勇気100%で、自分の世界を切り開け!
一歩前に踏み出すのがどうしても怖い時って、誰にでもあり
ますよね?でも、持てる限りの勇気を出せば、怖さを克服で
きるどころか、これまでの自分には見えなかった新たな扉が
見えてくることもあるかもしれません。13歳のエクアドル人のルシアは、勇
気を振り絞ることで、自分の世界を大きく広げました。(清田)
https://www.we.org/stories/ecuadorian-girl-conquers-fear-of-public-speaking-as-member-of-girls-club/
汗ばんだ手、速い脈拍、込み上げる吐き気、これらの症状
は人前で話しをする時、不安を感じた時に現れる一般的な
症状です。
4年前、新設された教室で聴衆を前にして、ルシア・ヤサカ
・ダキレマは緊張を落ち着かせようとしていました。父親が
彼女に言った通りに、深呼吸をして、目の前に映る聴衆た
ちをしっかりと見据えました。
彼女はこの聴衆の前でスピーチをしようとしていました。
このスピーチがうまくいけば、13歳の少女は彼女の住むサン・
ミゲル村にあるガールズクラブで、最年少メンバーとなるでしょ
う。クラブ加入条件の年齢は15歳以上でしたが、彼女は例外と
して加入させてもらえるように頼んだのです。
10歳の時、ルシアは胴体から下半身にかけてひどい火傷
を負いました。負傷した当初は、あまりの痛みで歩くことが
できず、兄の自転車の後ろに乗って学校へ通いました。
身体の傷は無事に回復しましたが、彼女の自尊心は傷つ
いたままでした。
「ものすごく怖かった」と、ルシアは回想します。「私は誰に
話しかけるにも、ものすごく内気でした」火傷のトラウマが、
彼女の自信に大きな暗い影を落としていました。
ガールズクラブのプログラムが、エクアドルの山々を渡り彼
女の村にきたとき、ルシアの父親は、末っ子の娘にとって良
いチャンスなのではないかと感じました。
クラブはWEビレッジ(フリー・ザ・チルドレン)の支援事業で
す。少女たちが継続して学校の授業に出席できるように
支援しています。生徒の家庭に対しては学費工面の収
入を得る機会を提供したり、少女たちにはリーダーシッ
プのスキルを教えたりします。
ルシアの3人の姉は誰も高校に進学しませんでした。「父の
夢は、娘のうち少なくとも一人を高校まで卒業させることで
す」と彼女は言います。
ルシアは、クラブへ加入できる年齢になるまでの2年間を待
って過ごしたくありませんでした。クラブに例外的に13歳で加
入するために提案された条件は、スピーチをしなければなら
ないということでした。「父は私に『これをきっかけに強くなりな
さい』と言いました」と彼女は振り返ります。「父の言葉は、瞬
時に私を勇気づけてくれました」。
彼女の先生や村のリーダー、そして今後仲間となるガール
ズクラブのメンバーに視線を向けると、ルシアは他の少女た
ちと一緒に活動したいと訴えました。彼女は若いながらも、周
囲の予想以上にコンプレックスを克服していました。
ルシアは、無事にクラブの設立メンバーになりました。4年
が経ち、彼女はクラブのリーダーになり、自信を持ってグ
ループの活動を説明します。また、この地域で高たんぱく
の主食となるモルモットを健康的に飼育する方法を堂々と
語ります。ルシアは少女たちが髪におしゃれな楽しみを持
てるようにと、チンタスという綺麗なテープを編むことを始
めています。そして、財政面では、グループの支援金の工
面状況を公開しています。
ルシアがガールズクラブの活動でのこれまでの経験を話す
時、彼女には新たな自信が溢れています。それは、かつて
人前で話すことを恐れていた自分を克服できた証です。
ルシアのガールズクラブ以外の友人たちの中には、かつて
の臆病な自分を思い起こさせるような人たちがいます。そん
な時、彼女はお互いに自己紹介をする練習をしてもらいます。
新しいリーダーとして彼女は、友人たちが自分でコンプレックス
を克服できるように、自分のできる限りのことをして、友人たちを
応援しています。
(原文記事執筆:ワンダ・オブライエン 翻訳:翻訳チーム
山田あさ子 文責:清田健介)