愛をこめた言葉の花束を

言葉によって、励まされたり感動したりしている私たち。その

言葉を届けるアクションを起こしたことで、生徒たちが心を一つに

できた学校があります。(清田)

https://www.we.org/stories/we-are-love-activity-spreads-kindness-among-students-on-valentines-day/

 

 

12人の生徒と紙で作られた900枚のハートが大きな変化

をもたらしました。

 

カリフォルニア州、カーメル高校の生徒たちにとって、数多く

のハートが意味することは、初めてのWE(フリー・ザ・チルド

レン)のキャンペーンがまさに成功したということです。

 

「『WEは愛』は初めてのプロジェクトのひとつでした。」リー・

キャンブラはこう語りはじめました。リーはこの高校の養護

教諭であり、WEスクールのリーダーでもあります。ポジティ

ブなエネルギーをシェアし、みんなを元気づけることを目的

としたアクションプランをスタートし、まず初めに生徒たちと

手作りのカードを作ることから始めました。そのカードには

友達や家族、ご近所さんへの思いやりの気持ちを記しました。

 

「私たちの学校は小さいですが、このキャンペーンは大して

お金がかかりませんでした。ですから、これができることだと

分かっていました。」リーは言います。「かかった費用はすべ

てで11.99ドルだけです。愛を表現するピンク、赤、紫の色紙

のお金だけです!」その色紙は地元の文具店で購入し、必

要なハサミは借りました。

 

始めた当初はたった12人のグループでしたが、みんなが個

性を出そうとやる気に満ちあふれていました。最終的には、

900枚のハートの形をした紙を印刷して切ることになりました。

高校の生徒一人につき一枚です。そして一人ひとりが自分の

想いを書いたのです。先生たちはバレンタインデーの前夜に

集まって、すべてのハートを学校中に貼りました。「翌朝にな

って、生徒たちが』学校に来たときにそこら中ハートだらけだ

ったのです。」そして生徒みんなが、自分の書いたハートがそ

こに含まれていると分かっていました。

 

 

楽しそうに聞こえるかもしれませんが、このキャンペーンを

始めたときは簡単なことではありませんでした。事実、ハー

トの紙を切るだけで1ヶ月以上もかかったのです。リーはこう

言います。「このキャンペーンは、お金をほとんどかけていま

せん。ですが私たちにお金で買えないモノをくれました。自分

のやったことが他の人の一日にどんな変化をもたらすことが

できるか、誰も分かりません。でも、生徒たちが人を想い行動

を起こすということは、他の人たちだけでなく、行動を起こした

生徒たち自身にも良い影響を与えるのです。」

 

カーメルのWEクラブが学校に影響を与えているのは素晴

らしいことです。生徒たちは『WEは愛』で使ったハートを、

感謝の気持ちを思い出すしるしとしてバインダーやロッカ

ーに貼っています。しかし、リーは重要なことを教えてくれ

ました。それは、一番このキャンペーンに感銘を受けたに

違いないのは、このキャンペーンについて表立った反応を

示していない生徒たちだということです。「どれだけの影響

があったかは誰も分かりません。自分のハートを誰とも共

有しない生徒もいます。でもこのハートを持っていることで、

生徒たちが学校に「自分たちもこの学校の一員なんだ」とい

う感覚を生んでいるのです。」リーは心からこう言います。

 

思春期真っ盛りの生徒たちと関わる中で、リーはいかに生

徒同士のグループが学校を分断するかを知っています。だ

からこそ、すべての生徒の心を一つにする方法を見つけた

ことに感謝しています。「生徒たちはみんな、バラバラになっ

ています。所属するクラブ、取る授業、一緒に遊ぶ友達など

で。そのようななかでも、一つになる経験があるのは素晴ら

しいことです。お互いのことを知らなくても相手を思いやるこ

とができるということを示す機会があるというのは素敵なこと

です。ここでは私たちはみんな一緒なのです。」と、リーは言

います。

 

今や、カーメルのWEクラブはメンバーが60人と大きくなり

ました。「学校で一番大きいクラブです。」リーは嬉しそう

に言います。大きくなり、いろんなキャンペーンをする準

備ができました。クラブはチェンジメーカーとしての初め

ての成功を忘れるつもりはありません。生徒たちががっ

かりしてしまうからです。リーは笑って言います。「今では

この学校のみんなが、ハートが届くのを毎年楽しみにして

いるんですからね。」

 

(原文記事執筆: エイミー・ヴァネス  翻訳:翻訳チーム

北澤麻紀 文責:清田健介)