開発教育協会(DEAR)機関誌『開発教育』第66号に執筆した記事が掲載されました。

12月に発行された、開発教育協会(DEAR)の機関紙の▼特集「教育の画一性を問う」の実践編で子どもの権利の主体者である「子ども」からのメッセージについてを代表 中島が執筆しました。子どもメンバーのスピーチや、子どもメンバーの保護者からの声も盛り込んだ内容となっております。

ぜひご覧ください。

 

以下DEARからのメールより転載です。

開発教育協会/DEARでは、この12月に機関誌『開発教育』の最新号を発行しました。今号のテーマは「教育の画一性を問う」です。

日本の子どもたちの教育の問題は、「国連子どもの権利条約」の実施状況に対する総括所見にあげられた課題を土台として、学校でのあらゆる差別をもとにしたいじめ、不登校、外国籍の子どもの不就学、家庭の経済的理由による不進学や学力格差、「待機児童問題」とされる未就学児の不安定な教育環境、特別支援教育における人員配置や環境の不十分な体制など、枚挙にいとまがありません。

さらには、虐待や性的搾取、体罰といった暴力にさらされ、生活そのものが脅かされている子どもたちもいます。

今回の特集は、こうした教育における排除の問題に取り組み、教育の質的保障を達成していくためには、日本の教育制度や文化にある具体的な「画一性」の問題に向き合わなければならないのではないかと考え設定されました。

厳しい(理不尽な)校則の存在、一斉授業や「整然と成し遂げる」ことを求める学校行事の形態、ナショナルカリキュラムとしての学習指導要領の拘束力、といった自明のように考えられているものを含めた問い直しです。

画一性は、日本社会に生きる私たち一人ひとりの内部にも無自覚のうちに植え付けられ、身体化しています。「ふつう、こうだ」という言葉は、私たちは「当たり前」や「常識」といった価値観を共有するときに使いますが、本来「ふつう」の感覚は人によって異なるはずであり、この断定は自身が持つ「ふつう」の価値観を押し付けにつながりかねません。

教育にある画一性は、おとなの人権感覚がそのまま反映されたものであり、子どもたちの権利から教育を考えるためには、おとなが大きく問われることは言うまでもありません。持続可能な社会づくりや子どもが主体的であることを本当に願うのであれば、自分の「当たり前」がそうではないという事実を引き受け、常に流動的に取り組み続ける覚悟が必要です。

本書が今後の更なる開発教育の議論や実践、活動につながることを期待しています。

ぜひご覧いただき、ご意見をお寄せいただけますと幸いです。

 

▼概要

・発行:開発教育協会/DEAR
・2019年12月10日発行、B5判116頁・価格:一般2,000円+税(2,200円)、会員1,600円+税(1,760円)
※DEAR会員の方には12月中旬に1部無料でお届けします。 

▼特集「教育の画一性を問う」

・特集にあたって

<基調講演+対談>
・多様性が認められない社会への提言ー人権や教育の視点から(藤本伸樹×榎井縁)

<理論編>

・国連子どもの権利条約30周年(甲斐田万智子)
・特別の教科・道徳と開発教育(高橋寛人)

<実践編>

・外国人が暮らしやすい社会をめざして(小島祥美)
・個がつながる学級づくり(折笠由香里)
・子どもの権利の主体者である「子ども」からのメッセージ(中島早苗)

<インタビュー>

・違っている方がいいー「楽しい学校」が育む「世界を変えられる」子どもたち」(世田谷区立桜丘中学校・西郷孝彦校長)

▼d-lab2019(全国研究集会)報告

・全体報告 
・プログラム 
・全体会:わたしたちが、社会を変えるチカラになる。
・課題別分科会1:あなたのバナナは「いいバナナ」?
・課題別分科会2:中国帰国者と多文化共生
・課題別分科会3:SDGsの基本理念を考える
・課題別分科会4:南米発祥”ビオダンサ”
・課題別分科会5:SDGsと授業づくり・地域づくり

▼投稿論文

・開発教育における難民問題学習とその課題(鈴木隆弘)
・2022年から必修科目となる地理総合を見据えた高校地理Aの授業実践報告(吉崎亜由美)

▼お問合せ・ご購入申込
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Tel: 03-5844-3630 Fax: 03-3818-5940
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http://www.dear.or.jp/books/482/

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