童労働者として劣悪な環境で生きる子ども達の人生を体験するゲームを行いました。
ゲーム後には振り返りを行い、お互いが体験した人生やそれを通して考えたことなどを共有しました。加えて、貧困や子どもの権利、児童労働と自分たちの生活とのつながりについての解説も行いました。
2コマ目
・私たちと児童労働
日本にいる私たちの生活と、児童労働はどのように結びついているのかについて事例を紹介しました。
・フリー・ザ・チルドレンの団体紹介(設立の経緯、活動内容など)
12歳のクレイグ少年が設立した背景から、国際協力活動についてお話ししました。
・児童労働をなくすために、私たちにできること
「Gift + Issue = Change(自分の好きなことをいかし、身近な所から変えていこう)」という当団体のモットーと事例を紹介し、ワクワクしながら社会問題に対して取り組む方法を共有しました。
また、大阪暁光高校には、フリー・ザ・チルドレン部があるので、そういった部活動紹介や、個人で活動している子どもメンバーの活動事例などを紹介しました。
・質疑応答
▼ワークショップをしてみた生徒さんからの感想を一部抜粋して紹介します。
・警察はたすけるべき立場なのに、子どもを虐待したりするケースがあると知り、とても驚き、悲しさや怒りがありました。
・日本でも児童労働があると聞いてとてもびっくりしました。世界を変えるには自分を変えないといけない
と聞いた時に「かわいそう」とか思うだけではなく、私も行動に移せるようになりたいなと思いました。
・一番びっくりしたのは(児童労働をしているこどもが)自分の年齢や名前を知らないと言っていたことです。でも放課後 の交流会での話でそれは出生登録をしていない人が多いからなんだと初めて知りました。 出生登録をしない人が多いから政府がキャンペーンを しているけど(病院で女児出産したら 5000 円、男児 3000 円などの見舞金を渡すなど) 田舎に住んでいて家で出産することが当たり前の人にとってはそのキャンペーンの内容も(情報として)届かないっていうのもびっくりしました。
・児童労働は、子どもにとってとても苦しい状況なのに、なぜなかなかなくならないのか。どうしたらなくせるのか、考えていきたい。
・児童労働と私たち日本の生活がつながっていることがわかって、何かできることをしていきたい。
など
▼放課後交流会
放課後は、フリー・ザ・チルドレン部(FTC部)のメンバーの皆さんや、児童労働についての授業を受けた生徒さんの有志数名で集まって交流会をしました。
FTC部では、商品の製造過程で児童労働を使ったり、人権侵害などが起きていないのかについて調査する活動をしている、ということを生徒さんが発表してくれました。原材料を安く調達するためのしわ寄せが、環境汚染や人権侵害につながらないように、企業としてどう気を付けているのか、対策をしているのかなど、企業に直接問合せをして調査をしたり、わかったことをまとめたりしている、ということでした。その調査でまとめた資料をみせてもらいましたので紹介します。
FTC部のメンバー作資料 ⇊⇊
交流会に参加した皆さんからは、児童労働という問題を知ったことで、これからも自分にできることを探してアクションを起こしていきたい、という声がありました。まずは、10月の文化祭で児童労働についての展示をするといことでした。自分で知ったこと、問題だと思ったことを自分だけの中にとどめておかず、周りに伝えて問題提起していきたい、という声があり、とても励まされました。
遠い国の問題だと片付けずに、日本にもある問題であることや、自分と紐づけて考えていきたいという、皆さんからの想いは、良い社会をつくっていく原点だと思います。これからもともに、活動していきましょう!
▼担当の先生から
先日は、貴重なお話しありがとうございました。生徒にとってぼんやりとしていた「児童労働」が、授業での具体的なお話によってはっきりとしたようです。生徒たちは最後まで学びを追求し、児童労働に反対し続け、行動したい、と。そして家族や周りにも児童労働のことを伝えたという声も早速聴いています。生徒たちの真っすぐな思いや姿勢を本当に頼もしく思います。
今回、出前授業や交流会の時間をとってくださった大阪暁光高校の先生方、参加してくださった生徒の皆さん、ご支援くださった大東建託グループみらい基金さんに、重ねて感謝いたします、ありがとうございました。
Together, WE can change the world!
フリー・ザ・チルドレン・ジャパン中島早苗