米俳優ニコラス・ケイジさんが児童労働撲滅を訴える。ILOがアーティスト・プログラムを開始
こんにちは、浅田です。ILOのニュースを紹介です。
(訳者 翻訳チーム 中丸玲子)
The original article
国際労働機関(ILO)-世界の労働に関する国連専門機関―がアートワークス(ArtWorks)と言うプロジェクトを開始しました。アーティストを巻き込んで、例えば奴隷制や児童労働からの解放など、労働における基本的権利への関心を高めてもらおうと言うプログラムです。
プレスリリース:2012年10月15日
ジュネーブ(ILOニュース)-国際労働機関(ILO)-世界の労働に関する国連専門機関―がアートワークスと言うプロジェクトを開始しました。アーティストを巻き込んで、例えば奴隷制や児童労働からの解放など、労働における基本的権利への関心を高めてもらおうと言うプログラムです。
ハリウッドの大物俳優ニコラス・ケイジさんがアートワークスを支援する最初のアーティストとなりました。ケイジさんは児童労働撲滅に力を注ぐILOに協力できて光栄だと語っています。
現在、世界に児童労働者は2億1500万人以上存在します。「2人の息子の父親として、受け入れがたい状況であり、自分も行動を起こして何かしたいと思いました。」とアートワークスのウェブサイトにケイジさんは声明を掲載しています。ケイジさんは多くの人々に行動を起こすよう呼びかけており、各国政府に対しては児童労働の最悪の形態を根絶する国際協定の批准を求めています。また、一般の人に対しては、サプライチェーンから児童労働を確実になくすよう衣料メーカーやスポーツ用品製造会社に働きかけようと呼びかけています。
ILOのガイ・ライダー事務局長は、アーティストにILOを支援してもらったことが以前にもあったことを思い出し、再び協力してもらう必要性を感じると述べています。「ワーク(労働)は社会の中で改革の力であり、アート(芸術)は人々に刺激を与えて、行動を起こさせるものです。」とライダー事務局長は語っています。また、「世界に目を向けると、何億人もが貧困あるいは奴隷状態で暮らしています。数百万人の子どもたちが労働を強制される一方で、数百万人の大人や若者が失業しています。人々の権利が脅威にさらされていることを目の当たりにし、このような女性、男性そして子どもたちの苦境に目を向けてもらうためにも、より一層緊密にアーティストと協力していく必要があると感じます。みんなで力を合わせれば、多くを成し遂げることができるでしょう。」と述べました。
人気上昇中のスターもアートワークスを支援してくれています。ヴィエンヌという名前でも知られているシンガー・ソングライターのジョナサン・コルシジクさんと映画「Step Up Revolution」(米公開2012年7月) (参考:http://www.imdb.com/title/tt1800741/)に出演している女優キャサリン・マコーミックさんの二人が組んでミュージック・ビデオ「She Breaks」を制作しました。(参考:http://www.ilo.org/global/about-the-ilo/artworks/WCMS_191056/lang–en/index.htm)この曲はヴィエンヌさんが、性的搾取目的で国際的に児童売買された話を、十代後半の少女から聞いて作曲したものです。
「労働は私たちのアイデンティティーの一部であり、人間としての条件の中心を成すものです。」とILOのマルシア・ポオレ広報局長は話しています。更に「労働の世界は、例えば現代版奴隷制のような過酷な状況から児童労働や世界的就職難に至るまで、深刻な危機に陥っています。けれども、人々が行動を起こせば状況を変えられます。だからこそアーティストの支援が非常に重要なのです。ニコラス・ケイジさんが児童労働撲滅との闘いを支援して下さることに感激すると同時に、他のアーティストの方にも参加を呼び掛けています。ですからアートワークスは数カ月でもっと大きくなるでしょう。」と語りました。
ILOは国連最初の専門機関ですが、その設立は国連よりも古く、1919年です。「全世界の恒久的平和は社会正義を基礎としてのみ成し遂げられる」と言う信念を示すために、第一次世界大戦を終結させたベルサイユ条約により設立されたのです。そして、1969年にはノーベル平和賞を受賞しています。