圧倒的な力強さを持つ 子どもメンバーのスピーチを紹介②

2017年11月にNPO法人国際子ども権利センター(シーライツ)設立25周年記念イベントで、「あらゆる暴力から子どもを守るには」をテーマに、フリー・ザ・チルドレンのメンバーの小学生と高校生のふたりがスピーチをしました。子どもとして、主権者として、声をあげた彼らの力強いメッセージを紹介します。

 

※小学生メンバーのスピーチはこちらから↓↓↓

圧倒的な力強さを持つ 子どもメンバーのスピーチを紹介①

 

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なつほ

 

みなさんこんにちは。高校一年の渡邉夏帆です。今日はこのような機会をありがとうございます。今日は暴力を受けている子ども達に私達ができることを一緒に考えたいと思います。

 

 今の日本の子どもたちは子どもの権利に守られた生活を送っているでしょうか。私はそうは思いません。なぜなら、それは健やかに育つための「生きる権利」教育を受けられる「育つ権利」自由に活動できる「参加する権利」あらゆる搾取から守られる「守られる権利」の四つに分割し、現状を分析することで明白になります。

 

 まずは生きる権利について。地域によって負担の大きさは異なりますが、市が子どもの医療費を負担していることはみなさんご存知でしょう。中学生以下や高校生以下対象で医療費が500円、または無料という風になっています。この制度は小児医療費助成制度言い、病院に行く余裕のない家庭でも、治療を受けることが可能としています。例えば、私の住んでいる沼津市は高校生以下が無料、神奈川県横浜市は小学生以下が500円、という風になっています。また、これ以外に各自で保険に入っているでしょう。その保険が入院費や手術費などを負担し、私達が患っている治療可能な病気を治せるようにサポートしてくれています。以上のことより、私たち日本人の生きる権利は守られています。

 

 続いては育つ権利について。日本国民には子どもに教育を受けさせる義務というものがあります。よって日本のほとんど全ての子ども達は小中と学校に通っています。不登校で学校に行っていないとしても、不登校は正当な理由であり、親が教育センターなど、子どもが学校に通う為に努力している場合は義務違反にはなりません。また、子どもが持っているのは権利なので、放棄しても問題ではありません。よって、親が教育を受けさせる義務を持っているという環境が整っているため、子供の持つ育つ権利は守られています。

 

 次は参加する権利を分析しましょう。これに関しても守られています。なぜなら、自分がやりたいスポーツや習い事に通う子どもは少なくないはずです。また、学校でも読書感想文や意見文などの課題を通して、自分の意見を持ち、共有しています。他にも、サマーキャンプやボランティア活動に積極的に参加できるチャンスは子ども達にはたくさんあります。なので子どもの参加する権利も守られています。

 

 では、4つめの色々な搾取から守られる、守られる権利はどうでしょうか。日本に住んでいる子ども達はみな親から暴力を受けていないと果たして言えるのでしょうか。日本には認定NPO法人児童虐待防止全国ネットワークという団体があります。これは、オレンジリボン運動で知られている団体です。この団体のデータによると、平成26年の一年間で約9万人の子ども達が児童相談所に行っています。また、虐待による死亡事例は年間50件を超え、一週間に一人の子どもが命を落としているという計算になります。その中の半数以上の加害者は母親です。以上のことから、日本には虐待を受けている子どもがたくさんいるということが分かります。よって守られる権利は守られているとは言えません。

 

 では、日本でどのような環境づくりをすれば、子どもの権利を守れるのでしょうか。私は親対象のカウンセリングやレクリエーションの場を増やすこと、そしてより多くの人達に児童虐待の現状を知ってもらい、虐待しない、虐待させない環境を作る事だと考えます。

 

 親が子どもに虐待するのは、仕事や育児、人間関係などのストレスによるもの、つまり暴力は八つ当たりであると考えられます。この問題を解決するにあたってカウンセリングとレクリエーションが最適であり、子どもに暴力をふるう件数が減少します。虐待しない、させない環境をつくるには具体的にどんなことをすればいいのだろうか。私は、児童虐待について知ってもらうこと、そして国民全員が虐待に対するアンテナを敏感にすることが必要であると思います。

 

そこで私は自分に何が出来るのかを考えました。私は有名な芸能人でも、国会議員でも、ありません。普通の高校生です。しかし、そんな私にでも出来る事があると思います。それはこのような場など、自分の意見を発表、共有できる場に積極的に参加することです。自分の考えや児童虐待の現状を伝えることで、聞いてもらった人たちは児童虐待について考え直してくれるかもしれません。私のように伝える側になりたいと思ってくれる人もいるかもしれません。そうやって児童虐待について詳しく考えることが児童虐待改善への第一歩になると思います。

 

 児童虐待。身近に感じる人もいれば、別世界での出来事と思う人、それぞれいると思います。子ども達には自分の身を虐待から守る権利があります。この権利を守る為に、暴力のない世界が必要であると感じませんか。そこで私達に出来ることはSNSで児童虐待について情報を発信することではないでしょうか。この世の中、たくさんの人がSNSを利用しています。そこで自分の意見や考えを発信すればたくさんの人が児童虐待について知ることができます。また、自分の意見がまだなくても、誰かの意見や、実際に起きた問題などをリツイート、シェアすることでいろんな人に児童虐待について知ってもらうこともできます。今は、クリック1つで情報が飛び交う世界です。自分が興味を持ったことでも、自分が少しでも変えたいと思ったことなどを、児童虐待だけに関わらず、クリック一つで社会問題を解決する手助けをしましょう。自分なんかのリツイートで社会問題が変わるなんて…って思っているのではないでしょうか。しかし、そのリツイートが連鎖反応のように社会に広まるのです。だから、小さな一歩と思えることでも、社会を変える一員になれます。

 

塵も積もれば山となる。子ども達を虐待から救うため、小さな一歩から、自分に出来る事から始めていきましょう!

 

ご清聴ありがとうございました。

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