不安や恐怖ではなく、希望を抱いて気候変動に立ち向かうべき理由

クレイグのコラムの紹介です。

https://www.we.org/en-CA/we-stories/opinion/craig-kielburger-fight-climate-anxiety-with-hope

いまの時代は、「希望を持て」といわれてもなかなか難しいです。

カリフォルニアは相変わらず山火事で燃えています。

アイスランドでは溶けた氷河の追悼式が行われました。また、100万種もの動植物が絶滅の危機に瀕しています。

 

私たちの日々の暮らしから家計まで、私たちはあらゆる場面で気候の激変を痛感するようになりました。

しかし、この現状に果敢に対応していくためには、その原動力となってくれる希望を見いだす必要があります。

 

現状では、新聞やネット、国際的な会議においても、恐怖が原動力となっています。

気候変動が解決するまで子どもを持つことを拒否する、「出産ストライキ」を宣言する若者も現れています。

気候変動に関するメディアの報道だけを見ていれば、世も末だと感じ、暗い気持ちになるでしょう。

 

このような悲観論は、世界中の人たちのこころの健康に悪影響を与えます。

日々熱くなる地球が直面している脅威を目の前にしながら、対処しようとするなかで、気候変動に関する絶望感だけが頭のなかに残れば、心を蝕んでしまいます。

ある程度の不安感を抱くということは、自然なことですし、ときにはそれが、原動力を持つための助けになることもあるでしょう。

しかし、不安感が絶望感に変わってしまうと、解決策を探る意欲を削いでしまいます。

 

恐怖感が私たちのこころを掌握しても、良いことは何ひとつありません。

恐怖感にさいなまれるくらいなら、それを現実的なアクションを起こすためのエネルギーに変えるべきです。

そもそも、個人であろうが社会であろうが、私たちは誰も完璧な対応を取ることなどできません。私たちの成すことのすべては不完全であり欠陥があるのです。そのことを受け入れることで、初めて私たちは前に進むことができるのです。

まだたくさんの希望があります。

そう思う理由をいまから説明します。

 

数年前まで、再生可能エネルギーの技術は膨大な費用がかかるといわれていました。

現在、中国では太陽光電力が既存の電力源より安くなっています。

現代はまさに転換期の時代です。

アナリストは、再生可能エネルギーが今後10年以内に世界で最も安価な電力源となるだろうと予測しています。

 

また、冷蔵庫の進化から女子教育に至るまで、思いもしなかった分野で気候変動の解決策が見出されることもあります。

家電業界は、冷蔵庫などに使われている、有害性の高い代替フロンから、アンモニウムなどの自然冷媒へ切り替えていくことに合意しました。

消費者としては、古い家電などを中古として売り出すなどして、適切な処分を行うだけでも、大きな変化を起こすことができるでしょう。

女子教育もCO2削減につながります。

教育を受けた女性は家計をより良くし、より良い農作業を行うことができます。

気候変動への地域の耐久性を強化することにもつながるでしょう。

 

話題になりつつある解決策もあります。

最近では欧米を中心に代替肉が定着しつつありますが、日に日に拡大している代替肉の市場は、民間が行う強力な気候変動対策になり得ます。

別に心の底からベジタリアンやヴィーガンになる必要はありません。

しかし、肉を食べることを控えることが、個人でできる最大のCO2素削減策になると指摘する専門家もいます。

 

最近では、アマゾンが2040年までにCO2排出ゼロを目指す気候変動対策を発表しました。

パリ協定が目標としている2050年より10年早いです。

他の企業が追従すれば、CO2の削減は大きく進みます。

 

私たちは、気候変動がどのような問題であるかも分かっていますし、その解決策も分かっています。

代替肉を食べることや、ソーラーパネルを導入することなどは、個人でもできる気候変動対策です。

しかし、他の大部分の解決策は行政や大企業が構造的に取り組む必要のある解決策です。

再生可能エネルギーや農業の気候変動対策の推進を先導して頂けることを希望します。

 

気候変動に関する警鐘がいたるところから聞こえますが、警鐘を鳴らすだけでは人は行動を起こしません。

気候変動は恐ろしい事態ではありますが、不安感に襲われると、人は諦めるということが研究でも明らかになっています。

「行動を起こさないと命が無いぞ!」と言われると、何もできなくなってしまうのが人間の性なのです。

 

あらゆる問題に対する社会の無関心を打ち砕くことができるのは、希望だけです。

希望を持てるようになったとき、人は初めてアクションを起こすことができるのです。

 

参考リンク

 

暗いニュースが与える心理的悪影響

 

https://www.huffingtonpost.jp/2015/02/26/violent-media-anxiety_n_6757644.html

 

アイスランドで行われた氷河の追悼式

 

https://www.47news.jp/news/3898485.html

 

気候変動による動植物絶滅の危機

 

https://www.bbc.com/japanese/48182496

 

気候変動によって増える家計への負担

 

https://mainichi.jp/articles/20191122/k00/00m/020/182000c

 

気候変動を理由に出産を拒否すると宣言する若者たち

 

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/09/post-13026.php

 

低価格化する中国の再生可能エネルギー

 

https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4072/

 

安くなることが予想される再生可能エネルギー

 

https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=874

 

急がれる脱フロン対策

 

https://www.asahi.com/articles/DA3S13856642.html

 

気候変動対策にもなる女性への教育

 

https://www.international-press-syndicate-japan.net/index.php/news/politics-confict-peace/2876-why-women-matter-for-effective-climate-change-solutions

 

拡大する代替肉市場

 

https://www.afpbb.com/articles/-/3257872

 

肉食を控えれば気候変動対策になるという提言

 

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/08/post-12762.php

 

2040年までにCO2排出ゼロを宣言したアマゾン

 

https://japan.cnet.com/article/35142904/