フィリピン国立盲学校にて引き渡し式を実施しました

126日、在フィリピン日本大使ご夫妻やパサイ市長夫人、パサイ市教育省長などご出席のもと、フィリピン国立盲学校にて引き渡し式を行いました。式典についてはお話ししたいことが沢山ある中から、二つのエピソードを選びます。

 

エピソード一つ目は生徒たちのパフォーマンスのクオリティの高さ、そこから見える練習量、そして日本への気遣いです。

生徒たちに寄る開会挨拶やダンスは、誰一人ミスを犯さない完成度でした。

そして、その後のグリークラブによる歌が……日本語だったのです。Kiroroの『未来へ』と、もう1曲は知らない曲だったのですが、発音もアクセントも完ぺきでした、日本語ネイティブでないことは、音源だけではわからないです。前日に日本語の歌があるとは聞いていて、どうなることかと心配していたのを恥ずかしく思いました、それくらい本当に素晴らしかったのです。盲学校に日本語がちゃんとできる先生はいません、いったいどうやって覚えたのか…生徒たちが音源から聞き取って完璧にものにした可能性があります。

彼らはちゃんと前日の午後も、引き渡し式の後も授業を受けています。

これだけの練習量は全て、早朝とお昼休みと放課後です。

生徒たちの練習量は私以外にも伝わったようで、式典後のランチの際、大使館員から(ネガティブな意味では無く)、盲学校の生徒たちは今日のためになんであんなに練習を積み重ねてきたのかと聞かれました。

「盲学校のプライドです。障害者はどうせできない、特別支援学校で通常の授業なんて行われてないと、日本でさえ思われがちです。ばかにするなっていう完成度を、証明したいんです私たちは」

 

 

 

 

 

 

 

 

生徒の歌のパフォーマンス

 

 

二つ目のエピソードは私に続く市長代理の挨拶です。5人の挨拶者の、私は4番目でした。改めてこれまでの奇跡とそれぞれのご協力を確認し、最後は生徒たちへ。

「私は、日本やフィリピンにおいて視覚障害者の社会参加の範囲を、就職の可能性を広げるために国際協力の仕事に就いてます。みなさんにはぜひ、学び続けてほしいんです、能力を伸ばし続けてほしいんです、フィリピンにおいて、視覚障害者のロールモデルとして社会参加の機会を拡大してほしいんです。他の障害者たちのために、この社会を暮らしやすくするのはあなたたちです」

……一見生徒に向けて言ってます、いいえ、生徒にも言ってます、でも私としては間接的にフィリピン政府にプレッシャーをかけてます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

石田のスピーチの様子

 

この私の後が市長代理だったわけですが。

「先ほど、由香理からとてもパワフルな勇気づけられるメッセージをもらいました。彼女が自身で切り開いて証明していっている障害者の社会参加機会拡大の道を、私達もぜひ後に続いて踏み固め、より強固なものにしていきたいと思います。」

 

…フィリピン政府関係者の口から、このような言葉を聞けた奇跡!盲学校にとって、パサイ市にとって、フィリピンの視覚障害者たちにとって、新たな1歩のスタートです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

引き渡し式集合写真

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 フリー・ザ・チルドレン・ジャパン代表中島への感謝状授与

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

テープカットの様子

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

修繕後の寮の内装