女子教育が、世界を救う?
クレイグとマークのコラムの紹介です。
https://www.we.org/stories/the-incredible-benefits-that-come-with-educating-women-and-girls/
10月11日は国際ガールズデーでした。
もしも、「貧困の解消もできて、過激主義への対抗策にもな
って、気候変動対策にもなって、世界の保健状況も改善でき
て、食糧供給の安定化にもつながる、これを全部一発で夢の
ような解決策がある」と言われたら、みなさんどう思いますか?
実はそれこそが、女子教育の威力なんです!女の子たち
は、この世界の救世主になる可能性を秘めているのです!
この20年間、女子教育の問題には目覚ましい進展が見ら
れましたが、世界には未だに1500万人の、「教室に通った
ことのない」学齢期の女の子たちがいます。教育を受ける
権利を全ての子どもに保障するために、私たちはこの状況
を改善するべきです。これはもう絶対的に正しい世界の真
実なのです!と、書いてはみましたが、本音ではこう思って
いる方もいるかもなあと思っています。「こういう類の意識高
い系の話はもう聞き飽きたよ」と。。ごめんなさい、確かに私
たちは仕事柄、意識が高そうなことを言うことも多々あります。
しかし、女子教育の推進は、「意識が高そうな人たちの表面的
な理想論」ではなく、極めて合理性の高い政策でもあるのです。
女の子たちは、地球上の様々な問題を改善する原動力となる
力を持っています。教育の平等化が、女の子の底力を引き出
し、劇的な変化を起こすことが、研究でも明らかになっています。
女子教育によって、武装主義や過激主義に反発し抵抗す
る態度を養うことができます。開発途上国の地域では、教
育レベルの高い女性ほど、タリバンのようなテロ組織を支
持する割合が低下します。統計的に、過激派を支持する
女性の割合は、同等の教育を受けた男性に比べて低くな
っています。これは、メリーランド大学の研究者がパキス
タンで行った調査で明らかになったことです。
世界中が、豪雨や台風などの災害で悩まされているいま、
女の子は気候変動との闘いの希望の光になってくれるかも
しれません。教育を受けた女の子は、家庭や地域で強い影
響力を行使し、国の政策転換にも強い影響力を及ぼす存在
となる傾向があります。地域で、国で、そして国際的な政策
決定の場においても、女性は気候変動政策に積極的意で、
温室効果ガスの削減や再生可能エネルギーの推進に前向
きな傾向があります。
ワシントンの政策シンクタンク、ブルッキングス研究所によ
れば、女の子の修学期間が長い国ほど、気候変動や自然
災害政策がより良いものになっているといいます。また、議
会に女性の多い国は、環境関連の国際条約の批准率が高
くなっているといいます。じゃあ女性の政界進出を進めようと
いうのであれば、そもそも女の子に学校に行ってもらわない
と話になりません。
女子教育には、医療的な効果もあります。女性の教育レベ
ルが家族の健康に比例するということはよく知られています
が、女子教育がワクチンに匹敵する効果を発揮するというこ
とは、あまり知られていないかもしれません。ザンビアで行わ
れた研究によると、小学校卒業以上の学力を持つ女の子は、
そうでない女の子に比べて、HIVやエイズの感染予防に関する
知識を身につけている割合が5倍程度高くなっています。また、
女の子が教育を受けていない場合、エイズの感染率が2倍上昇
することも研究で明らかになっています。
教育は、若者の心を育てる肥料ですが、食物も育てられる
んです!ケニアの研究では、男性と女性が同等の教育を受
けている農村部では、作物の収穫量が、女の子が学校に行
っていない農村に比べて、22パーセント高くなることが明らか
になっています。
想像してみてください。女の子が学校に通う支援をすると、
テロ対策や気候変動対策、感染症の予防や食糧供給の安
定化にも貢献しているのです。教育支援にはこれだけの効
果があります。教育によって開花する「真の女子力」をみな
さんの力で世界で花開かせてみませんか?