ミレニアム開発目標にある未来

こんにちは!今日は、FTC創設者のクレイグのお兄さんの

マークによるコラムを翻訳したので、お届けします♪

9月20日から開催されていた「ミレニアム開発目標の首脳会合」に

ついて言及されています。

グローバルボイス:国連ミレニアム開発目標にある未来 2010.9.20

翻訳:浅田紀子、天野フェイス

http://www.thestar.com/news/globalvoices/article/863512–global-voices-seeing-a-future-in-un-s-development-goals

私たちが支援するケニアのマサイ・マラの村人のなかで、

飛行機に乗ったことがある経験を持つ人に出会ったことはありません。

ボロボロのバスにぎゅうぎゅう詰めになって、6時間もかけて

ガタガタの道をナイロビまで行って、お金もパスポートも

持っていないのに飛行場に入ろうとする事は、

ほとんどの人にとって馬鹿げている考えだからです。

しかし、ジェーンお母さんにとってはそうではありませんでした。

自分の娘にパイロットになって欲しいという夢を持っているからです。

今日からミレニアム開発目標(MDGs)の10年ぶりの

首脳会合が開かれていますが、会議に出席している代表団は、

飛行機は国連総会に行くための最上の手段としか考えていません。

そして、多くの人にとって、ミレニアム開発目標というのは、

貧困問題や、子どもの死亡率、HIV/エイズなど2015年までに

解決しなければならない課題の指標をあらわしているものだと

考えられているでしょう。

しかしジェーンお母さんにとっては違います。

彼女にとってミレニアム開発目標は、飛行機を意味するのです。

私たちは、彼女の考えを聞いたとき非常に驚きました。

彼女はわらぶき屋根の小さな小屋に、

家族全員と住んでいましたが、

ここには飛行場などありません。

青空を飛んでいく飛行機も、この草原の上には

ほとんど見ることがありません。

彼女は飛行機がどんなものなのか知らなかったと言います。

彼女は若くして結婚し、出産したので

学校に行く機会が一度もなかったのです。

しかし今、ケニアはMDGsの2番目のゴールである

「初等教育の完全普及」の達成に向かっています。

彼女の6才の娘も学校に行くチャンスを得ました。

そしてある日、娘は家に返ってきて、興奮しながら

飛行機について学んだとお母さんに話したのでした。 お母さんは、娘が飛行機について学べるのなら、

飛行機を操縦する事も可能ではないかと考えるようになりました。

今日の会議で、専門家筋はミレニアム開発目標を「指標」

という言葉で扱うでしょうが、このお母さんは「希望」と言うでしょう。

お母さんの笑顔の両端から見える希望の光がうらやましいです。

私達も10年前はそのように感じましたが、

その感情をもう一度取り戻したいところです。

2000年が始まった時、私達はミレニアム開発目標を

指数とは呼びませんでした。今までにない規模のたくさんの

世界のリーダーたちが集まって、社会で一番の弱者たちに

目を向けようとしたので、私たちはそれを遺産と呼びました。

今日、リーダーたちは10年ぶりに会い、途中経過について

再度話し合いの場を持っていますが、

落胆する感情があることでしょう。

多くの国が目標に達していないからです。

成功している国もいくつかあります。ブラジルは8つの目標のうち、

4つを達成し、2015年までに残りの4つを達成しようと進んでいます。

他はどうでしょうか?ハイチ、マラウイ、スワジランドなどは

達成には程遠い状態です。 それを失敗と捉える人もいるでしょう。しかし、私たちはケニアの

お母さんのように、MDGsを希望と捉えています。

シエラレオネを見てみましょう。この国の指標は初等教育の

完全普及の達成に向かっています。しかし、五番目のゴールの

妊産婦の健康の改善については、対策が必要です。

達成は難しいと思われています。

しかし、サール・バンガちゃんはそうでは無いと言っています。

13才のサールちゃんは、壁が泥や畜糞で作られていた学校に

通っていたと言っています。その地域のお母さんたちは

その壁を数か月ごとに塗り替えていきます。

それでも雨季に入り土砂降りになると壁は壊れてしまいますし、

暑い季節になると乾燥し、ヒビが入って崩れてしまいます。

サールちゃんは荒れ果てた建物に70人の子どもが

すし詰め状態で勉強をしていたのを見ました。

紛争地域だったので、

武器でもあったナタで鉛筆を削ろうとしたそうです。

しかし、彼女の新しい学校では、前の学校を退学する

原因となっていた不満等を感じる事が無くなりました。

教育があれば、身体が未発達の若い状態で結婚し、

子どもを産むという事をしなくてもすむのです。

私たちは、シエラレオネで女性の8人に1人が出産時に

命を落とすという統計を指数と呼んでいます。

サールちゃんは教育の事を、「指数に勝る」と呼んでいます。

10年前、私達はミレニアム開発目標を遺産と呼びました。

失敗やつまづきもあり、指標とみなす人もいますが、

それを「希望」と言っている人もいます。