【教材を改訂】児童労働をしている子どもの数が発表されました

 

児童労働者数が1億6000万人に増加

 

ユニセフ(国連児童基金)と国際労働機関(ILO)が、世界で児童労働に従事している子どもの人数の推計などをまとめた新報告書『児童労働:2020年の世界推計、傾向と今後の課題(原題:Child Labour: Global estimates 2020, trends and the road forward)』を、6月10日にスイスのジュネーブで発表しました。

この報告書では、

  • 世界で児童労働に従事している子どもの数は直近20年で初めて増加に転じ、2016年の推計よりも840万人増えた、1億6,000万人と推計される
  • コロナ禍で児童労働に従事する子どもが今後数百万人以上増えることが懸念されている
  • 児童労働に従事する子どもが若年化している、特に過酷で危険な労働に従事する子どもが増加している傾向が見られている

など、世界の児童労働問題がこの4年間で深刻度を増していることが示され、国際社会が一丸となって解決・支援の取り組みを拡大・加速させていく必要があることが提言されています。

 

■新推計数値を反映した2つの教材をリニューアル!

当団体では、国連が定めた「児童労働国際撤廃年」である2021年の6月12日「児童労働反対世界デー」を迎えるにあたり、6月10日に発表されたばかりの最新推計数値を反映し、内容を改訂した「リニューアル版」の2つの教材を公開・販売開始しました。

学校の教材や、自主学習の教材としてご活用いただければと思います。

 

■教材1

無料教材:社会問題を学ぶためのアクティビティ教材(テーマ 児童労働)

児童労働に関する解説、資料、授業/アクティビティ案を収録し、1冊で児童労働に関する授業・ワークショップの実施や自主学習などができるよう構成されています。

 

【教材をダウンロードする手順】
① 「FTCチェンジメーカー教育プログラム」(https://ftcj.org/we-movement/changemakerseducationprogram )へ登録
② 「チェンジメーカー教育プログラム教材一覧ページ」のURLと閲覧用パスワードが登録したメールアドレスに通知されます。(パスワード更新時も同様)
③ 「チェンジメーカー教育プログラム教材一覧ページ」へアクセスし、「社会問題を学ぶためのアクティビティ教材 テーマ児童労働」をダウンロード

 

【ねらい】
子ども、若者たちが、児童労働の現状を理解し、児童労働が私たちの生活とどのように結びついているのかを知り、児童労働や他の社会問題に対する興味、関心を高め、社会問題の解決、SDGs達成に向けたアクションを起こせるようにするための土台を構築する。

【特長】

  • 図表や統計数値に、6月10日に発表されたばかりの最新情報を反映
  • 授業/アクティビティ案、実施時の台本や必要な統計数値、URLなどの情報を収録しているため、1冊で児童労働に関する、学校の授業1~2コマ相当の講義、ワークショップを実施できる
  • 授業/アクティビティ案はサービスラーニング、SEL(Social Emotional Learning、社会性を育み感情のコントロールを学ぶ教育手法)を土台に構成されており、文科省の学習指導要領内の「生きる力」(https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/)の醸成にも活用可
  • 前半に授業/アクティビティ案、後半に児童労働に関する解説、資料を集約。後半のみを印刷、画面共有することで資料集としても活用可
  • 児童労働は子どもの人権を侵害していること、SDG8.7で児童労働撲滅・根絶が定められていることから、子どもの権利条約、SDGsに関する簡易解説も収録、他分野への応用や導入としても利用可

【児童労働について学習した子どもたちの声(抜粋)】

  • 児童労働の背景を知り、消費者という立場から正しい選択をしていかなければならないと思った。
  • 生まれた場所や環境に関係なく、誰もが幸せだと思える世界に一歩でも近づけるよう、たくさん学習して、協力していきたいと思いました。
  • まずは図書館などで貧困状態の子どもたちについて調べ、深く理解してから、世界中に「児童労働などで今も苦しめられている子どもたちがいること」を発信していきたいです。
  • 世界には苦しんでいる人がたくさんいるのに、私達は気づかぬまま過ごしていたのだなと思いました。

 

 

「FTCチェンジメーカー教育プログラム」とは・・・・子ども・若者一人ひとりが社会問題を自分ゴトとして捉え、問題解決に向けたアクションを起こせるようにフリー・ザ・チルドレンが開発したサービス・ラーニング教育プログラムです。上記の教材の他にもたくさんのアクティビティがございます。

ぜひ、こちらのページからご登録ください。

 

※「社会問題を学ためのアクティビティ教材 テーマ児童労働」は「大東建託グループみらい基金」のご支援によって作成されました。

 

 

 

■教材2

リニューアル版「児童労働シミュレーションカードゲーム」

もし、あなたが1人で生きていかなくてはいけないとしたら、食べる物を得るためにどうしますか?
働かなくては生きていけない子どもの人生を体験できるカードゲームです。

詳細:https://ftcj.org/we-movement/texts/childlabor
購入:http://ftcj.ocnk.net/product/50(税込9,350円)

 

【使い方】
参加者は貧しい国の子どもになり、それぞれ好きなカードを1枚引きます。カードには、貧しい子どもが実際に遭遇している過酷な出来事が書かれています。参加者はそのカードに書かれている指示に従い、次から次へとカードを引いていき、児童労働に従事している子どもたちが直面している人生を擬似体験します。

途中で「自立」と書かれているカードを引けばゲームクリア、「死」と書かれているカードを引いた場合はゲームオーバーです。実施者が設定している制限時間(30人で実施する場合は概ね10分)が経過するか、引くカードが無くなった場合は途中でもゲーム終了となります。

 

【特長、前バージョンからの変更点】

  • 児童労働に従事している子どもたちの実態を深く知り、感情移入してもらうため、カードには児童労働に従事している子どもたちが実際に遭遇している状況、出来事を記載
  • 開発途上国でも政府や公的機関による支援活動が活発化しつつあることから、カードのカテゴリに「政府」を新設
  • 従事する児童労働の種類や、従事している子どもたちの内訳が年々変化しているため、カテゴリ毎のカード枚数を最新推計に合わせて調整
  • その他、カード内の文言やデザインの微修正など

 

【「児童労働シミュレーションカードゲーム」を体験した子どもたちの声(抜粋)】
当団体の出前授業で「児童労働シミュレーションカードゲーム」を実施した際の感想を一部ご紹介致します。

  • カードを引く度に、なぜ、どうしてと衝撃を受けた。全て実際に起きていることだと知り、すごく驚いた。最終結果でも、自立ではなく死亡(ゲームオーバー)になったグループが圧倒的に多く、これが現実だと思うと辛くなった。
  • 児童労働カードゲームで、奨学金をもらって学校に通えるようになったが結局退学してしまい、最終的に死んでしまった。資金的支援で終わらせるのではなく、最後までサポートする体制を立てないと支援にならないと思う。
  • 働くか盗むしか生きる手段がなかったことに衝撃を受けた。
  • 児童労働カードゲームで、警察に連行された時点でNGOと接触できていれば生死が変わったかもしれない。官民の連携づくりが大切なのだなと感じた。
  • NGOに救出される子ども達がいたが、実際にはまだ一握りで、運も絡んでしまっているのは不公平だと感じた。

詳細:https://ftcj.org/we-movement/texts/childlabor
購入:http://ftcj.ocnk.net/product/50(税込9,350円)

 

■ストップ!児童労働キャンペーン2021のご案内

 

今年も6月12日の「児童労働反対世界デー」に合わせ、
ストップ!児童労働キャンペーン2021」が今年も始まりました。

 

いま、世界の子どもの10人に1人が「児童労働者」と言われており、さらに新型コロナウイルス感染拡大により、児童労働者数がさらに増えるおそれがあると指摘されています。/span>

 

今年は国連が定めた「児童労働撤廃国際年」。そして、世界の児童労働者数の新推計が4年に1度発表される年でもあります。

 

この児童労働の問題を終わらせるために、「私たちにできること」をこのキャンペーン期間に一緒に考え、アクションを起こしていきましょう。

 

【キャンペーンの参加方法】詳細はこちら

①児童労働について知る

②レッドカードアクションに参加する

③Facebookプロフィール写真に専用フレームをつけて発信する

④6月12日の児童労働反対世界デーのイベントに参加する