【報告】ジェンダー不平等に関する校内アンケート調査とディスカッションイベント(WE Are The Movement)

フリー・ザ・チルドレン・ジャパンは、2020年度より大東建託グループみらい基金さまからの助成を頂き、
子ども・若者のソーシャルアクションイベント開催を応援する「We Are the Movement」プロジェクトを実施しています。

この度、プロジェクトメンバーからイベント開催報告が届きました。


ジェンダー不平等に関する校内アンケート調査とディスカッション

私たちは、静岡県沼津市にある加藤学園暁秀中等学校・高等学校で活動するボランティアクラブのNational World Committeeです。
今回はWE Are The Movementの一環として、ジェンダー不平等に関する校内アンケートとディスカッションを行いましたので、報告します。

 

【活動スケジュール】
12月17日-25日 ジェンダー不平等に関する校内アンケート調査のオンラインでの実施
12月30日     ジェンダー不平等に関するディスカッション

 

12月17日〜 12月25日にかけて、加藤学園暁秀中学校・高等学校の生徒と教師を対象として、日常生活の中で経験するジェンダー不平等に関するアンケート調査を実施しました。
そして、そのアンケート結果を踏まえて、12月30日に学校内におけるジェンダー不平等を減少させるためにできることについてのディスカッションを、暁秀高校で活動するボランティアクラブであるNational World Committee(NWC)メンバーと暁秀中学校・高等学校の生徒会メンバーとで行いました。


アンケートには、予想を上回る方々に協力いただき、生徒と教員を含め、84件もの回答を集めることができました。
WE Are The Movementでの私たちの企画では、この後、発信活動も予定されていますが、今回は、アンケート調査とディスカッションイベントの様子について、報告していきます!

 

【実施報告】
ジェンダー不平等に関する校内アンケート調査
日常生活の中で経験するジェンダー不平等に関するアンケート調査を、Google Form を用いて、生徒70名、教員14名の計84名(女:男:他=58:29:5)に実施しました。
新型コロナウイルスの影響により、暁秀中学校・高等学校の生徒や教師にGoogle Classroom などのデジタルツールが以前に増して、普及し使用されるようになったため、Google Classroomにアンケートを流したことで、多くの人に協力してもらうことができました。

 

アンケート内容としては、「女の子なのに、料理ができないのは恥ずかしい」などの実際のジェンダー不平等に関する振る舞いなどの具体例を質問文で紹介することで、参加者が何がジェンダー不平等なのかを意識して回答しやすくなるように質問を工夫しました。
このような質問は、私たちの日常生活の中に潜んでいるものの、「当たり前」となってしまい不平等だと気づきにくい事柄に意識してもらえることにも繋がったと思います。また、全ての質問への回答を強制せず、アンケート参加者が安心する範囲で回答できるようにしました。

 

アンケート調査では以下のような質問を問いました。

  1. 普段の生活の中で「ジェンダー不平等」という言葉を聞いたことはありますか。
  2. 「ジェンダー不平等」というトピックに対して、関心を持っていますか。(女性・男性・LGBTQ、それぞれについて別の回答を集計)
  3. 皆さんが普段生活をする中で、「女性・男性らしさ」を求められたことはありますか。可能であれば、具体的な例を教えてください。
    *女性らしさとは「女の子なんだから、もっと上品に笑いなさい」「女の子なのに、料理ができないのは恥ずかしい」「女の子だから、短大で良い」など
    *男性らしさとは「肌の手入れをしていると気持ち悪い言われる、男性だけ重いものを持たされるなど
  4. 普段の生活の中で「女性なんだから…」「男性なんだから…」などの言葉を聞いた時、違和感を覚えましたか。
  5. 近年「#Me Too」運動や「#KuToo」運動が行われていますが、そのようなジェンダー運動に関わりたいと思いますか。
    *#Me Too運動: 英語で「私も」を意味する言葉にハッシュタグを付け、セクシャルハラスメントや性暴力の被害体験を告白・共有し、社会の変革を求める運動。
    *#KuToo運動: #Me too運動に触発を受け、「靴」と「苦痛」に掛けて日本で広がった運動。職場で女性がハイヒールおよびパンプスの着用を義務づけられていることに抗議している。

生徒用アンケート

 

教員用アンケート

 

アンケート調査を行った後、NWCのメンバーで結果を分析しました。調査結果として、様々な気づきや発見がありました。男性・女性・LGBTQで大きな違いが見られたり、生徒と先生で違いが見られた部分が多々ありました。そこで、その発見の一部分を共有したいと思います。

 

生徒用アンケート(母数70)からの気づき

  • ジェンダー不平等に対する認知度は半々くらいである
  • 男性より、女性やLGBTQの方がジェンダー不平等に関する関心度が高かった
  • 男性、女性、LGBTQも、「らしさ」を求められた傾向がある
    • 男性であれば、「荷物を運ばなければならない、可愛いものはいけない、泣いてはいけない」など
    • 女性であれば、「家事優先、上品さ、女子力、色、振る舞い、髪の毛の長さ、勉強にお金をかけなくても良い、結婚することが当たり前、スカートなどの服の強制、言葉遣い」など
    • LGBTQであれば、「可愛いものを好きになってはいけない、お淑やかな振る舞い」など
  • 上記、8番目の質問(普段の生活の中で「女性なんだから…」「男性なんだから…」などの言葉を聞いた時、違和感を覚えましたか。)において、指摘されて初めて違和感を覚える人が半数を占めた
  • 一方で、指摘されても違和感を覚えない人も25%ほどいた

 

教師用アンケート(母数14)からの気づき

  • ジェンダー不平等に関する認知度は80%ほどで、生徒よりも多い
  • 女性やLGBTQの関心度の高さは男性よりも圧倒的に多い
  • 男性も女性も「らしさ」を求められていた
    • 男性であれば、力仕事、責任の強制、強くなければならない(泣いてはならない)など
    • 女性であれば、出産することは当然である・出産したら仕事は続けられない認識、スカートなどの服装を求められる、家事することが当たり前、教育への制限、振る舞いなど

 

生徒用と教師用アンケートを比較した後の気づき、考察

  • 生徒でも教師でも年齢にかかわらず、求められる「らしさ」に大きな違いはない
  • 教師用アンケートでは、上記、8番目の質問(普段の生活の中で「女性なんだから…」「男性なんだから…」などの言葉を聞いた時、違和感を覚えましたか。) の質問において、指摘されなくとも違和感を覚える人が過半数を占めており、生徒と比較し、アンケートで指摘されなくとも違和感を覚えていた人が多かった。このことから、先生方は世間のトピックに敏感であるために、違和感を覚える人が多くいたのではないか。
  • ジェンダー運動に関わりたい人が多いことから、多くの人がそれなりの苦痛を感じているのではないか

ジェンダー不平等に関するディスカッション:

アンケート調査結果を踏まえ、暁秀高等学校の生徒会と校内ディスカッションを行いました。
「ジェンダー不平等」という、固い内容について話し合ったために、参加したメンバーは、ディスカッション序盤では、積極的に意見を出すことができませんでした。
しかし、校則とジェンダー不平等を関連づけた論点についての話し合いを始めたところ、多くの意見を聞くことができました。その一部を紹介したいと思います。

 

<論点> 

  • 私たちの学校(暁秀高校)の校則では、ツーブロックが禁止されていたり、女子・男子生徒の制服に規定があります。また、女子生徒においては、言葉遣いや集会の際に胡坐(あぐら)をかいていたりすると注意されることもあります。では、なぜこのようなルールがあるのでしょうか。そして、何故、そのようなルールは変わらないのでしょうか。

 

<意見>

  • 女性が女性らしくなかったり、男性が男性らしくないことで、性被害の防止やトラブルが起きる可能性がある。最低限の身を守るための予防策が学校側の意図であるために、そのようなルールが定められ、変わらないのではないか。
  • 確かに教師は生徒の身を守る義務があるが、あぐらとかに関しては身を守るなどに関係してくるのだろうか。またツーブロックによってヤンキーに絡まれるのもあまり可能性としては考えづらい。つまり、ルールを設定するのは生徒を守るよりも学校を守るためにあり、きちんとした服装をしていないと学校として認められないという環境にある学校が悪いのではないか。
  • 今の校則は、学校ができてからほぼ変わっておらず、話し合いすらもしていない、またその機会がないために校則が変わらない。ネームバリューというよりも校則をただただ継承しているだけであるために校則が変わらないと考えられる。学校が社会の規範を学校として教える役割を果たさないといけないので、校則にあまりにも幅を持たせてしまうと学校としての役割を果たさない。だからといって、それをずっと見直さないというのは問題である。新しいルールを導入しても、古いルールを改めようとせず、世間や社会が変わったとしても変えようとは思わない、そのような学校の風潮は見直さなければならない。このような風潮は、社会的な性質としても捉えられる。このようなことからも、生徒が発信することの重要性が感じられる。

【アンケートとイベントを実施してみて

アンケート調査とディスカッションを行ったことにより、インターネットで調べるだけでは、得ることのできない気づきをたくさん得ることができました。特に、ジェンダー不平等に対する、生徒、そして教師の両方からの視点を把握することができたことは、WE Are The Movementでの私たちの次の企画である「学校生活の中で感じたジェンダー不平等を漫画などのアート作品で取り上げ、instagramなどで発信する」ことにつながるワンステップになったと思います。