【報告】6月12日(金): WE Speak Up:元区議にお話を聞く会

こんにちは、ユースエンゲージメント・アドバイザーの鈴木洋一です。

フリー・ザ・チルドレン・ジャパンは、2020年より24歳までを対象にした、議員や住んでいる街の政治家に対して声を上げて、社会を変えていくプログラム WE Speak Up キャンペーンをはじめました。6月12日(金)にWE Speak Upの一環として、足立区でこれまで合計で3期区議会議員を務めた経験のある米山やすしさんを招いて、市町村区などに働きかける際の方法などについて相談する会をオンラインにて開催しましたので、報告します。

WE Speak Up 元区議に話を聞く会
WE Speak Upの一環として、元区議にどのように市町村区でアプローチをしたらよいか話を伺いました。

当日は足立区在住のWE Speak Upの参加者のほか、区議経験のある米山さんの話を伺いたいと希望した中高生世代の若者が集まりました。

相談会では、まず司会の鈴木より趣旨説明を行い、続いて、安心の場づくりのための確認を行ったうえで、参加者を含めての自己紹介の時間を持ちました。自己紹介では、それぞれが米山さんに伺いたいことも伝えました。区などの地方公共団体への効果的なアプローチなどのほかにも、足立区に教育の現状を知りたいなどの要望がありました。

米山さんには、まず区議の役割の説明をしていただきました。足立区の場合、1日当たり約7億円を使い、一方で、1日当たり1億円が区に入り、不足分6億円を東京都や国からのおカネでまかなっています。区議の仕事とはそのお金を何に使うのかを決めることです。具体的な数字を交えながら、区議の仕事が私たちの生活に関する事柄とも密接に関係することを参加者も感じていたようでした。

また区議として行った活動として、一つのエピソードを紹介してくださいました。生活保護世帯の高校生が自分の進路のためにアルバイトで貯金をしようとしていた際に、区が生活保護を受給しているにもかからずアルバイトをしていることは詐欺であり、生活保護で渡したお金の返金を求められました。その高校生について知人から相談をされた米山さんは、国会での討議で生活保護家庭でも貯金が可能になったことを区役所に伝え、その高校生はアルバイトができるようになり、貯金の末、目指していた進路に進むことができました。区議の一つの役割として、国や都で決まったルールを区の日常生活に落とし込むということを示されていました。(この場合では、区役所の職員が国レベルでの決定を知らなかったようです。)

その後、区や区議へのアプローチに関する質問に丁寧に回答していただきました。いくつか気になったものをメモ形式で以下にピックアップして紹介します。

  • 国会における与党や野党が市町村区議会でも同様に与党や野党というわけではない。
  • 議員へのアプローチは「面会」が最も有効である。その中で、区議は比較的あってもらいやすい。
  • 「面会」するうえで、人数が多いほうがより効果的である。中高生だけでなく、両親や祖父母、町内会長などと一緒に会いに行くのもよい。
  • 国会と同様に区議会も委員会制度がある。議員の中でも関係する委員会に所属している議員に話に行くことが重要。※議会のウェブサイトなどに委員会所属の議員名は記載されていることがほとんど。
  • 効果的なロビイングの事例として、選挙で手伝ってもらった人の面会は断りにくいという事例があった。
  • 国会議員と異なり区議会議員の場合は、秘書へのアプローチよりも、圧倒的に区議自身にアプローチをすることが多くなる。
  • 議員の人となりを知るうえで、実際に面会し、その対応や反応からみることはよい。また、ウェブサイトやスピーチなどからだけで判断することは難しいけれど、選挙事務所を訪れるとその人がどういう人で、また、どういう人に囲まれて生活しているのかが見えて、人となりはより見えやすい。

(メモ協力: インターン藤井美聡さん)

 

イベントの最後には、米山さんから若い方々に早く議員になってほしいという思いをお話しいただき、社会に対して声を上げることにエールをいただきました。米山さん、ご協力ありがとうございました。
米山さんのお話を参考にぜひ参加者の皆さんには、各地域から声を上げる活動を行っていただければと願っています。

WE Speak Up 元区議に話を聞く会
WE Speak Upの一環として、元区議にどのように市町村区でアプローチをしたらよいか話を伺いました。