フィリピン台風30号 被災地訪問報告

フィリピンを襲った大型台風30号被災地支援へのご協力ありがとうございます!

私たちのパートナー団体「プレダ基金」の代表のカレン神父(アイルランド人)が、
台風30号によって被害を受けたフィリピンのセブ島北部など被災地を訪問しました。
カレン神父から被災地域の訪問報告レポートが届きましたので、ご紹介します。

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EYEWITNESS ACCOUNT OF THE AFTERMATH OF TYPHOON YOLANDA
http://www.preda.org/en/
2013年11月22日

報告:プレダ基金 代表シェイ・カレン神父

11月19日火曜日午前3時、私はプレダ基金の2人のスタッフと共にマニラから飛行機で1時間のところにあるセブ島に飛び、そこから車でセブ島北部へと移動していた。今回の訪問の目的はセブ島の北端にあるのダーンバンタヤン(Daanbantayan)、ボゴ(Bogo)、そしてバンタヤン島(Bantayan)での被害状況の調査と地域や人々のニーズを把握し、更に被災した人々への支援物資を直接届けることである。そして、親や親せきを亡くした子どもを誘拐や人身売買から守るために地域にいる子どもやおとなたちへ注意喚起をすることももう一つの大切な目的としていた。

 

 

 

 

 

 

2時間ほど運転すると被害を大きく受けた地域に到達したが、そこは台風の影響で停電となっていて家々の明かりなどはなく辺りは漆黒の闇が広がっていた。月の明かりが孤立をより際出せていた。残された家々はまるで戦争や爆撃で破壊されたような佇まいであった。かつてここの地域には何千という世帯が住んでいたのに、そのことがまるでなかったように破壊されていた。朝日が地平線から顔を出した時、あたり一面がいかに壊滅的な状況かがよりはっきりしてきたのだった。その状況を見て、自分が甚大な被害を受け人々が亡くなってしまったという事実を目撃していることを再認識した。復興はきっと何年もかかるだろう。

太陽が昇ると電信柱が倒れ、大きなアカシアの木がなぎ倒されるなどし荒涼とした景色がより鮮明に視界に入ってきた。何百というがっしりとしたココナッツの木々が折れ曲がり、風速240キロもの未曽有の嵐がこの地域を襲い太い木さえも倒していったことが分かった。マンゴーの木も根こそぎ倒され、根っこが空を向いている状態で葉は枯れていた。裕福な家庭の家のみが嵐に耐えて建っているこの壊滅的な状態に私は言葉を失った。台風が上陸し2,3時間の間に、こんなにも地域を飲み込み破壊していったのかと考えると恐れおののいた。

 

 

 

 

 

 

フィリピンに来て44年もの間、たくさんの台風を体験してきたが、こんなにも残虐性を持った破壊的な台風被害を見たのは初めてだ。今回の巨大な台風が引き起こした嵐は地域をかき回し、ほとんどすべてのものを瓦礫にしてしまったようだった。建物を破壊し、金属のものでさえ壊し、屋根を飛ばし、ブロック塀を灰のように粉々にしたのだった。

私たちは瓦礫があちこちにあるダーンバンタヤンに到着した。何とか生き残った人々にも会うことができ、彼らはこの世の終わりだと感じるほど恐ろしい体験だったと嘆き悲しみながら話をしてくれた。彼らの話によると、台風によってココナッツは木からもぎ取られ、まるで銃弾のように屋根や壁にあたり散ったとのことだった。子どもたちは風が引き起こす大きく恐ろしい風音や瓦礫が飛び散る音に怯え泣き叫んだと話した。家に保管していた食べものはだめになり、井戸の水は汚染されたという。

 

 

 

 

 

 

その後、フェリーに乗り1時間かけてバンタヤン島へと移動した。サンタフェに着くと更に酷い状況を目にした。家も教会も破壊されており、島の主要な地域や海岸沿いは特に被害を受けていた。私たちはトライシクル(フィリピンの三輪モータータクシー)に乗り被害の大きかった地域へと向かった。道すがら殆どの家や建物が破壊されているのを見た。鶏肉産業は壊滅的被害を受けていた。

被害を受けたにも関わらず町が清掃に取組んでいる事や規律正しい印象を受けたので、市長に会った時にそう伝えた。市長は「多くの人々の命を救うことができたのですよ」と話した。「市として漁村の人々にはとにかく早急に非難することを伝えました。最初は村を離れたくないようだったが、これは強制避難命令ですと伝え、結果多くが救われたのです。」地域では16人のみ死亡が確認され、しかし多くの人々が負傷し、漁船を失ってしまいました。」

 

 

 

 

 

 

その後、セブへと戻る途中で悲惨な状況に置かれているにも関わらず、多くのフィリピンの人々が回復力や勇気、勇敢さを持って立ち上がろうとしていることがわかりました。私たちはセブの避難所でアナとジョセという二人に会いました。ジョセは避難所で生まれたばかりの彼の新生児を胸に抱いて前向きに希望を抱いていました。一方、アナは父親が未だにタクバロンで行方が分からなくなり、多分亡くなったのではないかと一人で悲しんでいました。彼らは勇敢にも私たちに笑顔を向けてくれましたが、きっと心では悲しみにあふれていたことでしょう。私たちは役所の職員と家族と離れてしまったり、孤児になってしまった子どもたちをまずは保護し、登録しなければいけないと話し合い、今後、プレダからソーシャルワーカーを派遣し、その業務に協力し、協働することを約束しました。

 

 

 

 

 

 

緊急支援はまだ続ける必要があります。プレダ基金は、支援として米やその他物資を被災した人々に配給していきます。この支援活動はサンカルロス大学と協力して支援物資が被災した人々に行き渡るようにします。ご寄付下さったみなさまや支援活動にご協力くださっているみなさまに心から感謝します。そして、プレダ基金は孤児になった子どもの保護に向けて意識啓発をしていきますので、引き続きご支援よろしくお願いいたします。
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フリー・ザ・チルドレン・ジャパンでは、引き続き、台風30号被災緊急支援のために募金を集めています、どうぞよろしくお願いいたします。

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