【実施報告】「世界一大きな授業」に、全国から5万人以上が参加!
世界中の子どもたちが教育を受けられることを目指して、世界中の子どもたちが同じ期間に一斉に世界の教育事情について学ぶ「世界一大きな授業」。2012年4月16日から30日までの実施期間中、全国から502校・グループ、55,485人が参加しました。 「世界一大きな授業」は2003年から毎年行われていますが、今回の参加人数は過去最多となりました。
■「世界一大きな授業」イベント編
キャンペーン前日の2012年4月15日に、より多くの人に「世界一大きな授業」を知ってもらうために、JICA地球ひろばにて「おじいさんと草原の小学校」上映会が行われました。当日は、10代から70代まで幅広い年齢層から220人が参加。映画上映後のトークセッションでは、幼稚園から高校までアフリカで教育を受けた大学生と、ガーナのスタディツアーに参加したという大学生2人をパネリストに迎え、誰もが教育を受けられる世界の実現について何ができるか、参加者と一緒に考えました。
会場は満員御礼
NGOの活動紹介ブースの様子
トークセッションの様子
©すべてJNNE
【参加者からの感想】
・初めてこのようなイベントに参加しました。大学生の身近な体験談が聞けて私も何か考えてみたいと思えました。
・会場には幅広い年齢層の方がいて、その中で、これからの日本を背負っていくような若い人がメッセージ性の強いトークセッションを行うことはとても良いことだと思いました。
■「世界一大きな授業」学校編
今年は「震災から見えてきた教育の大切さ」をテーマに、全国から502校・グループ、55,485人が参加。2004年のスマトラ沖地震・津波で被災したインドの子どもたちが、地域再生に取組む様子を映した映像教材を使った授業が行なわれ、世界中の子どもが学校に通えるようになるために、自分たちにできることを考えました。また、野田総理大臣や国家議員に取組んでほしいことをメッセージに書きました。FTCJのメンバーも学校の先生に働きかけて授業をやってもらったという報告がありました。また、学校以外にも、企業、ガールスカウト等さまざまな年齢層の方にご参加いただきました。
燕南小学校(新潟県)
扶桑中学校(愛知県)
沖縄水産高校(沖縄県)
平安女学院(京都府)
昭和女子大学(東京)
©すべてJNNE
【参加者からの感想】
・子どもたちが中心となって地域のために真剣に話し合い、活動していることを知り、自分達も募金活動をしたり、何かできることをしたいなと思いました。
・僕たちはどうしても途上国のことを他人事だと思っちゃうけど、この問題は他人事じゃないと思います。
・もっと支援のお金が増えるように呼びかけてほしい。国際協力は難しいイメージがあるが、実は小さなことから貢献できるというのを発信してほしい。
・同じ子どもなのに、学校に行ける子といけない子がいて、大人は何とも思わないのだろうか。
・こういった世界の教育問題を自主的に知ることは難しい。日本の教育に“世界を知る”ことを重視した学習を取り入れるべきだ。
使用教材などは、キャンペーンのホームページでご覧いただけます。
「世界中の子どもに教育を」キャンペーン2012
http://www.jnne.org/gce2012/
■「世界一大きな授業」国会議員編
2012年4月24日(火)には、高校生が「先生」に、国会議員が「生徒」になる、「国会議員のための世界一大きな授業」を開催。高校生が進行役となり、学校に行っている場合と行っていない場合とで、どのように人生に差が生まれてしまうかを体感する‘No Education, No Life’ゲームを実施しました。イベントには、岡田副総理も含め国会議員26人(うち代理:9人)、外務省、文部科学省、NGO関係者合計66名が参加。メデイア14社からの取材もありました。
司会と授業は高校生8人で担当
ゲームを体験する国会議員
岡田副総理は2回目の参加
高校生からのインド・スタディツアー報告
NGOから政府への提言
高校生と議員の皆さん
©すべてJNNE
子どもたちによる授業をぜひ映像でご覧ください!
子どもたちが国会議員に授業
http://www.ustream.tv/recorded/22087669
【ゲームを進行した高校生から国会議員へのメッセージ】
・ゲームでは「課題をクリアしてください」と言いましたが、「他のグループを助けてはいけません」とは言いませんでした。「終わったグループは自由にしてください」と言いました。でも、他のグループを助けるグループはありませんでした。「そんなこと教えてもらわないとわからない」「自分のグループのことで精いっぱいで助ける余裕はなかった」「ルールにないことはできない」と思うかもしれません。でも実際に世界で起こっている問題も同じではないでしょうか?問題は探しにいかないと分かりませんし、自分のことで精一杯だと問題が起こっていても気づかないかもしれません。自分にできることは無い、自分には関係ない、と思っていても、どんな小さなことでも自分にできることがあるはずです。学校に行くことができない子どもたちのために、私たちにできることを、もう一度立ち止まって考えていただきたいと思います。
【参加した議員の感想】
・世界にはまだまだ教育を受ける機会のない子どもたちがたくさんいるので、日本政府も頑張って、NGOにも頑張ってもらって、世界中の子どもが教育を受けられるように協力していかなくてはならないと思います。日本が明治維新の後、厳しい状況で発展したのは教育のおかげだと思う。日本の政府開発援助(ODA)も教育にもっと力を入れていかなければならないということが良くわかりました。
・自分たちと同じぐらいの年齢の子どもが教育を受けられないために、自らの可能性を大きな夢に変えることができない現状をしっかりと見つめ、提言しているのは素晴らしいチャレンジだと思います。今日の授業を受けて、基礎教育の重要性が改めて思い起こされました。若い皆さんの発言をいろいろな所に発信してほしいと思います。
今後は参加者から集めた途上国支援を願うメッセージを日本政府に提出するほか、キャンペーンHPで参加者からの感想を紹介していきます。ぜひご注目ください。
最後に・・
「世界一大きな授業」は、世界180カ国のNGOや教職員が運営するネットワーク「教育のためのグローバル・キャンペーン」が各国で実施。日本では、途上国で教育協力を行う教育協力NGOネットワーク(JNNE)が主催しています。フリー・ザ・チルドレン・ジャパンもJNNEの一員として参加しており、FTCJの子どもメンバーが議員会館の授業を担当しました。議員会館の授業では子どもたちの授業にハラハラしましたが、みな立派に先生役を務めてくれました。子どもたちの思いが議員のみなさんにも届いたはずです。2月から準備を重ねて、授業を担当した子どもメンバーのみなさんお疲れ様でした!