【さしこ@アンバサダー2018】Vol.2 中学3年生フィリピンスタディーツアーへの参加
こんにちは、さしこです。
今回は、私が大きな1歩を踏み出すことになった、フィリピンスタディツアーについて振り返ろうと思います。
前回書いた通り、中学三年生でフリー・ザ・チルドレンに関わり始め、高校生になる直前の春休みに参加させていただきました。貧困解決に興味があるものの、調べるのと現地で実態を見るのとは大きな違いであり、私は後者に憧れを感じていました。フィリピンにぜひ行きたいと切望しつつ、その思いを実際に言葉にして家族の許しを得るのは自信がありませんでした。
でも、やってみて損は無いものです。言葉足らずながら家族と話すと、最終的には行くことを許してくれました。その過程で、「子どもが、お金を払って貧困状態にいる同い年の子を見に行くという構図に違和感を感じるが、どうか」という親の懸念に、私は答えられないままでいましたが、その後ツアーに参加できることになった時、逆にこの問いを大切にしようと思えました。
そうして初めて訪れた「開発途上国」のフィリピンでは、その南国の穏和な人柄と土地・文化の開放感に恋に落ちました。今までも「物質的に貧しい=可哀想」という偏見を疑っていましたが、この経験から自信をもってこれを否定できました。物質的な豊かさ・貧しさはそれぞれにプラスもマイナスもあり、従って一方的に前者を押しつける姿勢は違う。
例えば(ベタですが)、スラムの子ども達はすごく仲良しで、農村の子ども達は自然と共生していて、笑顔がとびきり素敵でした。日が暮れるまでの鬼ごっこは楽しかったです。そして一方で、日本ではめったに表面化しないような悲しさを多く抱えていました。虐待され性産業に売られた年端もいかない女の子が、直接私たちに過去のことを話してくれた時の衝撃は忘れません。フィリピンも日本と同じように売春・買春は犯罪ですが、警察の取り締まりが行き届かず性産業で人身売買の被害に合う子どもが多数存在します。そして、その性産業を支えているのは海外からの観光客で、日本人も含まれているということを怒りをもって付け加えておきます。
このように、現地で出会えた方々は、私に「それでも毎日生活している」ということを実感させてくださいました。スラム街で交流した家族とは今でもSNSで連絡をとっています。その日その日を切り詰めて生活し団体の援助を受けながら、彼女らは魚を買って料理して、学校の成績で一喜一憂して、式典にはおしゃれして、と私たちと同じように生活しています。書物や写真で見るような「途方に暮れた人々」も、実際次の日にはこのように個々の人生を逞しく生きているのだと思うと、尊敬の念が湧いてきます。
今でも経験は何よりも尊いと信じています。
もし何か実際に行動を起こしたいと考えている方がいらっしゃいましたら、ぜひやってみて下さい。