3月20日は国際幸福デー:ウェルビーイングを考えよう
3月20日は「国際幸福デー」( International Day of Happiness) です。
2012年、国連は「幸福は人間の基本的な目標である」と認識し、3月20日を「国際幸福デー」と制定しました。
国連は、すべての人々の幸福とウェルビーイングを促進する、より包摂的で公平なバランスの取れた経済成長のアプローチが必要であることを訴え、これらの考えが公共政策に反映されることを求めています。
3月20日の国際幸福デーを祝い、ウェルビーイングについて考えていきましょう。
フリー・ザ・チルドレン・ジャパン(FTCJ)では、ウェルビーイング(一人ひとりの人権が大切にされ、こころや身体や周りとの関係、社会の中での自分の存在が、自分にとってちょうど心地よい状態、または、そこに向かう過程のこと)が日本社会に広がるよう、ウェルビーイング事業に取組んでいます。 FTCJウェルビーイングのページはこちら
その事業の中で、中学生以上の子どもや、おとなのみなさんが、自分にとってのウェルビーイングについて考えられるように電子書籍「ウェルビーイングな暮らしをおくるためのヒント集~自分らしく安心していられるために~」を、2023年11月20日に無料公開しました。
※本日3月20日付で、昨年11月に公開していた上記電子書籍の一部を改訂しました。
無料公開後に、この電子書籍をご覧くださった方から、ぜひ活用したい!といった声が届いて嬉しく思っています。また、株式会社はぴテック CEO太田様から、推薦文をいただきましたのでご紹介します。
■ウェルビーイングな暮らしをおくるためのヒント集 推薦文■
このヒント集は一言でいって、最高過ぎます。
この一冊でウェルビーイングの全体像を学び、ウェルビーイングを育むワークを行うことができます。
教育振興計画や、経済における骨太の方針といったものの中でも、一つの柱とされているウェルビーイング。
日本の各所で重要性が認識されてきています。
しかし、現場レベルでは、そもそもウェルビーイングとは何かが分からないという声も多く聞きますが、学んでないので、当たり前です。ではどうすれば良いのか?
それは皆がこの本を読めば良いのです。なんと無償なので、皆で読むのにコストはかかりません。
私は大学でウェルビーイングの研究を行っていますが、この本にはウェルビーイングに大切な要素が網羅的に書かれています。中学生以上向けですが、親や大人にとっても大切な話ばかりです。
親や先生、大人も是非じっくり読んで頂きたい。
また、学校での授業に使うのも、効果的です。
この本を通じてウェルビーイングについての基礎知識を学び、共通言語を作ることは、
学校におけるウェルビーイングで、最も有効な取り組みの一つでしょう。
使い方について一点補足をすれば、ただ読むだけでは、良いこと学んだなぁで終わってしまいます。
ウェルビーイングはスポーツや楽器演奏に近く、まずは実践してみることが大切です。
1人で実践できる人はそれも良いですし、ベストは是非みんなで読んでみて、
それを一つ一つ実践し、対話してみてください。
一章ずつ読んで、どう感じたか・どこが心に残ったか・どんなことが実践できそうかなど
話し合ってみるのが良いでしょう。
早く辿り着きたいのなら、一人で行きなさい。遠くまで行きたいのなら、皆といっしょに行きなさい。(P31)の通り、皆でウェルビーイングを育んでいきましょう。
取り留めも無く語らせていただきましたが、このヒント集を使えば、日本中の子どもや大人、教室でウェルビーイングを育むことが出来るといえるでしょう。
是非、一読いただき、一つでも良いので日常の中で実践して頂ければと思います。
そのちょっとした変化が、あなたのウェルビーイングを育み、そしてウェルビーイングはうつるということも分かっているので、日本全体のウェルビーイングを育んでいくことに繋がります。
このヒント集を通じて、日本中に幸せが広がっていくことを願います。
はぴテック 太田
さて、この電子書籍は、FTCJのカナダにあるパートナー団体「WE」が2020年に発行した電子書籍「WE Well-Being Playbook: Taking Care of You During COVID-19 」を日本語に訳したものです。
6年以上前からカナダを中心にウェルビーイング・プログラムを実施しているWE Well-Being Playbook: Taking Care of You During COVID-19 の著者リサ・カズウェル・キールバーガーさんに2024年1月にカナダでお会いでき、日本のみなさんへメッセージをいただいたのでご紹介します。
▼著者のリサ・カズウェル・キールバーガーさんのプロフィール:
あらゆる年代の々に、自分自身と他者のウェルビーイングを促進するため、教育プログラムやリソース、機会を提供する取り組みを行う、WEllbeing Foundationの共同設立者。マインドフルネス研センターの員でもあり、マインドフルネスに基づくプログラムを開発し、医療従事者や教育者を養成している。臨床心理学の博士論文では、脆弱な立場に置かれた人々や、社会から疎外された人々のメンタルヘルスケアに焦点を当てた。北米やアジア、アフリカなどでも教育者として実践した経験を持つ。パートナーは、Free The Childrenの設立者クレイグ・キールバーガー。
▼ウェルビーイング・プログラムを始めた背景
私たちは、子どもや若者の良好な成長を支援し、学校、家庭、地域社会でこころの健康を促進するためにプログラムを始めました。こころの健康のケアを、身体的な健康のケアと同じように理解しやすく、行動できるようにしたいと考えたからです。
こころが健康でいるための知識、スキル、態度は、支援的な環境の中で育まれ、それは誰にでも伝えることができ、誰でも習得することができるものです。例えば教室といった学び舎のような場所でウェルビーイングについて考えることができたら生徒や教師にとってとても有益なものになると考えました。
特に、子どもの早い段階でこころの健康に焦点を当て、学校のような既存のインフラを活用することで、その後の人生への影響を最適化することができると思いました。だから、教室で学ぶことができる教材やツールを提供することが大切なのではないかと思い、プログラムを始めました。
▼WEllbeing Foundation ウェルビーイング・プログラムの特徴
私たちのウェルビーイング・プログラムは、特定の専門家だけで開発されたものではありません。こどもや若者、教育関係者、保護者から着想や意見を得て、共同で考案されました。プログラムは、次のことを支援することを目的としています。
1.推進と予防:根拠に基づいて、こころの健康の促進や予防の方法を紹介していきます。プログラムを通じて、個人、家族、地域社会がウェルビーイングの実現への手法を早期に身につけられるよう実践しやすい方法で、包括的に支援します。また、こころの健康に対する偏見をなくしていきます。
2.知識を行動に:こころの健康を、身体的な健康と同じように理解しやすく情報を提供します。そして、知識を得るだけでなく、日常や行動に取り入れられるよう支援します。
3.多様性と平等な機会の祝福:プログラムを通じて、積極的に多様性を称え、差別や区別なくすべての子どもや若者がこころの健康について公平で公正な機会を手にできる方策を推進します。
4.子どもや若者をチェンジメーカーに:私たちのプラットフォームを活用し、子どもや若者をチェンジメーカーやリーダーとして支援し、子どもや若者自身のこころの健康の知識、技能、能力を促進し、学校、家族、地域社会のウェルビーイングを構築できるようにします。
5.規模とインパクト:組織のつながりやネットワークを活用し、こころの健康と人として自分らしくより良く成長することができるように、ウェルビーイングを包括的に学び考えるプログラムを提供し、影響へと繋げます。
▼気分が落ち込んだとき、こんなことをします。
まずは、よく寝ます。そして、規則正しい食事と健康的な食べ物をとるようにしています。これらは良い気分を保つのにとても役立ちます。また、外に出て体を動かしたり、好きなことをしたりすること、特に愛する人と一緒に過ごすことは、とても大切です。
それから、バランスを保つように心がけ、バランスを崩している兆候に注意を払うようにしています。例えば、普段より忍耐力がなかったり、心配性だったり、ストレスを感じていることに気づいたら、できる限り早めに自分の気持ちを大切にして労わるようにしています。疲れているときほど、ネガティブな思考が現れやすいからです。感情や気分は思考とつながっているので、バランスのとれた思考に注意を払うように心がけています。
気分を変えたいときは、行動パターンを変えてみたりします。散歩に出かけたり自然と触れ合うなど、自分が楽しめることをしてみるのです。自然と触れ合うことで気持ちが回復し、気分を変えるのに役立ちます。
悲しいことに直面したら、その気持ちが過ぎ去るまで、その感情に身を任せてみたりもします。抵抗したり固執するほど、その気持ちが持続してしまうからです。その感情を受け流すことができれば、自然に過ぎ去ります。それから、呼吸と瞑想も心を落ち着かせるのにとても役立ちます。
▼最近あったちょっといいこと
日が長くなって春が始まるこの季節が大好きです。先日、2人の息子と散歩に出かけたとき、地面の枯葉の間から野生の花が芽吹いているのを見つけました。鮮やかな黄色とピンクの花で、美しく、この花の息吹を見て春を感じることができ、元気をもらいました。
▼日本の皆さんへ
WE Well-Being Playbookの日本語版をお読みくださっている皆さん、目をとめて下さりありがとうございます。このプレイブック(ヒント集)が、あなたとあなたの大切な人たちのウェルビーイングの旅をサポートすることを心から願っています。どこからでも始めてもOKです。一緒に楽しみましょう!
2024年1月カナダ・トロントにて:WE Well-Being Playbookの著者リサさん(右)とFTCJ代表の中島早苗