【報告】WE Talk “SOCIAL” 大学生企画 Vol.6「子どもの経験格差 家でも学校でもない場所でできることを考えよう」を開催
こんにちは!ユースメンバーのりんとあすみです。
あすみははじめましてなので、簡単に自己紹介させていただきます!
はじめまして!この度初めてWE Talk “SOCIAL”のイベント企画、参加をさせていただきました、石原明日実です。大学2年生で、学校では教育支援について学んでいて、「子どもの貧困」や高齢者福祉に関心を持っています。よろしくお願いいたします!
5月30日に、WE Talk “SOCIAL” 大学生企画Vol.6「子どもの経験格差 家でも学校でもない場所でできることを考えよう」を開催し、小学6年生から社会人の方までおよそ15名の方にご参加いただきました。
今回のテーマは『子どもの経験格差』。
みなさんはこの言葉を聞いたことはありますか?
これは、「あの子はあんな経験してるのに、私はない」あるいは「私はこんな経験してきたけどあの子はしていない」というような経験の有無の違いすべてを含む言葉です。
たとえば、家族旅行に行ったことがある/ない、家事をよくする/しない、地域やNGO/NPOなどのイベントや研修に参加したことがある/ない、などさまざまな形の経験格差が存在します。
私たちは、「経験」とはその子どもが新たな人・場所・知識・価値観に出会い、たくさんの「好きなこと」に出会ったり視野を広げたりする機会であると考えています。
つまり、「子どもの経験格差」は『進路や生き方、未来の選択肢、可能性の幅を拡げる機会の数の差』であるということです。
このような機会は、ひとつでも多ければ多いほど、よりカラフルな選択肢のなかから「これ!」と決めて進路を選ぶことができると思います。
今回のイベントでは、その機会が少ない環境にいる子どもたちに、家や学校といった特別な役割を持つ場所ではない、「あの子と同じ町に生きている私」という立場からなにができるのかについて、時間をかけてディスカッションをおこないました。
参加者の方には、「子どもの経験格差」という考え方を知っていただくとともに、「経験」と「生き方の選択肢の幅」とのつながりの大切さを通して、なぜそれが大きな問題なのか、そして自分たちに何ができるのかということを考えるきっかけを作れていれば嬉しく思います。
ディスカッション
「わたしがあの子にできることは?」
グループディスカッションは3段階のステップに分けて議論してもらいました。まずstep1で今、どんな経験格差が起きている?と問いかけ、考えられる経験格差を挙げていきました。続くstep2ではそれらの原因は何か?を考えました。原因を考える際は自分が関われそうなこと、自分がその原因にアプローチして変化を起こせそうなことを念頭におきながら考えることをポイントとしました。最後にstep3で実際に自分に何ができるだろう?と問いかけ、自分が起こせるアクションを考えてもらいました。
ディスカッション中は実体験に基づく経験格差が挙げられ、格差を感じている当事者の生の声とともに原因や起こせるアクションを考えたため、より実現可能で効果が期待できるものを発案する方が多かったことが印象的です。例えば、視覚障害のある方から、「目が見える人と見えない人とでは視覚的な情報量に経験格差が生じる。また目が見える人に、こうしてほしい、とお願いをすることに躊躇してしまう。」という声があり、この意見に対し、「視覚障害のある人とない人とでキャンプを行い共同生活をすることで、お互いがどんなことができるか、どんなことをして欲しいか、が理解できる」という意見があがりました。このようにして時々、出された案をワークシートを使って確認しながら、複数挙げた経験格差に対し、それぞれの解決策を編み出すことができました。
<参加者の意見>
グループディスカッションで出たアイディアを、ワークシートを見せながら全体に向けて発表していただきました。
・海外経験がない
→ 海外経験がある子と一緒にコミュニティをつくり、体験をシェアしたり、外国の文化や歴史などについて一緒に学んだり、不要になった外国の本をシェアしたりする。
・視覚障害をもつ子どもの経験不足・見える子どもと相互に理解する機会の少なさ
→見える子と見えない子と(他の障害をもつ子も含め)が共同生活を送るキャンプなどを開催する。一緒に行動や実践をしてみることで、お互いにどんなことができるか、どうしてほしいかを理解することができる。
・保護者と子どものジェネレーションギャップのせいで、今の子どもに必要なことを保護者が理解できない
→大学生が子どもと保護者をつなぐ立場に立って、保護者に今の子どもが求めていることを伝え、溝を埋める。
・学校(とくに進学校)での進路指導が学歴を重視していて、「良い大学・良い会社」以外の選択肢を見つける経験をする時間がない
→さまざまな選択肢に進んだ社会人に講演をしてもらい、「良い大学・良い会社」がすべてではないことを伝えてもらう。
このほかにもいろいろな角度からアイディアが出され、他のグループへの感想や意見も活発に交わされ、良いディスカッションができました!
参加者アンケート
<今回のイベントはいかがでしたか?>
・新しい価値観に触れられた。ディスカッションをして、意見を共有することができた。
・子どもの経験格差について、「自分事」としてとらえ、自分たちには何ができるか考える貴重な経験ができた。
・子どもの経験格差が起きる背景や対策が分かった。また、意見交換でたくさんの考えを知ることができた。
・今回、チームで話し合ったからもっといろんなことをしりたくなった。
・グループディスカッションの時間がもう少しあればよかったと思う。
<今回のイベントに参加して気づいたことや新たに知ったことはありましたか?>
・経験格差について、必ず経済格差やその原因と結びつけて考えなければならないと思っていたが、あくまでその 状況について考えることが重要であるということを学んだ。
・選択肢を増やすことが将来の人生をより豊かにすることに繋がる、そのために何ができるかという視点がとても 興味深くて面白かったです
これからに向けて
今回は「子どもの経験格差」について30分ほどレクチャーをしたあと、グループディスカッション・全体共有に1時間以上を費やし、たくさんのアイディアを得ることができました。
この時間を通して、参加者の方々が「子どもの経験格差」を自分ごととして捉え、「今日からこのアイディアを実践してみたい」というワクワクを持ち帰ってもらえていたら幸いです。
今回の続編として、7月18日に「子どもの経験格差 家でも学校でもない場所からできることをやってみよう」と題し、より実践的なワークショップも企画しています。たくさんの方に参加していただけたら嬉しいです!
(2021年6月30日15:30追記)
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