チョコレート会社のハーシーも児童労働問題に取り組む

こんにちは、翻訳チームの浅田紀子です。
ワシントンタイムズからの記事を紹介します。

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チョコレート会社のハーシーは西アフリカにおける児童労働問題に取り組むと発表しました。児童労働問題の根本的な問題には触れていませんが、それでも企業がこの問題に取り組むと言うのは正しい方向に向かっていると言えます。

10才のジョセフはコートジボワールのカカオ農業で働いています。朝の6時に起き、手にナタをもち、肩に殺虫剤を抱えます。焼けつくような暑さの中での重労働がまた始まります。身体にはナタで負った傷があります。カカオ農業で働いて今年で三年目、彼が収穫したカカオはその後、アメリカやヨーロッパの店に並ぶことになります。

ジョセフのような子どもを守るためにハーシーは2012年の終わりまでにレインフォレスト・アライアンス認証のカカオを使用すると発表しました。

レインフォレスト・アライアンスのアレックス氏はサステナブル・アグリカルチャー・ネットワーク(SAN)の基準に基づき児童労働や奴隷のないカカオに認証をしていると話しています。フェアトレードの基準が価格に焦点を当てているのに対し、SAN基準は農家の生活そのものの向上に焦点をあてています。そこでレインフォエスト・アライアンスは経営、生産向上などのトレーニングや技術指導を行い、トレーニング終了後に認定証を渡しています。

「私たちは、これくらいの値段が妥当という線引きはせずに農家の人たちが自分たちで値段交渉をできるようにしたいのです。よりより経営方法を学ぶことで作物の質や生産性を向上させ、販売することができ、このほうが農家にとってはいいことだと思っています。また、認証の基準には子どもが学校に通っているかどうかも含まれます。2010年にフェアトレード農業の子どもたちが学校に行かず、農業で働いていた事が発覚しています。」とアレックス氏は語ってくれました。

児童労働問題の解決に向けてハーシーとヨーロッパの人たちだけでは難しいです。高い税率と政治の腐敗で農家の人たちの収入はほとんどありません。コートジボワールの農家の人たちは36%の所得税を払わなければいけないので合法に人を雇うのは大変で自分の子どもたちを手伝わせるしかないのです。

西アフリカの当局も最悪の児童労働を終わらせるためにハーシーを見習わなければいけません。アフリカの人々だけが国内の政治を動かし自分たちの権利を主張する力を持っているのです。また農家の人たちをエンパワーすることで国内の政治を正しい方向に導くことができるのではないのでしょうか?

参考サイト
レインフォレスト・アライアンス
http://www.rainforest-alliance.org/ja/agriculture/faq-fairtrade