きれいな水を世界に届けよう!

世界を良くするためにアクションを起こす方法はいろいろあります。今回ご紹介するのは、清潔な水を世界に届けるために募金活動を行ったカナダの学校の取り組みです。(清田)

https://www.we.org/stories/students-walk-around-british-columbia-legislature-to-raise-money-for-clean-water/

 

大事な用事(例えば期末試験、重要な会議、カナダの寒い冬から逃れるためのハワイへの早朝のフライトなど)の日に寝過ごすことを心配したことのない人はいないでしょう。

そんな悪夢が現実のものになるところでした。ブリティッシュコロンビア州議会でウィー・ウォーク・フォー・ウォーター(水を簡単に手に入れることができない人々について学ぶためのWE(フリー・ザ・チルドレン)のイベント)の開会式のスピーチをすることになっていた朝、8年生のセイリア・エイブラハムスは目覚ましの音に気付かず眠り続け、イベントへ向かうバスが学校を出発するはずの時間の3分後に飛び起きました。セイリアともう一人のスピーカーのフレーザー・ウィリアムズにとっては幸運なことに、バスはセイリアを待ってくれました。

そして、少し急いで開会式に間に合いました。

セイリアはスピーチに間に合わないことをとても心配していたので、話すこと自体については不安を感じませんでした。

いつも時間に正確なフレーザーは、もっと不安を感じていましたが。

 

「とても緊張しました。もしスピーチに間に合わなかったら、ひどくがっかりしたでしょうね」セイリアは予想外の寝坊について言います。

ヴィクトリアのスペンサー中学校での目立ったリーダーシップが評価されて、2人はスピーチへの招待を受けました。

学校のユースアクションクラブの生徒たちは、ウィー・ウォーク・フォー・ウォーターの募金活動のために1303ドルを集めました。

 

「水はカナダにいる私たちが当たり前に思ってしまっている資源です。私には水をいつも手に入れられないとはどういうことなのかを想像することもできません。水は誰かにあげることができるいちばん重要なものの一つです」フレーザーは言います。

 

 

 

 

 

 

 

「水へのアクセスは基本的な人権であり、水は生きていくために必要なものです。水を手に入れられない人がいることは本当に残念だと私は思います。カナダでは、私たちは水をいつも捨てています。茹でたばかりのパスタを水ですすぎます。一日経ったからといって水筒の水を捨てて中身を空にします。その一方で、世界には水を得るためだけに毎日何マイルも歩かなければならない人もいるのです」セイリアは付け加えます。

 

500ドルを集めることを当初の目標として、ユースアクションクラブは学校の全員が参加する競争を企画しました。

いちばん多くのお金を集めたクラスは州議会で開かれるウィー・ウォーク・フォー・ウォーターに参加することになりました。

セイリアとフレーザーは、スペンサー中学校の800人の生徒のやる気を引き出すために集会で話したり教室へ行ったりし、彼らのする寄付がどれほど開発途上国の人々がきれいな水を得る助けになるかを語りました。

 

募金活動への彼女たちの情熱は、学校の生徒たちに影響を与えました。生徒たちはベークセールを開催して焼き菓子を売ったり、学校用品を販売したり、手作り品を競売にかけたりしました。

何人かの生徒はお小遣いを貯めて、誰かの命を支えるきれいな水のために25ドルを寄付しました。

1週間で、当初の募金目標の3倍の金額が集まりました。

ついにウィー・ウォーク・フォー・ウォーターの日が来たとき、セイリアとフレーザー、そしてその50人のクラスメートたちは、何百万人もの女性や女の子たちが毎日水を求めて歩くのを真似しました。

頭の上にはオレンジジュースの容器を乗せ、腕には水の容器を持ち、背中にサイダーの瓶を背負い、生徒たちは議会の周りの芝生を5キロメートル歩き回りました。

 

「社会活動に関わることはみんなをやる気にさせます。例えば体育の授業に出るみたいにしなければいけないから何かをするのではなく、自然にやる気にさせるのです。ウィー・ウォーク・フォー・ウォーターで、私たちは友だちと外に出て、新しいことを学んだり世界の問題について知ったりします。この世界に存在する問題について考えて悲しくなるのではなく、活動をしてお金を集めることで問題の解決に近づくことができるのです」セイリアは言います。

 

「みんなと一緒に歩き回って、世界のためによいことをできて良かったです。私だって、体育の授業で誰かを助けられるのなら、もっとやる気が出ると思います」フレーザーは付け加えます。

 

 

 

 

 

 

 

ブリティッシュコロンビア州議会の建物の階段に立って、セイリアとフレーザーは2人の前の群衆を見渡しました。

 

ヴィクトリア中から集まった300人を超える生徒と先生が、よく手入れされた芝生の広場を青いTシャツや手作りの看板、手描きの横断幕でいっぱいにしていました。

たくさんの情熱的な若き変革者たちに囲まれて、2人の緊張はほぐれ始めました。

 

「他の人のために何ができるかを考えてみてください。あなたと同じ権利を手に入れることができない人たちのために」セイリアは参加者たちに向かって言います。

 

「私たち全員が変化を起こすために小さな一歩を踏み出したら、その一歩が世界に与える影響について考えてみてください。私たちは世界を最高の場所にしたいのです。一緒に行動すれば、私たちは大きな変化を起こせます」フレーザーは言いました。

 

募金活動を成功させるための5つのコツ

 

1、学校全体を巻き込もう

クラスやクラブのメンバーだけで募金活動をしようとしないでください。

多くの人を巻き込めば巻き込むほど、たくさんお金を集めることができます。

 

2、気分を上げよう

募金活動をしようとしている問題について前向きな見方を示してみましょう。

問題をただ示すのではなく、その問題の解決のためにどんなことができるのかを提示してみてください。

 

3、みんなをやる気にさせよう

楽しい競争やアクティビティー、賞を取り入れると、周りのみんなは活動に参加したいと思ってくれます。

 

4、助けを求めよう

1人で資金集めをしようとしないでください。必要なときは助けを求めましょう。

助けの手があれば、もっと楽しくなるし成功に近づけます。一緒に活動すれば強い力になります!

 

5、思いっきりやろう
大胆になるしかありません。あなたの開催するイベントについて伝えるために、地元のニュースやラジオ局に協力を求めてみてください。

イベントを学校の体育館ではなく公共の場所(例えば議会など)で開いてみるのも良いかもしれません。あなたの言葉を伝えるためにできることはなんでもしましょう。

 

(原文記事執筆:ゾーイ・デマルコ 翻訳:翻訳チーム明畠加苗 文責:清田健介)