高知県の別府小学校でのスピーチ&ワークショップ報告
2015年2月21日に、高知県の仁淀川町立別府小学校全学年を対象に、
出張講演(スピーチ&ワークショップ)を実施しました!
高知空港にある高知城模型を思わず撮影
最初、池田校長先生から「全校生徒を対象に、世界で働かなければいけない子どもたちについての授業をして下さい」とご依頼を頂いたときは低学年の生徒さんにも理解してもらえるような内容にしなければいけないのはできるかな?と不安だったのですが、実際に事情を伺うと、全校生徒全員で51人という小規模な学校で学年全体の仲が良く、全員で助け合って授業を受けていることがわかり、1年生から6年生までの生徒さん全員で楽しみながら学べるような授業を実施しよう!ということで、プログラムをつくりました。
池田朝男校長先生は、「地域の過疎化が進み、6学年あわせて51人しかいない小学校ですが、いなかに住んでいるからと言って、世界のことを知らないままで成長してほしくない。だから、夏休みと冬休みには、自由参加で児童労働や環境問題など国際問題について学ぶ特別授業を私が担当して実施したんですよ。」とお話しされました。校長先生の静かな語り口調のなかにも、生徒さんを思う熱い思いを感じ、感銘を受けました。
出張講演の当日を迎え、高知空港に降り立つと、校長先生が暖かく出迎えてくださりました。担当のスタッフ二人で、先生の車に乗り込み、高知市内を抜け仁淀川の美しい渓谷をみながら走ること2時間、別府小学校に到着。会場の体育館では、ワークショップの実施だけではなく、フリー・ザ・チルドレンが紹介するフェアトレード商品や本の販売を生徒さんや保護者の皆さんがボランティアでお手伝いして下さることになっていたので、すでに保護者の方たちがたくさん集まって、会場設営の準備をして下さっていました。みなさん、販売のためにいろいろアイデアを出したり、飾るための備品をおうちに取りに行って下さったりして、たくさんご協力頂き地域の人たちのつながりや温かさを感じました。
出張講演は、約2時間のプログラムで、テーマは「世界の働く子どもたちと、私たちにできること」。
まず、世界には色々な人たちがいて考え方や生活の仕方や習慣など違いがあっていいんだ、ということを考えました。でも、住んでいるところが違うからと言ってきれいな水が飲めないとか学校に行けないなど、「違いのままで良い」わけじゃない、ということも考えました。そして、実際に貧しさが原因で学校に行けなかったり、働かないといけない子どもたちの現状を考えるためのワークショップ「児童労働脱出ゲーム」をグループになって実施しました。低・中・高学年が一つのグループになって、みんなで助け合いながらゲームに取組んでもらいました。
ゲームの後は、体験してみてどうだったか感想をお互いにシェアして、貧困や児童労働から脱出するためには、教育はとても大切なんだっていうことを感じてもらいました。では、そういった貧困のために働かなければいけない子どもたちと私たちの生活はどう関わっているのかを考え、最後に、世界を変えるためにできることは何かについて話しました。
フリー・ザ・チルドレンでは、Gift(才能、できること)をいかしながらIssue(問題)に取組み、Change(変化)を起こそう!という「Gift + Issue = Change!」活動の方程式を提唱していますが、これを紹介しました。
実際に、パンをつくるのが好きな香川に住む小学3年生の男の子のメンバーが、パンをつくってそれを販売して、その利益を開発途上国の子どもたちのために寄付をしたという話を紹介したりもしました。
世界を変えるためには、自分がまず変わること、つまり、自分がアクションを起こすことで、世界を変えらえるということをみんなで共有して、終わりました。
出張講演の後、学校を代表して、小学校6年生の生徒さんは、「世界には、貧しさのために4.8秒に1人が亡くなっていることや、きれいな水を飲めないことで死んでしまっている子どもなどがいることを知り、自分でも何かしたいと思いました」という感想や、小学校2年生の生徒さんが「困っている人がいたら、自分もできることから助けたいと思います」と感じたことを話をしてくれました。生徒の皆さんが真剣に話をきいてくれて、ワークショップに参加してくれてとても嬉しかったです。
最後に、フリー・ザ・チルドレンが販売する国際協力につながるオーガニックコットンで作られたTシャツや、フェアトレードのドライマンゴーやスパイス、バッグ、ケニアのお母さんたちの自立支援につながるチョコレート、フリー・ザ・チルドレンを創設したクレイグが書いた本などを生徒さんたちがボランティアで販売し、ほとんどのものが売り切れました。
物販の売上金額と寄付額:
売上:71,476円
寄付: 4,429円
でした!たくさんのご寄付と商品購入にご協力う頂き、本当にありがとうございました!
私たちが支援する開発途上国の子どもたちへの教育支援などのために大切に使わせて頂きます。
世界の子どもたちの現状をお話しする機会をつくって下さった池田校長先生、本当にありがとうございました。
ご協力下さったその他の先生方や、大学生のみなさん、保護者の方たち、心からお礼申し上げます。
池田校長先生を囲んで。私たちのために8時間もの運転、ありがとうございました!
ありがとうございました!
フリー・ザ・チルドレン・ジャパン 中島早苗、天野Faith