【報告】小倉こども政策担当大臣をFTCJ子どもアンバサダーが訪問しました

小倉こども政策担当大臣をFTCJ子どもアンバサダーが訪問しました

 

2022年12月23日(金)に、FTCJ子どもアンバサダーの3名が小倉將信(おぐらまさのぶ)こども政策担当大臣を訪問しました。

子どもアンバサダーは、団体や子どもの権利に関する活動・Change Makers Fesの紹介、および、それぞれが伝えたいメッセージを小倉大臣に話しました。

 

ゆうさん(中学1年生)

フリー・ザ・チルドレン・ジャパンの活動紹介をした後、こども家庭庁に求めることとして、子どもが様々な意思決定に参加する場を増やすことの重要性を伝えました。

ゆうさんは「参加する権利が一番重要なんじゃないかと思う。」と話しました。

下着の色など理不尽な校則があるが、子どもはなんでその校則があるか理解しないまま従わされている。そして、「では、なんで子どもが意見を言えないのか。」という問いに対して、

「それは、おとなが耳を傾けていないことと、子どもが自分が声を上げることで校則を変えるという経験がないことが原因だと思う。」と話しました。

フランスだと毎年子ども会議が開かれていて政策に反映されることなどを事例に出し、「もし日本各地で子どもがまちづくりに関する意見を出し、それをおとなが実現させていったとしたら、子どもは自分たちの力を信じることができるし、社会と若者も一体化していくと思う」と述べました。

また、子どもが意思決定に参加し実際に意見が反映されるという経験が子どもの自己肯定感を上げ、自信に繋がっていくことにも触れました。

 

ゆりなさん(高校1年生)

まず、子どもの権利に関する子どもの声を政府に届ける「#10代のモヤモヤ キャンペーン」について説明しました。

このキャンペーンは、2023年4月のこども基本法の施行とこども家庭庁の設置を広く知らせ「子ども自身が子どもの権利について知ること」「子どもの声を聴く機会を作ること」「子どもの声を聴く社会になるためにはどのようなことができるのかを考える機会を作ること」などを目的にしていることを説明しました。

ゆりなさんの周りには、子どもの権利について知っている子どもは多くなく、「子どもが社会や政治について意見を言うのは生意気と思われそう……」「子どもの意見なんて大人に聞いてもらえなさそう」と思っている人が多いそうです。また、「子どもだからしょうがない」と言って自分が理不尽だと思うことを受け入れている友達もたくさんおり、ゆりなさんも、子どもの権利について知るまでは同じだったそうです。

ただ、「これは理不尽だ」「これは変えた方がいい」と思っていることはたくさんあるからこそ、このキャンペーンのようにモヤモヤを気軽に伝えられることは重要だと話しました。

自分や同席したメンバーの意見の紹介として「子どもの権利の子どもの認知度が高くない」

「コロナ禍で部活できなくなった時、子どもの意見が聞かれずに決定していた」

「痴漢にあった時に泣き寝入りしてしまう子が多い」などを挙げました。

キャンペーン終了後に集まった意見を提出するためにまた面会の機会をいただきたいと伝えたところ、小倉大臣は「わかりました。約束します。」と快く受け入れてくださいました。

また、ゆりなさんは、自分の学校で実施した子どもの権利に関する認知度のアンケート調査の結果をまとめた資料を大臣に提出しました。

 

なのさん(高校1年生)

まず、3月28日開催の「チェンジメーカー・フェス2023」について説明しました。

社会問題に対しアクションを起こした若者が集うこと、子ども・若者の社会貢献をもっと身近にクールにすることが目的であることなどについて伝えました。

なのさんが思うこのイベントの一番の魅力は、アーティストのパフォーマンスや著名人のスピーチがあり、ライブコンサートのような雰囲気であることだと話しました。昨年は盲目の高校生シンガー、わたなべちひろさんの演奏と歌声に勇気をもらったそうです。

また、「活動していると、おとなから嫌味を言われたり、同年代から真面目だねと言われるけど、社会貢献活動はダサいことでも真面目な人がやることことでもなく、一歩踏み出したら誰でもできることだと思う」と力強く話しました。

3月28日はこども基本法が施行される4日前ということもあり、ぜひ小倉大臣に登壇いただきたいことも伝えました。

最後に、コロナ禍の学校での対応について意見を伝えました。

「おとなが良かれと思って決めたことが、子どものニーズにあっていないこともある。

コロナ禍で部活が中止になった時、私は部活を生き甲斐にしていたので、なくなってショックだった。その時は学校が決めたから当たり前だと思って従っていたけれど、(子どもの権利に関する)活動を始めて当たり前じゃないということがわかった。また、今回そういうことを大臣が言ってくれてよかった。」と話しました。

 

小倉大臣

大臣はまず、「こども基本法は、子どもの権利条約の理念を形にした法律」であり、子どもや若者の意見表明の機会をしっかり作って、その意見を尊重しながらこども政策をすすめていくと話されました。

また、公園が閉鎖される事例や児童養護施設での子どもとの意見交換の話などを挙げながら、

「当事者の子どもや若者から直接聞いたからこそ分かることがたくさんあり、おとな目線ではなく、丁寧に子どもや若者の意見を聞いていきたい。」と力強く語りました。

そして最後に、日本では自分自身が社会を変えられないと考えている子どもが他の先進国と比べて多いことに触れ、

「そこを変えて、子どもや若者が自分にも世の中を変えていけるんだ、それをおとなが後押しする、そういう雰囲気に日本をしていきたい。今日はありがとうございました。」と締めくくられました。

限られた時間の中で、最後まで「言い残したことはないですか?」と子どもたちの声に耳を傾けてくださいました。

 

再会を約束して、訪問は終わりとなりました。

お時間をいただいた小倉大臣、並びに関係者の皆さま、ありがとうございました。