モンゴルでの活動報告が届きました!
現在アメリカの大学に在学中の大学3年生の瀬川愛葵(あいき)ちゃんから
モンゴルに行った際の活動報告が届きました!
FTCJの支援しているモンゴルの図書館や、モンゴルの子どもたちの様子が
詳しく書かれているのでぜひご覧ください!
高1のときにFTCJ子どもメンバーになり、当時在学していた静岡県の高校で、仲間たちと
2年間の募金活動を行い、FTCJを通じてモンゴルの子どもたちにゲル図書館を寄贈させていただ
いた。大学入学後も、FTCのサークルに入り、アメリカを拠点に活動を続けている。私は、大学
のサークル活動のひとつとして「FTCJモンゴル文通プロジェクト」への参加を提案し、メンバー
と共にモンゴルの女の子と文通を続けている。そして今回、北京での短期語学留学を終えた後、
共にアメリカの大学から北京に留学していた仲間3人と念願のモンゴルに向かった。2011年12月
13日から16日までのわずか4日間の滞在ではあったが、-30℃の極寒モンゴルに飛び込み、
五感で現地を体験させていただき、私にとって新たな人生の原点を刻むことができた。
私は今回、高3の頃から夢見てきた「FTCJゲル図書館の訪問」を果たすことができた。図書館で
は子どもたちと管理人の方が私たちを笑顔で迎えてくれた。2008年9月にオープンしたこの図書
館は、毎日100人以上、多い日は150人もの子どもたちが訪れるという。音楽教室や日本語教室
を開いたり、劇の発表会を行ったり、子どもたちが学校帰りに宿題をしたり、図書館は絵本が
読める場所としてだけでなく、子どもたちが文化活動を体験する大切な場所として活用されて
いる。また、ゲルの中は、壁一面、子どもたちの描いた絵が飾られ、冬には石炭ストーブで暖
房されていて、子どもたちにとって身も心も温まる憩いの場でもある。「このような温かくて
素敵な図書館を作ってくれてありがとうございます。この図書館が大好きです。」と私たちを
迎えてくれた子どもたちが瞳をキラキラ輝かせて語ってくれた。
嬉しくてたまらなかった。とにかく必死に「思いを行動に」と高校から続けてきた活動が、
このような結果を結んでいることに、私は「感謝」と「幸せ」と「子どもの無限なるパワー」
を改めて感じた。
しかし、実はこの図書館は資金不足のため今年3月に閉館せざるを得ない状況にある。まだ未熟
だった高校生の私には、「建てること」以上に「運営を続けること」がどれほど大変なことか、
分かっていなかったことに気づかされた。国や団体による一時的かつ物質的な海外支援の例は
山ほどある。しかし、現地の人々の本当の意味での「自立」や「幸せ」のためには、現地に根
ざした息の長い地道な継続的支援が必要だ。それは、お金や物の提供ではなく、技術継承だっ
たり、現地の人々の意識改革だったり、人材育成だったりする。それを実際に行っているのが、
モンゴルで私たちを受け入れ、またFTCJ図書館を現地でずっと守ってくださっている、「NPO法
人 国際交流は子どもの時から・アジアの会(IFCA)」及びモンゴル現地のNPO法人である
「Full of Dreams/Mongolian Kids(FDMK)(夢いっぱいのモンゴルの子どもたち)」の代表、
高岡良助さんだ。
私は実際にモンゴルに行かせていただき、自分の肌で-30℃の身体の芯まで凍る痛々しいほどの
寒さを感じ、自分の手で冷え切った子どもたちの頬や、難病で痩せ細り、骨が浮きでている背
中に触れ、自分の目でマンホールでの過酷な生活を余儀なくされている子どもたちや大人を見、
自分の耳で極寒の中、市場で本を売り歩く子どもたちの話を聞き、心に子どもたちの優しい笑
顔と必死に生きる人々の強さを抱きしめた。「心で見なくっちゃ、よく見えない。いちばん大
切なものは目に見えないんだ。」とは、『星の王子さま』にある言葉だが、自分自身を居心地
のよい何不自由ない場所に置き、頭だけで考えていたのでは、見えないものがたくさんあると
感じた。自分で実際に現地に行って、心で見えたものがたくさんある。しかし、だからといっ
て、身近でできることに取り組むことが、現地での活動に劣るとは思わない。私自身、長年モ
ンゴルに行きたいと思いながらそれを実現できずにいたが、現地に思いを寄せながら「今ここ
で自分にできること」を一歩一歩行ってきた経験があったからこそ、今回のモンゴル訪問が意
義深きものとなったと思う。これからも、常にアンテナを世界に向け、どこまでも志を高く持
ちながら、「自分のいる場所」で着実に行動していきたい。
「お母さんに立派なゲルを建ててあげたい」「お医者さんになって親孝行したい」と自分たち
の夢を語ってくれたモンゴルで出会った子どもたち。厳しい現実に生きながらも人の幸せを願
う彼らの夢が叶うように、また、夢を叶えていける社会となるようにと、願わずにはいられな
い。今は、勉学と両立しながら、現在存続の危機にあるゲル図書館の維持に貢献できるよう、
日々自分に挑戦していきたい。こんな私にとって、日本各地で活動されているFTCJのメンバー
のみなさんの存在は、とても心強い。活動はそれぞれであっても、私たちの目指しているもの
は同じだ。今年もFTCJと共に!