障害者スポーツ「ハンドサッカー」を知っていますか?

パラリンピックでは22の障害者スポーツが注目されていますが、障害者スポーツは他にもたくさんあります。
重度障害の人もできる「ハンドサッカー」というスポーツがあることを知っていますか?
当団体ユースメンバーの友成勇介さんから「ハンドサッカー」についての記事と動画が届きましたので、ご紹介します!

 

 

◆自己紹介
僕は、昨年3月で高校卒業し、フリー・ザ・チルドレンの子どもメンバーも卒業。生まれつき脳性麻痺による肢体不自由な障害があり、車椅子で生活しています。現在は、生活介護施設に通いながら、週一日、ルーテル学院大学で、社会福祉の授業を科目履修して学んでいます。

 

世田谷区立の小学校の通常学級で普通に授業を受けていましたが、重度の身体障害のため、中学校からは支援学級、高校は支援学校と、徐々に少人数クラス、閉鎖的な環境におかれ、話し合える友人が周りにあまりいなくて悩んでいた時に、フリー・ザ・チルドレンのキャンプを見つけました。

 

2018年夏~2019年夏のテイク・アクション・キャンプに参加し、東京グレートサンタランにも参加しました。今日は、僕が参加したハンドサッカー大会について紹介します。

(補足)
「テイク・アクション・キャンプ」は、2019年まで対面・合宿形式で行っていましたが、コロナ禍を受け、一時的にオンライン形式へ変更して実施しています。詳細はこちらをご覧ください。
当団体は「東京グレートサンタラン2018、2019」に特別協力団体として運営面のサポートやブース出展を行いました。詳細はイベント公式HPをご覧ください。

 

 

◆ハンドサッカーとは?
日本ハンドサッカー協会 https://handsoccer.jimdofree.com/

身体に重い障害があっても、みんなでスポーツを楽しめるように考えられたのがハンドサッカーです。身体障害児の通う支援学校の先生方が考えたスポーツです。
車椅子で移動できたり、歩行できたりする人は、フィールドプレーヤー(1チーム内で4名)として、ラグビーのようにボールをゴールに向かって運びます。フィールドプレーヤー以外のメンバーは「ポイントゲッター」「スペシャルシューター」「ゴールキーパー」と呼ばれ(それぞれ1チーム内で1名)、バスケットボールで言う「フリースロー」、サッカーで言う「ゴールキーパー」や「PK」を担当します。

 

手も足も動かせない人、話すことも難しい人、スイッチだけなんとか押せる人、どんなに障害が重くても、自分のできることで参加します。
それぞれができる課題を成功率50%の難易度で設定し、本番で設定した課題を達成できたらポイントゲット。

 

(補足)
詳細な競技規則(ルール)は日本ハンドサッカー協会HP、日本ハンドサッカー協会による公式解説動画(4:00~8:30)をご覧ください。

 

◆僕のハンドサッカーの課題は・・・

僕の場合は、歩行器でなんとか足で蹴って前進はできますが、なかなか行きたい方向に行くのが難しかったり、日によっては上手く足で蹴って前に出られなかったりすることもあります。
そこで、この動画のように、距離をとってとにかく真っ直ぐに進んでボールをシュートするという課題になりました。


ただし、チャンスは一回。持ち時間はたったの1分、これがなかなか難しい。練習で持ち時間以内に成功できた回数は半分以下でした。

 

◆そして本番

本番は、一年に一度の、東京の肢体不自由(身体障害)の学校が競い合う「東京都肢体不自由特別支援学校ハンドサッカー大会」。生徒が沢山いるので、シュートのチャンスはたった一回。60秒以内にシュートを決めないとノーゴール。とても緊張しましたが、なんとかみんなの声援を力にかえて、ゴールできました。

 

進む方向や蹴り方が一定ではないので、このシュートを決めるために、先生方も、歩行器の工夫(高さを調整したり、車輪が真っ直ぐに滑らないようにしたりするなど)やボールの工夫など、沢山試行錯誤・協力してくださったので、僕よりも喜んでくださっていました。

 

◆最後にメッセージ
一度、障害者と知り合ってみてください。明るい人が多いですよ。この記事が、障害者スポーツを見たり、ボランティアで助けていただいたり、何かきっかけになると嬉しいです。