【報告】WE TALK “SOCIAL” 大学生企画 Vol.7「子どもの経験格差 家でも学校でもない場所でできるプロジェクトを作ろう!」を開催
こんにちは!ユースメンバーのりんとあすみです。
7月18日に、WE TALK “SOCIAL” 大学生企画「子どもの経験格差 家でも学校でもない場所でできるプロジェクトを作ろう!」を開催し、小学5年生から社会人の方まで計17名の方にご参加いただきました。
告知当時の記事はこちら
今回のテーマは『子どもの経験格差』。みなさんはこの言葉を聞いたことはありますか?
これは、「あの子はあんな経験してるのに、私はない」あるいは「私はこんな経験してきたけどあの子はしていない」というような経験の有無の違いすべてを含む言葉です。たとえば、家族旅行に行ったことがある/ない、家事をよくする/しない、地域やNGO/NPOなどのイベントや研修に参加したことがある/ない、などさまざまな差のことです。
「経験」は、新たな人・場所・知識・価値観との出会いや、たくさんの「好きなこと」に出会ったり視野を広げたりする機会です。ひとつでも多ければ多いほど、よりカラフルな選択肢のなかから「これ!」と決めて進路を選ぶことができます。
今回のイベントでは、自分の将来を考える・決める上で役立つ物事の経験が少ない子どもたちに向けてできる、実践的なプロジェクト(取り組み)を考えました。参加者の方には、「子どもの経験格差」を知っていただくとともに、「子どもの経験格差」を小さくするための行動を起こすきっかけになれば嬉しく思います。
▶ワークショップのようす
・ケーススタディ
まず、奈良少年刑務所の更生プログラムに取り組む少年の詩『空白』(『空が青いから白をえらんだのです ―奈良少年刑務所詩集―』寮美千子 編 新潮社)を読みました。両親が出ていき、祖母と兄と育った少年の日常に潜む寂しさや、大人になって母と再会し、日常を紡ぎなおす心情が綴られています。
参加者からは、少年がたわいない親子のやりとりをうらやましく思う場面に経験格差を感じたという意見や、両親との何気ないおしゃべりや喧嘩、叱られる経験、将来について話し合う経験がない生活がどんなものなのか初めて想像した、それらすべてが自分の「経験」ということに初めて気が付いた、というような声が聞かれました。
・グループディスカッション
5つのテーマの経験格差を示し(下記画像参照)、各参加者に興味を持っているテーマを選び、さらにテーマ毎に複数のグループへ分かれていただきました。グループごとに、実際に行うかどうかは関係なく、選んだ経験格差を持っている子どもたちに対し、どのような取り組みやプロジェクトができるのか考えていただきました。
グループディスカッション後、各グループのアイディアを全体発表していただきました。どのグループのプロジェクトもとてもワクワクするものが出来上がったので、すべてご紹介します!
(以下のプロジェクトは実際に行うかどうかは検討していません)
テーマ1「異文化経験が乏しい」
・グループ1
英語での読み聞かせ会(オンライン)
全国どこからでも参加できる英語での読み聞かせ会。ネイティブの発音で話せる子どもがスタッフとなり、プレゼントも用意して、英語に触れる機会の少ない子どもたちを迎えます。参加する子どもたちが同じような境遇の子どもたちと出会うことで自信をもち、もっと英語に触れてみたいと思えるようにと考えてくれました!
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・グループ2
本の日の英語読書会(オフライン)
町の人々を集めて英語での読書会を開催。帰国子女や多国籍などのバックボーンをもつ子どもたちが運営し、読み聞かせやクイズ大会も行います。自治体と協力して開催することで、自治体の役員の英語力向上も期待できます。
テーマ2「障害を持つ人や子どもとのかかわりが乏しい」
障害者と過ごす修学旅行
障害をもつ人ともたない人が別なく丸一日生活を共にするという修学旅行。事前に具体的な課題を洗い出して工夫を考えることで、障害者のことを深く知ることができます。きちんと反省会を開き、情報を共有して次につなげていきます。
テーマ3「自分の意見を聞いてくれるおとなとのかかわりが少ない」
子どもとおとな、みんなでつくる町の広場
地域の施設を借り、町のみんなが来られる空間をつくります。子どもとおとながお互いに自由に話し、相談し、教えあい、学びあう。子どもの世界である学校で開催して子どもが大人に向けて授業をしたり、大人の職場に社会科見学に行って仕事内容を間近で見たりと、子ども↔おとなの関わりを豊かにします。
テーマ4「学業や進学への価値観を共有する機会の少なさ」
・グループ1
書道を通じた世代を超えた交流
参加者の趣味である書道を通じて、世代間の交流を図ったイベント。テーマを決めて書を書き、なぜそのテーマにしたのかをプレゼンしあうことで、ひとりひとりの大切にしていることや価値観を共有します。オンライン開催で離れた場所に住む参加者とも出会えます。
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・グループ2
大学生が自分の大学を紹介するオンライン大学説明会
学校説明会は教授だけがするものじゃない!大学のリアルを一番よく知る大学生が中高生に大学を紹介し、相談にも乗ってくれます。世代を超えた交流で進路の幅が大きく広がります。著名人の協力でイベントを広く知ってもらう工夫も考えてくれました。
テーマ5「「あたりまえ」を問う機会の少なさ」
・グループ1
募金活動で貧困を知る
募金活動で貧富の差が大きい国の人々への支援を行います。ただ募金をするだけではなく、「日本ではあたりまえなことがあたりまえでない国がある」ということを知ってもらう取り組みにしようと考えてくれました。
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・グループ2
どんな進路でも目指していい雰囲気づくり
自分の通っている進学校では国立大学を目指すのがあたりまえで、美術大学や専門学校を目指そうとすると先生から止められる、、という参加者の経験から、幅広い進路を知ることができ、どんな進路でも目指すことができる雰囲気、また好きなことを突き詰めて進路を模索できる環境をつくりたいと考えてくれました。
参加者アンケート
・新しい価値観に触れられた。ディスカッションをして、意見を共有することができた。
・経験格差について、必ず経済格差やその原因と結びつけて考えなければならないと思っていたが、あくまでその 状況について考えることが重要であるということを学んだ。
・選択肢を増やすことが将来の人生をより豊かにすることに繋がる、そのために何ができるかという視点がとても 興味深くて面白かったです。
・学んだことをアウトプットできる機会があり、有意義な時間だと感じた!
・今回のイベントに参加している小学生、中学生たちもまた他の同学年の人たちが経験していないようなことを得ていると思うので、ここからさらに横と縦に還元していけたらいいなと感じた。
・経済事情を含めて、周りの大人の考え方に大きく左右される現実を可能な範囲で変えていかないといけないと感じた。
・グループディスカッションのような形式のワークショップに参加するたびに思うが、やはり自分がどれだけ深く考えていても思いつかなかった視点や意見は必ず出てくる。これは自分の視野や知見を広げるのにとても有意義なものだと感じている。
・具体的なターゲットや心配点を挙げることの大切さを感じました。
・今回のようなオンラインイベントに小学生や中学生が参加していることにまず驚いた。このくらいの年齢から高校生や大学生、社会人とこうやってかかわりを持っていることはとてもうらやましく、その経験を社会に還元できる人材に今後なっていってほしいと思う。
・プロジェクトの立ち上げに興味を持ったので、より子どもたちや大人に求められているものは何かを考えて調べたいと思いました。実際に行動を起こせるような機会を作ってもらえたら、問題解決にもっと近づくと思います
これからに向けて
このイベントを通して、参加者の方々が「子どもの経験格差」を自分ごととして捉え、「今日からこのアイディアを実践してみたい」というワクワクを持ち帰っていただけていれば幸いです!
ご参加いただいたみなさま、本当にありがとうございました!