オンライン講座vol.1-4のゲスト4名から質問の回答が届きました!【WE Talk “SOCIAL”】

4月27日と30日に開催されたオンライン講座 WE Talk “SOCIAL”でゲストスピーカーをしてくださった専門家たち4名から、講座中に参加者の皆さんから出た質問への回答が届きました(時間の関係で全ての質問に答えられなかったため)


どれも良い質問ばかりで、ゲストの皆さんも1つ1つ丁寧に回答してくださいました。講座の中では学びきれなかった沢山のことを知ることができるので、ぜひ読んでみてくださいね。

講座に参加していない方へ
当日の講座の様子(参加者同士のグループディスカッションの部分は除く)をYoutubeで公開中!ゲストたちの国(マラウイ、ミクロネシア、ザンビア)のことや、各国が抱える社会問題、そして彼らの専門分野についてなど、なかなか知ることのできない情報をたくさん学べる動画になっています。ぜひ動画を見て、その後にこちらの記事に戻ってきて、さらに知識を深めるのに役立てて頂けたら嬉しいです。講座の動画を見るにはこちら


マラウイの環境工学専門家 Tiyamikeさん&Johnさんからの回答

Q. 朝ごはんに必ず砂糖入りの紅茶を飲むということですが、砂糖はどれくらいいれますか?

250mlのコップに、ティースプーン3杯くらい 🙂

Q. マラウイの子どもたちの遊び「Bawo」というのはどんな遊びですか?

Bawoは、4×8つの穴が開いたボード(砂に穴を掘ってボードを作っても良い)と、丸い種や小さい石などを使います。それぞれの穴に2つの石や種などを入れたら準備完了。このゲームは、2人で遊び、ボードの半分ずつ(2×8つの穴)を所有します。このゲームで目指すのは、自分の陣地を守りながら、相手の陣地の1列を空っぽにすることです。
自分の番になったら、自分の陣地の穴1つに入っている石を全て出し、隣の穴に手前から1つずついれます(1方向に入れていく)。

  • もし最後の石を入れた穴にもう1つ石が入っていたら、その穴から一番近い、敵の陣地の1列目の穴を確認します。
  • もしその穴に1つ以上の石が入っていたら、全て取って、一番端の最初の穴から1つずつ入れ直します。
  •  もし相手の穴がからっぽだったら、自分の穴の石を取り出し、隣の穴から順番に1つずつ分けて入れていく。
  • もし後ろの列の陣地が埋まったら、自分の穴の石を取り出し、同じように分けていく。

最後の石を置く時、その穴にもし他の石がひとつもなかったら、そこで自分のターン終わりです。次は相手のターンになります。どちらかのプレイヤーの前列が空になったらゲームは終わりです。

Q. キャッサバはどのように調理しますか?
茹でて、塩で味付けします。

Q. おふたりにとって、「おふくろの味」と言えば何ですか?
Tiyamikeさん:スパイシーチキンカレーとシマ
Johnさん:魚のシチューとグリーンサラダとシマ

Q. マラウイにスマホや携帯はありますか?
はい、あります。77万8千人(人口の41%)が携帯電話を持っています。

Q. マラウイで日本食を食べられるところはありますか?
日本食はマラウイでは一般的ではありませんが、地元の食材で日本食を作る人もいます。例えば、マラウイ湖の魚を使って寿司や天ぷらを作ります。

Q. マラウイと日本の文化で似ているところはありますか?
ありません。マラウイは独自の文化を持っています。近隣の国、特にザンビアやモザンビークとは似ているところもあります。

Q. もしマラウイでコロナウイルスが大流行したら、国は国民の安全を保証できますか?
マラウイの経済とぜい弱な保健制度が試されています。現在、マラウイでの感染者は41名です。もしこのまま感染者が急速に増えたら、これ以上の感染拡大を防ぎ、対処することは難しいと思います。

Q. マラウイの大学進学率はどれくらいですか。また、男女でその違いはありますか。
マラウイは世界で最も大学進学率が低い国の一つで、大学に進学するのは大学生の年齢のマラウイ人の1%以下です。大学卒業者の33%が女性です。

Q. マラウイの通貨はなんですか。
マラウイ クワチャです。

Q. 日本に来て驚いたことはなんですか。
多くの人が電車の中で寝ていて、中には立ちながら寝ている人も!なのに、降りる駅に着くとちゃんと起きていたことです。

Q. マラウイの真ん中の湖で一番珍しい生き物は何ですか?
マラウイにある大きな湖「マラウイ湖」は、たくさんの色々な魚が住んでいることで有名です。500-1000種類もの魚がいると言われています。そしてそのほとんどの種類、特にシクリッド(カワスズメ)科の魚が、マラウイ湖でしか見つからない種類の魚です。

Q. マラウイでは何の環境問題に深く直面していますか?
砂漠化です。多くの人々が薪や炭にするために森林の木を使うためです。

Q.マラウイに一番ある資源はなんですか?
マラウイは、アフリカで3番目に大きな湖「マラウイ湖」をはじめ、豊かな自然資源に恵まれた国です。国内に10の国立公園や野生動物保護区があり、それらの公園には『ビッグ5』といわれるアフリカの代表的な動物-ゾウ、サイ、ライオン、ヒョウ、バッファロー―がいます。それから、マラウイは鉱物資源も豊かで、石炭、石灰石、黒鉛、ボーキサイト、ウランなどが採れます。

Q. 南極上空で観測されるオゾンホールが小さくなっているという説についてどうお考えですか?オゾン層が完璧になると紫外線が増えるということを聞きましたが、具体的にどのような人体への害が与えられるのですか?
オゾンホールは、人間の活動によって発生した汚染により出来たものです。そのため、フロンなどの有害な物質の使用を全世界で禁止した結果、オゾンホールが少しずつ小さくなってきたと言えます。これは地球上に生きる生物みんなにとって、良いことです。なぜなら、オゾン層が有害な紫外線が地球に届くのを防ぎ、私たちの安全を守ってくれているからです。

Q.プラスチックゴミが輸出されて、途上国で処理されてて、それが、受け入れ国の人々の生活環境に悪影響があると知りました。プラスチックゴミ以外に同じように問題になっているゴミはありますか?特にアフリカの状況について教えてください。
マラウイではゴミの輸出や輸入はしていません。講座でもお話ししたように、分別も処理もせずゴミを捨ててしまうことは、人間の健康、そして環境に大きな影響を与えます。

Q.マラウイではどのようにゴミの節約をしていますか?
多くの開発途上国において人々がゴミを減らすためにやっていることは、生ごみを堆肥化(コンポスト)して畑に活用するということです。

Q.マラウイのゴミ捨て場は、フィリピンのスモーキーマウンテンのような状態になっているのですか?
まさに!ゴミの量などの違いはあるかもしれませんが、状況はとても似ています。

Q. ごみ捨て場でごみ拾いをする人たちは、ごみを集めたらそれを売っているのですか?
そうです。ペットボトル、紙、金属など、リサイクル可能なものを拾い集め、小さなリサイクリング工場へ売ってお金にしています。

Q.ごみがなくなる日は来ると思いますか?
私の意見としては、それは不可能だと思います。生活をする上でゴミを出すというのはどうにも避けられません。でも、1人1人が心がければゴミを大幅に減らすことはできます。そして、3R(Reduce=ゴミを減らす、Reuse=再利用する、Recycle=リサイクルする)に基づいて、ゴミを「捨てる」以外にできることを最大限やっていくことが大切です。

Q.教育分野での取り組みについて。子どもたちは小学校やその他の学校で、環境問題について学んでいますか?
はい。マラウイでは、小学校、高校、高等教育において、世界の環境問題について学びます。


ザンビアの鉱物専門家 Pardonさんからの回答

Q.Mining waste(採鉱廃棄物)の問題に関して知りたいです。
Mining waste(採鉱廃棄物)というのは、鉱物を採掘したり、採掘した鉱物を扱う際に発生する、岩を含んだ不要物のことです。ザンビアで発生する採鉱廃棄物には、尾鉱(びこう)と鉱滓(こうさい)があります。
→尾鉱(びこう)と鉱滓(こうさい)って何?
鉱物を採掘した後、採った鉱物を砕いたり、削ったりする作業をします。その後、浮遊選鉱という作業をします。これは、砕いて細かくなった鉱物を化学薬品の入った水に投入し、浮上する物と沈む物で分けて、有用な鉱物を収集するという作業です。この時に分けられて不要となったものを、尾鉱といいます。その次に行うのが、乾式精錬といって、高温で加熱することで金属を取り出します。この時に出る不要物を、鉱滓と呼びます。
これらの2つの不要物をMining waste(採鉱廃棄物)と呼ばれるわけですが、ザンビアではこの採鉱廃棄物を、収集所に集め、積んでそのままにしています。120平方キロメートルにもなる広大な土地が、この採鉱廃棄物で埋め尽くされているんです。その結果、その廃棄物によって、土壌や水を汚染しています。そして、雨の降らない乾季には、その廃棄物が乾き、塵となって風に飛ばされ、近隣のエリアに悪影響を与えています。

Q.小学校の授業スタイルはどのようなものでしたか。教材は何を使いましたか?
教材は、学校で配られる教科書を使っていました。授業中に先生が生徒をグループに分けて、グループごとに先生から教科書が配られました。各教科ごと、複数の種類の教科書がありました。教科書は全て英語で書かれていて、国語のクラスだけは現地の言葉で書かれた教科書でした。社会、環境工学、英語、数学、家庭経済、宗教、チェワ語(現地の言葉)などのクラスがあったのを覚えています。

Q.日本であまり鉱物の価格の変動が大きいというニュースを聞いたことがないのですが、なぜザンビアの鉱物の価格は変動しやすいのですか?
現在ザンビアにおける最も主力の鉱物は銅です。銅の価格というのは、ロンドン金属取引所(LME)によって国際的に決定されています。価格は、その金属の需要と供給のバランスで決められます。供給が多いと価格は下がり、需要が増えると価格は上がります。そのため、一部の地域や採掘所で銅の値段をコントロールするのは困難です。銅ではない他の金属の場合は、採掘業者が値段を直接買い手と交渉したりすることができます。
日本ではあまり鉱物の採掘、特に銅の採掘がおこなわれていないため、金属の価格が大きく変化するということがあまり起きません。

Q.家から学校はどれくらいの距離でしたか?
小学校は家から1キロくらいでした。中学校からは寄宿学校で寮暮らしでした。距離は、中学校は家から10㎞くらい離れているところで、高校は地元から600㎞離れた別の町にありました。

Q.就学率はどれくらいですか?
現在、98%の子どもが小学校に入学しています。最近の報告によると、中学校に進学できるのが67.5%、高校に進学するのが55.3%、大学進学率は8.9%です。

Q.鉛の汚染について、どのような対策が取られていますか?
まだ完璧な対策はありませんが、JICAの5年間の研究プロジェクトが進められていて、Kabweという町の鉛汚染の問題の解決策が研究されています。このプロジェクトはKAMPAI(カンパイ)プロジェクトと名付けられ、ザンビア大学と北海道大学が共同で行っています。

Q.ザンビアではどんな産業が盛んですか?
ザンビアの主産業は、銅の採掘、飲料、食料、化学製品、化学肥料、園芸、観光、農業です。

Q.鉱物の採掘はザンビアの中心産業ですか?
はい、鉱物採掘がザンビアの主産業です。最近のレポートによると、国からの輸出の総額の70%、GDP(国内総生産)の30%を鉱物が占めています。

Q.先進国からはどのような影響がありますか?
ザンビアは平和な国です。他国と鉱物のことで揉めた事もないですし、政府は海外からの鉱物資源への投資を歓迎しています。

Q.日本の国際協力にはどのようなことを期待しますか?
2つ、願いがあります。1つめは、技術の伝授です。既に北海道大学とザンビア大学の共同プロジェクトで行っているような大学間の連携を、さらに他の大学とも広げていってほしいです。
2つめは、ザンビアへの投資です。日本の企業や投資家にザンビアへの投資をしてほしい。ザンビアには水、土地、鉱物など豊富な資源があります。特に、鉱物資源の分野の秘めている可能性は大きく、大きなスケールでも小さなプロジェクトでも、投資をするチャンスが広がっています。天然ガスや石油資源を持っている可能性が大きいという調査結果もあります。ザンビアは政治的に安定しているし、海外の投資家を守るための法律も整備されています。

Q.鉱物を取り巻いた内戦や、民族対立などはありますか。
民族対立はありません。ザンビアには72の民族(部族)が暮らしていますが、国としてまとまりがあり、平和です。


ミクロネシアのDaynさんからの回答

Q.どうして州によって使う言葉が違うのですか?
ミクロネシア連邦に属する島々は、かつて、そして現在も、それぞれの独自の文化や言葉を持った独立した島です。植民地化によって、それらの独立した600の島が「ミクロネシア連邦」という国としてまとめられました。

Q.それぞれの州の違いはなんですか?
チューク州:最も人口が多く、たくさんの小さな島によって構成されている。
コスラエ州:小さな島、人口も最も少ない州。
ポンペイ州:最も近代的で、一番大きな島。
ヤップ州:とても伝統的な文化を持った島。

Q.お袋の味といえばなんでしょうか?
母が昔、よくパロットフィッシュ(ブダイ)という魚を揚げた料理を作ってくれました。この魚は、海岸沿いのサンゴ礁によくいる魚です。
あと、揚げたプランテーン(バナナ)もよく出てきましたね。
残念ながらパロットフィッシュは今は絶滅危惧種に指定されているので釣ってはいけないとされています。

Q.ドリアンはありますか?
私の国にドリアンは存在しません!

Q.ナンマトル(の遺跡)はどれくらいの大きさですか?
1.5キロメートル×500メートルくらいの敷地で、高さは、一番高いところが8-10メートルくらいあります。

Q. 石の貨幣は当時どのように使われていたんですか?
ヤップ州では、結婚の時の貢ぎ物としてだったり、相続、または政治的なやり取りなどに、石の貨幣が取引されていました。

Q.伝統のダンスを踊る時の衣装は何でできていますか?
衣装には、草などが使われています。

Q.ミクロネシアでは、海面上昇などでなくなってしまう可能性のある島々はありますか?またそのことについてどう思いますか?
ミクロネシアでは、海面上昇というのは、高潮のように、どんどん潮が高くなってくるという感じで、それによって海水が一部、道路に届いてしまったりする時もあります。ミクロネシアの隣国のマーシャル諸島は、ミクロネシアよりも地形が平らなので、より深刻な影響を受けていて、建物が海水で流されてしまったりしています。

Q.ミクロネシアの料理は日本で再現可能ですか?
ミクロネシア料理のほとんどが「Uhmw」と呼ばれる土のオーブンを使って作られます。このオーブンに温めた玄武岩を入れて使います。なので、これがないと本当のミクロネシア料理を作るのは難しいです。ただ、日本のように私たちもたくさん魚と米を食べるので、そこは似ていますね。

Q.世界には地球温暖化によって沈んでしまう島がたくさんあるそうですが、ミクロネシアではどのように影響していますか。
上の質問でもお答えしたように、太平洋の国々では温暖化による海面上昇の影響が出てきています。ポンペイ島、コスラエ島、チューク島、ヤップ島のような比較的大きな島はそこまで影響は大きくないですが、サンゴ礁に囲まれた小さな島々では、島の内部にまで海水が入ってきたりしています。

Q.ダンスをするのは男性だけですか?
プレゼンテーションでお見せした「Jipwiki Parano」というポンペイ州の伝統的な戦のダンスでは、男性が踊り、女性は歌と太鼓を担当します。しかし、これ以外のほとんどの伝統的なダンスでは、女性も踊ります。特にヤップ州の伝統ダンスでは女性が踊ることが多いです。

Q.ミクロネシアでは農業などに影響は出ていませんか?
他の島に住んでいる私の親戚はタロイモを育てているんですが、海水が畑にだんだん入ってくるようになって困っていると言っていました。タロイモは通常、沼地のようなところで育て、その根っこを収穫するのですが、そこに海水が入るとタロイモの生育によくありません。

Q.ミクロネシアでは将来沈没する危機にあるという問題はありますか?
これに関しては私は専門ではないですが、その可能性はあると言われています。そのため、太平洋の島国のリーダーたちが中心になって、気候変動の問題に対する啓発運動がおこっています。

Q.ミクロネシアではプラスチックの使われ方は日本と同様ですか?
ミクロネシアでもレジ袋など、使い捨てのプラスチックがたくさん使われています。ただ、包装に使うプラスチックは日本ほど多くはありません。

Q.自国のインフラの質が低いと分かったのはなぜですか?
車で学校や仕事に通っている時、もしくは病院に行かなければいけない時、どこかの施設に行く用がある時など、毎日毎日、目の当たりにするからです。道路を歩いていて、道路に水があふれていたりすることもしょっちゅうです。

Q.塩水によって具体的にどのようなことが道路に起こるんですか?
多くの建物などがそうであるように、道路というのも、中は金属や鉄で作られています。塩によって金属がサビてしまうので、構造が弱くなってしまいます。また、水によって道路にできた穴やくぼみはどんどん大きくなってしまいます。

Q.ポンペイ島の道路の状況は、ミクロネシアの中で良い方ですか?悪い方ですか?
ミクロネシアの中ではポンペイの道路は、良く整備されている方です。ポットホール(道路にできるくぼみ)は沢山ありますが、島全体に舗装された道路が整備されています。他の島では、ほとんどの道がサンゴを固めて作っているので、砂の道のような感じです。サンゴ(海から取ってきた)なので、塩も混じっている砂です。そのため、車の金属がサビてしまったりダメージを受けやすいです。

Q.現在道路整備で行われていることはありますか?
私の国において、とても残念なことは、道路の整備について、いつ道路を整備するべきか、などを決めるのは全て政治家の役割になっていることです。政治家は、道路の専門家ではないのに、予算などは彼らが決めてしまいます。そのため、道路の補修がすぐに必要なのに、なかなか手がつけられないこともあります。

Q.大学進学率は高いのですか?
進学率については私はきちんと把握していませんが、ミクロネシア連邦には2年制の短大が2校あるだけで、4年制の大学は1つもありません。なので、大学へ行く人はみんな国外の大学へ進みます。