【報告】こどもの意見を聴くファシリテーターを養成するための研修をこども家庭庁にて開催しました。

こども家庭庁が実施する、『ファシリテーター養成プログラム作成のための調査研究』(令和5年度) において、こどもまんなか社会を実現するために、『こども意見ファシリテーター養成講座』のテキストやオンデマンド動画教材の作成や、それを元にした対面・オンラインでのお試し研修を実施しました。

 

こちらの事業は、こども家庭庁と、受託事業者である株式会社NTTデータ経営研究所と共に、令和5年夏に契約を交わし、進めていたものです。

こども家庭庁が23年4月1日に発足し、同日に『こども基本法』が施行されました。こどもまんなか社会を実現するために、年内にも閣議決定される予定の『こども大綱』の中には、子どもや若者の意識面に関する数値目標が12項目掲げられています。

その中でも「こども政策に関して自身の意見が聴いてもらえている」と思うこども・若者の割合を70%(2023年20.3%)に引き上げるというのがあります。
 

そもそも、子どもの意見を聴くことはなぜ大切なのでしょうか。

まず第一に、子どもには自分の意見を表明し参加する権利があります。このことは、こども基本法でも謳われている内容です。こども・若者は、意見を表明し、その意見が聴かれ尊重されることで、それらの経験を通じて社会の一員であることを実感し、 自己肯定感や自己有用感、社会の一員としての主体性を高めることができます。
 

そして第二に、国や地方公共団体、自治体としては、こどもや若者の状況やニーズを知ることで、施策がより実効性のあるものにもなります。こども・若者の意見を聴くことが、こどもまんなか社会実現への大切な一歩です。
 

フリー・ザ・チルドレン・ジャパンは、団体発足時の1999年から、子どもが権利行使の主体であることを子どももおとなも認識できるような機会をつくり、子どもの意見を聴きながら事業や組織運営に取り組んでいます。それらの知見から、単にファシリテーターの養成ではなく、子どもの意見を聴けるファシリテーターのポイントを抽出し、今回、こども家庭庁とともに、テキストやオンデマンド動画教材を作成し、それを元にした対面・オンラインでのお試し研修を実施しました。
 

テキストやオンデマンド動画教材では、子どもの意見聴取の場面やアイスブレイクを再現したものが収められており、各コミュニケーションスキルや、実際に子どもと関わっているときに想定される困ったことやアイデアなどを学べるようにまとめています。

 

こども家庭庁いけんひろばをお借りして撮影
意見聴取の様子を再現

 

 

NTTデータ経営研究所の会議室をお借りして撮影
ファシリテータースキルを分解して動画を作成

 

教材開発はまだプレの段階なので、12月18,19日に対面及びオンラインで実施したお試し研修にご参加いただいた方や、有識者の方々からフィードバックをいただいたものを元に、よりよい内容になるよう、そして、より実践的なものに作り込んでいく予定です。

まずは、ここまで沢山の方にご協力いただき、本当にありがとうございました!
 

フリー・ザ・チルドレン・ジャパンでは、子どもを対象としたファシリテーター養成講座や、おとな・ユースに向けたファシリテーターを養成する講座も実施しています。

「子どもの声を聴く」ということを社会に根付かせ、実践していくためには、あらゆる場面が想定されると思います。現場に適した中身を盛り込み、学校などの教育機関や地方自治体をはじめとする様々な組織の方にとっても、非常に有効な情報が盛り込まれておりますので、子どもの権利についての講座や、子どもの権利をベースにした子どもの声を聴くファシリテーター養成講座にご関心がある皆さま、ぜひご連絡やお問合せください。

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