労働で失われる少年時代
こんにちは、浅田です。
インドの児童労働に関する記事の紹介です。
(The original article)
(翻訳者 翻訳チーム 小野隼平)
搾取工場で働く13歳の少年達を救出。オーナーは工場内で起きた殺人事件を隠す様に指示。
・少年達は、仕事仲間に友達が殴り殺されるという恐怖の現場を目撃。
・少年達は殺人現場を掃除する様に指示され、24時間死体と共に放置されていた。
・ 警察がこのデリーの工場で起きた殺人事件現場を発見、少年達は救出された。
・ 少年達は午前8時から午後10時までバングルを作り続け、工場の床で寝ていた。
・ 少年達の両親は、彼らを1か月たったの1000ルピーで売り飛ばしていた。
少年2人が、ニューデリーにある違法工場から助け出されました。
少年達は、10時間も休憩無しで朝から晩まで働かされた後、狭い工場の床で寝るという生活を強いられていました。
「私たちは朝8時に起き、顔を洗うとすぐにバングルを作り始めます。1人の日課である25セットのバングルを作り終えるのは夜の10時頃。その頃にはもうくたくたになっていて、そのまま仕事場で寝ていました。」
インドのニューデリー市内、ジャハニプリ、2階建てビルの工場から助け出された2人の少年のうちの一人、ラジェッシュ君(仮名)はこう話しました。
ラジェッシュ(左)とディーパックは11歳の友達が殺された場所を掃除する様に命令されました。その友達を殺したとされているのは、同じ工場で働いていた別の少年。現在逃走中。
ラジェッシュとディーパック(仮名)は、どちらもビハール州にあるコルタ・ビガ村出身です。
一緒に働いていた11歳の少年が7月17日に死体で発見された後、この2人は工場から助け出されました。
警察の話では、殺された少年もコルタ・ビガ村出身で、同じ工場で働く別の少年に殴り殺されました。この少年は殺人を行った後、ラジェッシュとディーパックの前から逃亡。
2人は、オーナー達の命令で殺人が行われた場所を掃除しなければなりませんでした。
この4人の少年達が働いていたバングル工場の横にも、ポリ袋を作る違法な工場がある事が発見されました。
警察の話によると、子ども達は1か月1000ルピーで働かされている事を認識しており、その1000ルピーを両親が抱える借金返済のために毎月送金していたそうです。
「もし自分がお金を家に送らなかったら、家族はどうやって行きていくのだろう」ディーパックは自分に問いかけます。13才になのに、その話し方は大人のようです。
ラジェッシュの両親は、彼を違法工場に売りました。必死に朝から晩まで働き、すぐに寝るだけの生活です。
ディーパックには7人の兄弟姉妹がいます。母親は眼が見えず、父親は以前、工事現場で働いていたものの、今は仕事がありません。彼の19歳の姉が結婚を控えている事もあり、家庭は借金に苦しんでいます
労働で失われる少年時代。
2人の少年は11歳の友人が殴り殺されたトラウマに苦しんでいます。
「ガウラフ(容疑者)はビノッド(仮名)の頭を殴った後、逃走しました。」
ビノッドは頭から大量の血を流し、そして死亡。
ジャハニプリにある違法工場での出来事です。
聞くところによると、工場のオーナーは死体をそのビルに放置。
ラジェッシュとディーパックは事件に関係のある少年達と一緒にポリ袋工場に移されたそうです。
少年達は、隣の住人が殺人事件に気付いて警察を呼ぶまで、小さな部屋に詰め込まれ、働き続けていました。
工場に近くに住む人達は、家から子どもの達の泣き声を聞いていたそうです。
「私達は異変に気付きました。鳴き声はするのに、子ども達がそのビルから出てくる姿を一度も見ていないのですから。」近くに住む住人の話。
バングル工場で働いていた少年達は全員14歳以下でしたが、インドの児童労働法では14歳以下の少年を危険有害業務に就かせる事を禁止しています。
Bachpan Bachao AndolanというNGO団体で2人の子どもの世話をしているラケッシュ・センガーによると、「子どもの権利の保護に関する国内委員会」は最高裁判所での供述において、ジャハニプリを児童労働解放地域に指定したと述べました。
「2009年当時、私達は野放しになっている違法工場の中心がどこにあるかを探していました。
そこはもしかすると、ラジェッシュやディーパック、ビノッドの事件よりも更に残酷な事が行われていたかも知れません。」