クレイグとマークが、カナダに提案する新年の目標

2019年最初のクレイグとマークのコラムの紹介です。

 

https://www.we.org/stories/new-years-resolutions-canada/

 

 

新年の目標というと、個人的なことになりがちです。「早く寝よう」とか、「スマホを見過ぎないようにしよう」とか、「ダイエットしょう」とか。

今年、私たちはほんの少しでっかく構えて目標を考えてみることにしました。

 

「カナダという国家が掲げるべき新年の目標は何だろう?」と。

 

今回は、二つのカナダが抱える国内外の問題に関する目標を考えてみました。

カナダが(そして私たちひとりひとりが)、2019年に世界をよりよくするために取り組むべきことを考える参考にしてください!

 

外交問題:イエメン

 

2018年は、イエメンでの内戦の発生から4年目を迎え、既存メディアの報道も増えた年となりました。

そんないまこそ、行動を起こすべきときです。85,000人ものイエメン人の子どもたちが、餓死で亡くなり、その数は現状のままでは今後も増える可能性があります。

戦火の中で空爆を逃れた学校でも、ほとんどの子どもたちが欠席し、ゴミ収集などの仕事をして家計を支えています。

教育を受けられなかった「失われた世代」が、イエメンに誕生する危機がもうすぐそこに迫っています。

 

2018年末、停戦に向けた協議が行われました。カナダにはそこで果たせる役割があります。

紛争当事者への兵器の販売を止めるべきです。そして、私たちもカナダ政府に対して、平和主義的な解決策を模索しているアメリカの議員への働きかけを強め、議員たちが可決した平和主義的な決議を支持し、カナダとしてアメリカ政府に圧力を強めるよう呼びかけるべきです。

 

(訳注:イエメンでの内戦に深く軍事的に介入しているのがサウジアラビアだが、カナダを含む欧米諸国は、中東の安全保障政策においてサウジアラビアと軍事的には長年協力関係にあったため、サウジアラビアへの批判を控えてきた。しかし、カナダのトルドー首相がサウジアラビアへの兵器輸出凍結を検討し、アメリカの議会もサウジアラビアへの軍事支援停止を求める決議を可決するなど、状況は変化しつつある。)

 

みなさんも、ユニセフや世界食糧計画、国際救済委員会などの機関への寄付を通じて、命を懸けてイエメンでの支援活動を行っている人を支援することができます!

 

内政:社会的企業への支援の強化

 

NPOはカナダ社会の縁の下の力持ちです。NPO業界は社会問題の解決に取り組んでいるだけでなく、200万人の雇用を生み、カナダのGDPの8.1%を占めている業界でもあります。

 

政府による予算の削減が進み、市民社会からの寄付も先細り化している世の中の流れのなかで、多くの非営利組織が社会的企業に事業手形態を転換しています。

社会的企業は利益を追求しつつ、社会問題の解決に取り組むことを理念としています。

社会的企業という事業形態をとることで、NPOの財政基盤の安定化を図ることができます。カナダは最近まで社会的企業の支援政策に他国と比べて遅れを取っていましたが、昨年の11月に、カナダ政府が社会的企業に対して7億5500万ドルの支援予算を投じることを発表したことで、状況の打開に道筋がつきました。

 

みなさんも、寄付やチャリティーパーティーなどの開催を通じて、社会的企業を支援することができます。

 

2019年、カナダという国はどのように変化を起こしていくのでしょうか?

 

参考リンク

 

イエメンで進みつつある内戦の停戦

http://www.news24.jp/articles/2018/12/14/10411821.html

 

サウジアラビアへの兵器輸出凍結を検討しているカナダのトルドー首相

https://www.jiji.com/jc/article?k=2018121703752&g=int

 

サウジアラビアへの軍事支援停止を求める決議を可決したアメリカ議会

https://www.bbc.com/japanese/46562547