【報告レポート】子どもの権利条約フォーラム2024 in 東京 子どもメンバー企画 「とどけ、わたしたちのリアル!ひろがれ、わたしたちのアクション!」
11月9日(土)10日(日)に「子どもの権利条約フォーラム2024 in 東京」が開催されました。
1日目の全体会では、FTCJの子どもコアメンバーが5か月間にわたって準備を行ってきた、子ども参加企画「とどけ、わたしたちのリアル!ひろがれ、わたしたちのアクション!」が行われ、6人の子どもに登壇いただき、2つのトークセッションを行いました。(詳細の報告はこちら)
子どもたちの企画のサポートをした当団体の学生インターンの森垣穂香さんから報告レポートが届きましたのでご紹介します。
【報告レポート】子どもの権利条約フォーラム2024 in 東京子どもメンバー企画 「とどけ、わたしたちのリアル! ひろがれ、わたしたちのアクション!」
「子どもの権利条約フォーラム2024 in 東京」の1日目に行われた全体会では、子ども主体による企画「とどけ、わたしたちのリアル! ひろがれ、わたしたちのアクション!」が開催されました。このセッションは、フリー・ザ・チルドレン・ジャパン(FTCJ)の子どもメンバーが中心となり「子どもたちのリアルな声を届けたい」と思いを込めて、6月から準備を重ね、一から作り上げたものです。
子どもメンバー企画の幕を開けたのは、企画運営統括を務めたもえかさん。
オープニングでは、明るくエネルギッシュな声で会場全体を温かく包み込みました。もえかさんはオープニングスピーチの中で、おとなたちに向けて「本当に子どもたちの声を聞いてきましたか?」と鋭く問いかけます。この一言は、会場に集まったおとなたちにとって、自身の姿勢を振り返る重要なきっかけとなりました。
次に行われたアイスブレイクでは、メンバーの柚月さんが子どもの権利に関するクイズを企画。クイズに挑戦しながら自然と笑顔が広がり、会場内は和やかなムードになり、また初対面同士が交流を深める良い機会にもなりました。
本企画のメインとなるトークセッションは、「リアルな声」と「わたしたちのアクション」をテーマに、前半と後半に分けて行われました。
前半では3人の子どもと1人の若者が登壇し、またファシリテーターにFTCJ職員の広瀬太智さんを迎え、子どもたちの「リアル」な日常や想いについて話しました。セッションの中で「おとなが声を聞いていると感じるか」というテーマの中で「おとなに気持ちを話すことが難しい」という声が上がり、その背景には「お互いの理解が足りていないことがある」との意見があがりました。それぞれの話がリアルな体験に基づいており、多様な子どもたちの思いや経験を知る機会となりました。
後半のトークセッションでは「わたしたちのアクション」をテーマに、子どもの参加する権利を使って様々なアクションを行ってきた高校生と中学生、またファシリテーターに認定NPO法人国際子どもの権利センター(C-Rights/シーライツ)の代表理事をされている甲斐田万智子さんを迎え、子どもたちがアクションを起こした経験を共有しました。「子どもが子どもの権利を伝える活動」を地域で行うももさんと、子どもの権利条約を中学校の生徒手帳に掲載し、また今年の夏に子どもの権利を学ぶためにフィンランドに1ヶ月留学に行ったつかささんから、フィンランドの学校教育の中で子どもの権利がどのように体現されているのかをお話ししてくれました。具体的には、日常から子どもへのおとなによる接し方が、子どもの権利条約の理念に即した接し方であり、それが授業設計にもあらわれ、子どもたちの声を聞くための仕掛けがあること、また子どもの権利を知る機会が子どもたち自身にあるということなど、実際に現地の学校で学んできたことを共有してくれました。
セッションの最後に、再び登壇したもえかさんは、この場で聞いた声やアクションを、ただ『良い時間だった』で終わらせず、きちんと受け止めて考え、そしてさらにアクションに繋げて変えていくことの重要性を訴えました。
今回の子どもメンバー企画に、私は伴走するファシリテーターの役割を行うインターンとして参加しました。高校時代から子どもの権利条約に関する活動を行ってきた私はこれまでは伴走をしてもらう側から、今回伴走するという形で1つの企画に関われたことはとても学びになりました。子どもたちが主体的に企画を進める中で、伴走者としてどこまでサポートするのか、どのタイミングで介入するのが適切なのかといった判断を求められ、その度に自問自答しながら行動しました。子どもたちの自由な発想や主体的な姿勢を尊重しつつ、必要な場面では背中を押したり、時には方向性を整理したりする役割を担いました。このバランスを取るのは簡単ではありませんでしたが、子どもたちが意見を出し合い、一つひとつ形にしていく姿を間近で見ることで、伴走者としての役割の意義を強く感じました。
今回の経験を通して、これからも子どもの権利に関わるユースのひとりとして、私に何ができるのかを考え、また自分自身も成長することができました。子どもたちの声が社会を変える大きな力になることを改めて確信し、そのためにどのような仕組みや場を作るべきか、今回の経験を今後の活動に活かしこれからも追求していきたいと思います。
そして、未来に向けた新たな一歩が、子どもたちとおとなが共に協力し合う中で生み出されていくことを心から願っています。
認定NPO法人フリー・ザ・チルドレン・ジャパン 学生インターン
こども家庭庁こどもまんなか社会実現プラットフォーム準備会合委員
森垣穂香(もりがきほのか)
助成:日本財団