【今日は何の日?】12月3日: 国際障害者デー/International Day of People with Disability

12月3日:国際障害者デー、12月3~9日:障害者週間


<国際障害者デー・障害者週間の歴史>
1971年12月20日、国連は心身障害者の権利の尊重や福祉の確保などを目的とした
「精神薄弱者の権利宣言」を採択しました[1]
1975年12月9日、国連が障害者の人権を尊重することなどを目的とした
障害者の権利宣言(内閣府による抄訳)を採択しました[2]

 

1976年12月16日、リビア政府の提案により、国連は1981年を
国際障害者年(リンク先pdf)とすることを定め、
障害者への理解や社会参画などの取り組みを国際社会に求めました[3]

 

国際障害者年である1981年の11月28日、
日本では「国際障害者年推進本部」(現在の内閣府)によって、
国連が「障害者の権利宣言」を採択した1975年12月9日にちなみ、
12月9日を「障害者の日」と定めました[4](詳細後述)
※法律(障害者基本法)で規定されたのは1993年(平成5年)

1982年12月3日、「引き続き障害者に関する問題に引き続き取り組む必要がある」と
考えた国連は、1983~1992年を「国連障害者の十年」と定め、
「障害者に関する世界行動計画」を策定しました[5]
これにちなみ、1992年の第47回国連総会で毎年12月3日を
「国際障害者デー」とすることを宣言しました[6][7]

 

こうして、国連の「国際障害者デー」は12月3日、
日本の「障害者の日」は12月9日と別々に設定されたのですが、
1995年(平成7年)6月27日、「障害者施策推進本部(旧:国際障害者年推進本部、現在の内閣府)」に
よって、これらを統合して「12月3~9日を障害者週間とする」ことが定められ、
2004年(平成16年)の障害者基本法改正により、法律(障害者基本法第9条2)にも
規定されるようになりました。

 

障害者週間では、毎年、国、地方公共団体、関連団体などが、
障害者の人権や共生社会のあり方などについて、様々なアクションを行っています。


<障害とは>
障害は体(身体障害)・脳(知的障害)・心(精神障害)の3つに大別されます。

さらに細かく分類すると、消化器や免疫に障害を有する「内部障害」、
薬物・アルコール・ギャンブル・ゲーム・スマホなどの「依存症」、
ディスレクシア(識字障害)などの「学習障害」、注意欠陥・多動性障害(ADHD)などの
「発達障害」など、非常にたくさんの種類に分けられます。

 

WHOの推計[8]や国連の発表[9]によると、
・世界の障害者は全人口の約15%または約10億人 (世界の7人に1人は障害を有している)
・世界の障害者のうちおよそ1,000万人が子ども
・世界の障害者の
8割が途上国に住んでいる
といわれています。


<障害者に関する社会問題・生きづらさ>
・障害を理由にいじめや差別を受ける
・福祉保障が不十分で貧困に陥りやすくなる
・学校に通えない
 (貧困のほかに、障害に対応できる学校環境・教育体制、
通学路や通学手段が整っていない、
先生から退学を言い渡されたなど、様々な理由があります)

・障害があることを理由に就職を断られたり、安い賃金(給料)で働かされたり、
 異動、解雇(クビ)などの不当な扱いを受けたりする
・障害を理由に物件への入居を断られる(引越ができない)
(障害を有しているという理由だけで内見(部屋を見ること)を断られることもあります)
など、世界中の障害者が日常でたくさんの不当な扱いを受けており、
「生きづらさ」を感じながら生活しています。

 

こうした不当な扱いや格差を解消するための法律やルールが国際社会で整備されつつあります。
日本でも2016年4月から「障害者差別解消法」(障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律)
施行され(始まっ)ています。
参考:内閣府のリーフレット(pdf)[10]



障害を持つ人たちが不自由なく生活ができる世界にするため、
「社会が障害」になっている状態を解消するために、
私たちにどんなことができるのか一緒に考えませんか?
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<引用>
[1]第26回国連総会決議(1971年12月20日)A/RES/2856(XXVI)
「Declaration on the Right of Mentally Retarded Persons : resolution / adopted by the General Assembly 」
国連デジタルライブラリ(英語)
[2]第30回国連総会決議(1975年12月9日) A/RES/3447(XXXX)
「Declaration on the Rights of Disabled Persons.」(デジタルライブラリ版)(英語)
[3]国連広報センターウェブサイト
[4]内閣府 「障害者週間とは」
[5]内閣府 平成26年版障害者白書 第2章第1節3.(1)
[6]国連 国際障害者デー特設サイト(英語)
[7]第47回国連総会決議(1992年12月16日) A/RES/47/88
「Towards full integration of persons with disabilities into society : a continuing world programme of action : resolution /
adopted by the General Assembly.」 P.5(デジタルライブラリ版)(英語)
[8]世界保健機関(WHO)ウェブサイト
[9]国連 国際障害者デー特設サイト「Background」(英語、右側の「Facts & Figures」)
[10]内閣府 障害者差別解消法リーフレット

<参考>
anan2016年12月21日号・コラム「堀潤の社会のじかん」

 

<関連コンテンツ>

Youtube再生リスト「障害者の暮らし」シリーズ

内容
移動はどうしているのか、メイクや料理の仕方など、
視覚障害者・車椅子ユーザーの日常をお届けするシリーズ。
時間
計29分58秒

教材
動画16本

 

フィリピン視覚障害者支援事業

 

 

病気で両脚を失った、スペンサー・ウェスト
(WEモチベーション・スピーカー、登山家)
によるスピーチ
「Redefining Possible」(訳:”できる”を再定義する)

(2012年、WE Day ウォータールー(カナダ))
※全て英語ですが、自動生成・翻訳されたアノテーション(字幕)を表示しながら観ることもできます。

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今日は何の日!? 国際デーから世界のことを考えよう!

 

ディスカッションのテーマ、子どもが国際に興味を持つきっかけや、

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