コンゴのレアメタルを巡る多国籍企業の裏側

こんにちは、翻訳チームの浅田です。
今回はフランス語の記事ということもあり、
大阪在住のシリル・ペリソルに翻訳を依頼しました。

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スイス一の大企業のグレンコアが児童労働を利用したというニュースが物議を醸しています。

 

グレンコアが所有しているコンゴ民主共和国の鉱山で、児童労働によって発掘された銅をグレンコアが買い取ったことをスイスのテレビ局RTS及びBBCで暴露されました。

コンゴ民主共和国で10歳の子どもが鉱山で働いていたのです。現場はカタンガにあるコルウェジから30キロ離れたティルウェジンバと言う鉱山です。

 

2008年からティルウェジンバをKKC「Kamoto Copper Company」という会社が所有しています。グレンコアは子会社のKML「Katanga Mining Limited」を通してKKCを所有しています。

 

2008年の不況による銅の価格暴落のために、ティルウェジンバ鉱山の工業発掘が中止されましたが2010年末から、数百人の鉱夫がこの鉱山にやってきました。

 

現在1600人ぐらいがこの鉱山で銅やコバルトを発掘しています。そこでは子どもも珍しくありません。安全対策がないために、この鉱山は世界の最も危ない鉱山の一つです。毎年地下の40メートルまで降りる古い坑道では落盤で30人ぐらいが亡くなっています。

 

しかし、グレンコアの弁護士はティルウェジンバ鉱山が違法に占拠され、自分たちは被害者だと主張しています。

 

 しかし、いろいろな情報から分析するとある仕組みが浮かび上がりました。

あるテレビ局が調査したところティルウェジンバの鉱夫たちはレバノン人のイズミルに鉱石を売っていたことがわかりました。

鉱山から150キロ離れたバザノというレバノンの大きな鉱業会社に鉱石を運びます。イズミルはこの会社の元社員です。

 

バザノはザンビアにあるMCCという会社に売っているのですが、このMCCはグレンコアの子会社なのです。時に、鉱山から直接MCCに鉱石が運ばれることがある、ということもトラックドライバーから証言が得られています。

 

 しかし、グレンコアは全てを否定しています

 

グレンコアの社長のイバン氏はインタビューで「銅もコバルトもティルウェジンバ鉱山から購入していません。当社では裏で何かをするようなこともしておりませんし、バザノから銅は買っていません」と答えました。

 

グレンコアは工業的に掘削した鉱石しかザンビアの工場では利用していないと主張し、バザノグループも鉱山との取引を否定しています。

 

昨年から株式市場に入ったこともあり、グレンコアは株主への説明も必要になりました。初めて、持続可能に関して100ページ以上のレポートを提出したのですが、その中で鉱山職人の問題については一段落しかなく、この問題についての責任を感じていないようにも見えます。

 

 (原文資料)

http://www.rts.ch/video/info/journal-19h30/3008551-les-associations-action-de-careme-et-pain-pour-le-prochain-denoncent-les-conditions-de-travail-desastreuses-dans-les-mines-de-l-entreprise-glencore-au-congo.html#.T55uZwlUASs.hotmail

http://www.rts.ch/info/suisse/3924500-le-geant-minier-suisse-glencore-lie-au-travail-des-enfants-en-rdc.html#.T55rJBSjF-U.hotmail